■1.P-MAXキャンペーンは、Googleが提供するスマートキャンペーンの一種で、あらゆる広告フォーマットを統合し、自動的に配信する優れたプラットフォームです。
2023年10月に新たに追加された「検索テーマ」機能により、よりターゲットを絞り込んだ広告表示が可能になりました。検索テーマ機能は、検索意図に基づいてキャンペーンを最適化し、広告のパフォーマンス向上を目指すものです。
本記事では、「検索テーマ」機能の仕組みや、具体的な使い方、効果を最大化するためのポイントについて解説します。
また、記事の後半ではP-MAXで配信するリスクといえるアドフラウドなどアドベリフィケーションへの対策を講じられる「Momentum」のサービスについても紹介します。
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P-MAXの検索テーマとは?
P-MAXキャンペーンの新機能である「検索テーマ」は、広告主がより細かくターゲティングを行い、特定の検索クエリに基づいて広告を表示するためのツールです。
従来のP-MAXキャンペーンは、広告が表示される検索クエリをコントロールするのが難しく、細かいターゲット調整ができない課題がありました。新機能の「検索テーマ」は、これを解決するために導入されたもので、広告がどのような検索意図に基づいて表示されるかを管理できるようになりました。
検索テーマは、広告主がターゲットにしたいキーワードや検索意図を指定して、P-MAXキャンペーンのパフォーマンスをさらに高められる機能です。
また、検索テーマは検索連動型広告のメリットをP-MAXキャンペーンにもたらします。
これまで、P-MAXではユーザーの行動履歴や興味関心に基づいて広告が表示されていました。しかし、今後は「検索テーマ」を利用すれば、ユーザーが実際に検索したクエリに基づいた広告が表示されるため、より適切なターゲット層にリーチできます。
クエリに関連した表示が可能になった結果、関連性の高いユーザーに広告が届きやすくなり、コンバージョン率の向上が期待できるでしょう。
さらに、検索テーマを活用すれば、より詳細なパフォーマンス分析が可能になります。検索クエリごとの成果を確認し、どのテーマが最も効果的だったかを把握できるため、今後のキャンペーン運用にも役立つデータが蓄積されます。
データを基に、検索テーマを微調整し、パフォーマンスの最大化を図れる点も広告主にとって大きなメリットです。「検索テーマ」を設定する際は、具体的で関連性の高いキーワードの選定が重要です。
あまりにも広範囲なテーマを設定してしまうと、ターゲティングの精度が下がり、P-MAXキャンペーンの自動化の強みが薄れてしまいます。広告主がターゲットとするユーザーの検索意図を正確に理解し、絞り込んだテーマを設定する対応が推奨されます。
そして、検索クエリのパフォーマンスを定期的に確認し、改善点を見つけてテーマの調整を行うのも成功するための重要なステップです。P-MAXの検索テーマは、P-MAXキャンペーンにおける柔軟なターゲティングを可能にする有用な機能です。
広告の自動配信のメリットを活かしつつ、より精度の高いターゲティングを実現し、検索意図に基づく広告表示を可能にします。
広告主はより効果的なキャンペーン運用ができるようになり、コンバージョン率やROI(投資対効果)の向上が期待できるでしょう。
検索テーマを活用するメリット
P-MAXで検索テーマを活用するメリットとして挙げられるのは以下の4点です。
- 機械学習に必要なデータを早く収集・分析でき学習期間を短縮できる
- ターゲティングの精度を向上させられる
- 広告表示の予測可能性が高まる
- 運用管理が容易
■1.
機械学習に必要なデータを早く収集・分析して学習期間を短縮できる点は、大きなメリットの一つです。
通常、P-MAXキャンペーンでは機械学習を活用し、ユーザーの行動データや検索履歴に基づいて最適な広告配信を行います。
しかし、機械学習が効果的に動作するまでには一定のデータ収集期間が必要で、キャンペーンの最初の数週間はパフォーマンスが安定しない場合もあります。
そこで、検索テーマを設定すると広告がどのような検索意図に基づいて表示されるかを明確に指示できるため、最適なターゲティングへと進むスピードが速くなります。
■2.
また、検索テーマを設定すれば、P-MAXキャンペーンの自動化の強みを活かしながら、ターゲティングの精度を向上させられます。
特に、新しい商品・サービスのプロモーションでは、最初の段階でどれだけ関連性の高いデータを提供できるかが重要です。新商品・サービスの検索テーマを設定すれば、広告の配信先が絞り込まれ、学習に必要なデータの収集が加速されます。
データ収集が速い分、短期間で高精度なターゲティングが可能となり、キャンペーンのROIを早期に向上させられるでしょう。
■3.
