話題になっている団体「JICDAQ」って何?結局どうすればいいの?詳しく解説!

恩田基輝
2022-02-04
目次

 この記事は「一般社団法人デジタル広告品質認証機構」であるJICDAQの概要や設立の背景、アドバタイザーとして今後どうしていくべきかをご紹介します。

はじめに


 本記事は2021年5月14日に弊社ブログにて公開したこちらの記事に続く内容となります。設立されて間もなく1年となるJICDAQ。今後のデジタル広告の品質の在り方を知るうえでも、動向が見逃せない団体です。デジタル広告に深く携わられている方にとっても、これから携わっていく方にとっても、少しでも本記事がお役に立てると幸いです。

用語・主要団体説明

 まずは、用語や主要団体について整理いたします。

 

【用語】
アドバタイザー(広告主)
広告費用を支払って、広告活動を企画、制作、依頼する企業または個人のこと。

メディア(広告媒体)
デジタルコンテンツを制作し、提供する企業のこと。

プラットフォーマー
情報通信サービスを提供する企業のこと。情報プラットフォームやコミュニケーションプラットフォームなどがこれに含まれる。

エージェンシー
デジタル広告に関して、広告プランの提案をはじ め、アドバタイザーの代わりにメディアやプラットフォーマーへの出稿や管理を行う企業のこと。

アドテクベンダー(テクノロジー企業)
デジタル広告の取引に関する情報通信技術を提供する企業のこと。DSP、SSP、DMPなどの企業が これに含まれる。

パートナー
上記「メディア」「プラットフォーマー」「テクノロジ ー企業」「エージェンシー」のすべてを含む、デジタル広告にかかわる企業のこと。

 

【業界団体】

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会(JAPAN ADVERTISERS ASSOCIATION Inc.)
※以下JAAという
日本の有力なアドバタイザー企業・団体自らが共同して、広告活動の健全な発展のために貢献することを目的として活動する公益社団法人です。
上記はJAA_HPより引用:https://www.jaa.or.jp/

一般社団法人日本広告業協会(Japan Advertising Agencies Association)
※以下JAAAという
1950年に設立され、日本を代表する広告会社約150社がメンバーとなっている団体です。
上記はJAAA_HPより引用:https://www.jaaa.ne.jp/

一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(Japan Interactive Advertising Association)
※以下JIAAという
インターネット広告ビジネス活動の環境整備、改善、向上をもって、広告主と消費者からの社会的信頼を得て健全に発展し、その市場を拡大していくことを目的とする団体です。
上記はJIAA_HPより引用:https://www.jiaa.org/

一般社団法人日本ABC協会(Japan Audit Bureau of Circulations)
※以下ABC協会という
新聞・雑誌・専門紙誌・フリーペーパーの部数を、公正な立場から一定のルールに則り公査(監査)・認証し、部数データを公開している団体です。
上記はJABC_HPより引用:https://www.jabc.or.jp/

JICDAQの概要

 端的に言うとJICDAQは、JAA、JAAA、JIAAの広告関係3団体が協力して立ち上げた、デジタル広告の品質認証するための機構です。JICDAQは、「Japan Joint Industry Committee for Digital Advertising Quality & Qualify」の略称で、正式名称は「一般社団法人デジタル広告品質認証機構」です。
 急速なデジタル広告の発展とともに品質に関する課題が浮き彫りになりつつある状況から、それらの課題を解決すべく立ち上がった団体です。デジタル広告の品質の課題は多々ありますが、特にその中の「アドフラウドを含む無効配信の除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」に関する品質認証に取り組んでいるのがJICDAQになります。
 アドベリフィケーションの用語の解説はこちらの記事にて詳しく紹介しております。

JICDAQ設立の背景と狙い

前提となるデジタル広告の課題感

 そもそも、デジタル広告は品質に本当に課題があるのか?なんで問題になっているのか?よく分からないと思われている方も多いかと思います。まずはデジタル広告の課題感について簡単に触れていきます。
 前述の通り、JICDAQとしては、デジタル広告の品質の課題の中でも「アドフラウド」と「ブランドセーフティ」について着目をしています。
 アドフラウドとは、「広告詐欺」と言われ、アドバタイザーから広告収入をかすめ取る詐欺の手法です。悪意を持った不正業者やハッカー集団などが、自動化プログラム(bot)などによって無効なインプレッションやク リックを発生させ、アドバタイザーから不当に広告収入を得ています。先ほどのWFAの発表では、2025年までに、アドフラウドは反社会的勢力の2番目に大きい収入源になると言われています(Hewlett Packard Enterprises,”The Business of Hacking”, May 2016)

アドフラウドについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 次に、ブランドセーフティとは、「広告主のブランドを毀損する危険性のあるメディア・広告枠への広告表示を防ぐこと」です。広告主のブランドを毀損するサイトの代表的なカテゴリとしては、エロ・グロなコンテンツを含む成人向けサイト、差別、犯罪、暴力を助長するようなネガティブコンテンツを掲載しているサイト、漫画、映画、音楽のような著作物を無料で閲覧・ダウンロードできるような海賊版サイト、5ch(旧2ch)に代表される匿名掲示板系のまとめサイトなどになります。

ブランドセーフティについてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


 これらはインターネット広告の仕組みが複雑(現在のインターネット広告はDSP-SSPを活用してのプログラマティック取引が一般的)になってしまい、不正を働く隙間を与えてしまっているからです。そのため、ブランド毀損リスクがあるWebサイトに広告がでてしまったり、アドフラウドが働くWebサイトやbot等による被害が発生してしまうということです。

