Adverification Blog by Momentum

結局、漫画村の何が問題だったのか?「海賊版サイトに対する国際執行手続き強化に関する報告会」が開催

2021/09/16 15:39:45 / by 恩田基輝

 2021年9月3日、「海賊版サイトに対する国際執行手続き強化に関する報告会」が開催されました。この報告会は、CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)が主催となり、知的財産戦略調査会などの議員の方々や弁護士に対し、漫画村のような海賊版サイトの現状と、実行すべき国際執行の事例などについての報告が行われました。詳しくはこちらをご覧ください。

 このような報告会をはじめとして、各所で対応は進められているものの、依然として「漫画村」のような海賊版サイトは後をたちません。そこで今回は、そもそも「漫画村」とはどういう悪さをしていて、何が問題だったのかについてご説明したいと思います。

・漫画村って結局何が悪かったの?

 まずはこちらの図をご確認ください。

 

 漫画村を含む海賊版サイトは、著作権を侵害して本来有料のコンテンツ(漫画、映画、動画、お音楽など)を無料で掲載し、PVを稼いでいます。コンテンツの閲覧には広告の表示が付き纏い、広告費が発生しています。また、この段階でいくつかのリーチサイト(海賊版サイトへのリンクサイト)を経由することが多く、そこでも広告を経由することが必須になっている場合もあります。

 また、あらゆるアドフラウドも検知されています。例えば、実際のユーザーではないBotなどによって広告が表示、クリックさせられていたり、ユーザーに視認することができない大きさや場所に広告が表示されられていることもあります。つまり、実際のユーザーが見ているよりも多く、広告のインプレッションがカウントされており、その分広告費が海賊版サイトの収益になっているのです。

 このようなサイトにたいして広告配信事業者も当然対応しています。海賊版サイトと疑われるドメインに対しては広告の配信を停止したり、アドフラウドと思しきトラフィックに関しては広告の入札を行わない、もしくは広告費が発生しないなど、様々な手段が取られています。ただ、海賊版サイト側も、ドメインを詐称し広告のリクエストを行い、広告配信事業者を騙しすなど、新たな詐欺行為を実施しています。アドフラウドの対策と海賊版サイト側の詐欺手法がいたちごっこになっているのが実情です。

 整理すると、問題点は下記の4つになります。

  1. 広告費が違法不正業者(海賊版サイト運営社・個人)の利益になる
  2. 著作権侵害サイトに広告が掲載され、ブランドイメージ毀損のリスクがある
  3. botなどによるインプレッションにより、広告費を無駄にしている
  4. コンテンツホルダーに発生すべきだった利益を損害している(著作権侵害)

 このような、各所に被害を与えながら、「自分だけが儲かれば良い」というスキームが流通してしまうのは、海賊版サイトに限らずインターネット広告の問題点の一つです。

 

・誰が悪いのか?フェイクニュース問題

 漫画村が大きく話題になった時は、そこに広告を配信していた広告配信事業者や、広告主に対して管理責任の追求があったと思います。最近では、海賊版サイト似たような事例に、フェイクニュースの問題が存在します。

 フェイクニュースを掲載しているサイトに対し広告が表示されてしまうと、それがそのまま収益になり、悪意を持った事業の継続につながってしまいます。EU(欧州連合)では、このような問題に対し、法的措置を含めた対策が検討、実行されています。その中では、広告配信事業者に対し、ファクトチェックのアルゴリズムの追加の要望が求められており、早急に対策が進んでいます。言い換えれば、EUでは、フェイクニュースに関する責任の多くが広告配信事業者(意識されているのは大手のメガIT企業だとしても)に課されている、ということだと思います。

 

・みんなで対応しよう

 もちろん、広告配信事業者が悪いわけではありません。悪意を持って海賊版サイトやフェイクニュースを垂れ流す個人・法人がまずは法的に裁かれるべきです。同意に、よりより広告取引の環境を整えるためには、広告主を含めた全てのステークホルダーが、このようなサイト群に頼る広告プロモーションをやめ、市場の健全化に取り組む必要があります。

 

 

Momentumでは、海賊版サイトを含めた広告配信から除外すべき
サイトリストを提供しています。
お問い合わせは下記のフォームからどうぞ!

お問い合わせはこちら

 

 

・参考記事

CODA「海賊版サイトに対する国際執行手続き強化に関する報告会」を開催
http://www.coda-cj.jp/news/detail.php?id=220

 

フェイクニュースの収益化を後押し、ネット広告業界に「責任を取れ」
https://news.yahoo.co.jp/byline/kazuhirotaira/20210528-00240175

 

 

Tags: 基礎知識, プログラマティック広告, 時事コラム

恩田基輝

Written by 恩田基輝

    Momentumメールマガジン登録フォーム