さらに、検索テーマを活用すれば、従来のP-MAXキャンペーンに比べて、広告表示の予測可能性が高まります。完全に自動化されたキャンペーンでは、どの検索クエリに対して広告が表示されるかを広告主がコントロールできないため、効果が出るまでの時間が読みにくい状況でした。
しかし、検索テーマを設定すれば、特定の検索クエリに基づいて広告を表示できます。特定の検索クエリに基づく広告表示が実現すれば、より明確な戦略を立てられて、結果的に目標達成までのプロセスの効率化が可能です。
■4.
そして、検索テーマの利用は管理がしやすい点もメリットとなります。複雑なキャンペーンの設定や管理に時間をかけずに広告の方向性を簡単にコントロールできるため、キャンペーン全体の運用効率も向上できるでしょう。
他のチャネルやキャンペーンとの連携を考慮した場合であっても、検索テーマは一貫性のある広告戦略を実現する手助けとなります。
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検索テーマの活用すべき場面
P-MAXの活用シーンについては、Google広告のヘルプページに具体例が記載されています。
【活用シーンの具体例】 |
・提供している商品やサービスに関する詳細な情報や最新情報がランディング ページに記載されていない。
|
上記は一例であり、自社のビジネスの方向性・フェーズなどで最適な活用タイミングは変化します。
検索テーマ機能のマッチタイプ
検索テーマ機能では、キーワードのマッチタイプが広告の表示に大きく影響します。
特に、同じ検索語句に一致するキーワードが複数存在する場合、どのように広告が選ばれて表示されるのかという点は、広告主にとって理解しておくべき重要なポイントです。
前提として、P-MAXキャンペーンでは同じ検索語句に一致する可能性がある複数のキーワードが広告グループに含まれている場合、オークションでの競合はありません。
これは、GoogleのAIによる優先順位付けによって、検索語句に最も関連性の高い1つのキーワードのみが広告表示に使用されるのがおもな理由です。
オークションで競合されない仕組みにより、広告主は無駄な内部競合を避け、より効率的な広告運用が可能となります。
具体例として、検索語句が「近くのスカイダイビング認定資格」の場合で、2つの異なる広告グループが存在するケースを紹介します。
・広告グループ1:「スカイダイビング ライセンス」 ・キーワード:スカイダイビング ライセンス、スカイダイビング ライセンスの料金 ・ランディングページ:ライセンス取得プロセスの概要を記載した特定のページ |
・広告グループ2:「上級者向けスカイダイビング コース」 ・キーワード:近くの上級者向けスカイダイビング コース、上級者向けスカイダイビング レッスン ・ランディングページ:上級者向けコース専用のページ |
引用:Google 広告アカウントでのキーワードと検索テーマの優先順位付けについて
上記の例では、両方の広告グループが部分一致キーワードを含んでおり、検索語句「近くのスカイダイビング認定資格」に対してどちらも表示される可能性があります。
しかし、AIは検索意図に基づいて、どちらの広告グループがより関連性が高いかを判断し、最も適切な広告を優先的に表示します。具体的には、「認定資格」という検索語句は、「ライセンス」というキーワードと強い関連性があるため、「スカイダイビング ライセンス」の広告グループが優先されます。
一方、「上級者向けコース」も部分一致でマッチする可能性はありますが、関連性がやや低いため、オークションには参加しません。AIは検索語句の意図に基づいて、最も関連性の高い広告を選定するのが基本的な仕組みです。
さらに、検索語句が「ライセンス取得のための上級者向けスカイダイビング コース」であれば、両方の広告グループがほぼ同等の関連性を持ちます。
クエリがほぼ同等の関連性を持つ場合では、AIは広告ランクの高いキーワードを優先し、最適な広告を表示します。
一方で、広告ランクは入札額や広告の品質スコア、広告の予測パフォーマンスなどを総合的に評価して決定されるのが基本です。マッチタイプの優先順位付けは、広告主にとって非常に便利といえます。
なぜなら、複数の関連するキーワードを設定しても、無駄に競合することがなく、最も効果的な広告が自動的に選ばれるため、運用の複雑さが減少するからです。
また、オークションでの競合がなくなれば、無駄なクリックコストも削減できるのもメリットです。
まとめ|PMAXキャンペーンのアドフラウド対策も必須
P-MAXキャンペーンは、新機能の「検索テーマ」により、ますます利便性が高まりました。
一方で、アドフラウドやブランド毀損の被害を受けるリスクについては完全に払拭できていません。
ある事例では、P-MAXが不適切なサイトに配信していて、その結果数日間で数百件のアドフラウドによる被害を受けていた事実が後々判明したものもあります。
そこでおすすめなのが、アドベリフィケーション対策が可能なツールを提供しているMomentumの「HYTRA DASHBOARD」です。
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