JAA「デジタル広告に対するアドバタイザー宣言」の発表

 そんなデジタル広告の品質課題に対して、業界で意識が高まったきっかけとして、2019年11月にJAAから発表された「デジタル広告の課題に対するアドバタイザー宣言」は外せないトピックです。この宣言は、デジタル広告の課題に対処するにあたって、「アドバタイザーが取るべき姿勢」と「パートナーに求めること」について8つの大原則を掲げているものです。8つの大原則は下記の通りです。(アドバタイザーは8大原則とは別に、「8大原則を実現するために、アドバタイザーが持つべき倫理観」が掲げられています。)

​​
1.  アドフラウドへの断固たる対応
2.  厳格なブランドセーフティの担保
3.  高いビューアビリティの確保
4.  第三者によるメディアの検証と測定の推奨
5.  サプライチェーンの透明化
6.  ウォールドガーデンへの対応
7.  データの透明性の向上
8.  ユーザーエクスペリエンスの向上

 この宣言の名前の通り、JAAは、アドバタイザーが声をあげて課題解決を実行をしていくべきであるというスタンスです。なぜなら、アドバタイザーは他のプレイヤーに対し「アドベリフィケーションやってる?やってないなら広告出さないですよ」と言える強みを持っているからです。逆に、アドベリフィケーションに適切な投資を行ってきたエージェンシーやプラットフォーマーたちは、その対応が評価され、より多くのオポチュニティを得る可能性があります。
 また、このアドバタイザー宣言は、デジタル広告業界の抱える課題への取り組みが進まない原因であった「デジタル広告の配信の仕組み複雑すぎ≒プレイヤー多すぎ問題」への回答でもあります。つまり、「誰がやんの?」という問いに対して、アドバタイザーが「俺がルール作ったから、みんなでやろうぜ」という指針を示した、ということです。デジタル広告に根深く残る様々な課題に対して、業界全体で本気で取り組んでいって欲しいというメッセージが込められた宣言です。
※詳しくは弊社の記事にて紹介しております。(一部抜粋)

広告関連3団体で作り出したJICDAQが描く理想の状態とは

 JICDAQが理想としていることは、基本的に前述のJAAが掲げた「デジタル広告に対するアドバタイザー宣言」の思い描いている内容の延長にあると考えて良いでしょう。言うなれば、JICDAQはアドバタイザー宣言を実現する為に設立された団体といっても過言ではないかと思います。現に、日本アドバタイザーズ協会の小出氏が「ネット広告の不正問題から身を守るには? デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)の設立の背景と狙い」にて下記のように話もされています。

 対策を打つための人もコストもないというのが多くの広告主の現状だと思います。ブロックリストやセーフリストの作成には、多くの媒体から選定する作業が必要であり、アドベリフィケーションツールの導入はコストがかかる。ならば、問題のある広告露出にならないように対策を講じている事業者を広告主が簡単に選ぶことがきれば便利なのでは、との声が出てきた(小出氏)

 こういった背景を鑑みて、実際にアドバタイザーは「賛同」というかたちでJICDAQへの登録を集め、パートナーは有料で登録することとなっています。登録アドバタイザーは、JICDAQの認証を受けたパートナーに広告を発注することを強く推奨し、品質認証を受けたパートナー側へも、品質認証パートナーとの取引を推奨することで、健全な取引関係を構築していくことでサステナブルなものにしていくことが狙いになります。

JICDAQの認証について

  JICDAQは、デジタル広告の品質を認証する機構です。認証の基準は下記の2つです。

・ブランド棄損サイトを排除する業務プロセスの有無
・アドフラウドを含むIVT対策を行う業務プロセスの有無

 認証のプロセスにも2つの方法があります。

・自己宣言:JICDAQが提供するチェックリストを自社で検証する方法
・第三者認証:ABC協会が実際に検証を行なって認証する方法

 ICDAQに認証されると、公式サイトに事業者名が掲載され、クリーンな広告配信が可能な事業者としてお墨付きを得ることができます。

アドバタイザーはどうしていくべきなのか

 では、アドバタイザーは今後どうしていくべきなのでしょうか。それはJICDAQの考えに賛同するか否かで変わってきます。もし「賛同する」ということならば、前述の通り、JICDAQ認証を受けたパートナーに広告を発注すること、それこそが第一歩になるかと思います。ただし、これだけだと受け身になり過ぎてしまうこともあります。場合によっては、ツールや対策を理解せずに丸投げになってしまっているケースが十分あり得るからです。パートナーを選ぶだけではなく、アドバタイザー自身がブロックリスト(広告を配信しない媒体のリストを作成する)やセーフリスト(ブロックリストとは逆に、広告配信を許可する媒体のリストを作成する)、あるいはアドベリフィケーションツールを使用してみて、対策とはどういうことなのか、まずは「理解してみる」という選択肢も取ってみても良いのでないか考えます。
 逆にやはり「賛同できない」という方もいらっしゃるかと思います。そういった方々にオススメなのが、まずは自社の状況を把握するということです。JICDAQに賛同するまではいかないが、ブランド毀損リスクがあるWebサイトに広告がどれくらいでてしまっているのか、アドフラウドによって費用を無駄にしていないかどうかは気になる事かと思います。是非そういった際は気軽に弊社にお声がけください。

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