Facebook広告に多い詐欺の実態とは?手口や対策について解説

恩田基輝
2023-04-18
目次

 Facebook広告はターゲティングの精度が高いことから、広く利用されている広告媒体のひとつです。広告審査に通過して料金を支払えば、誰でも広告を掲載できます。実はこのFacebook広告を介して、多くの詐欺広告が出稿されていることをご存知でしょうか?
 これらの詐欺広告は大手企業のブランドイメージを毀損しているほか、ユーザーにさまざまな被害を与えているのです。本記事では、Facebook広告の詐欺被害の実態やその手口、被害を拡大させないための対策ポイントについて解説します。

Facebook広告で見られる詐欺行為とは

Facebook広告で見られる詐欺行為とは

 Facebook広告で見られる詐欺行為とは、リターゲティング広告を悪用して購入希望者のお金を騙し取ることです。人気家電やブランド品などが激安価格で表示されているFacebook広告を見つけて、驚いた経験のある人も多いでしょう。
 リターゲティング広告は、アプリ、ECサイトやFacebookページなどを一度訪れたことがある人を対象に広告を表示する手法です。ユーザーが興味・関心を持つアイテムの広告が自動的に表示されるので、後追い広告とも呼ばれます。価格が低すぎることが気になりつつも、思わずクリックしてしまうケースが後を絶ちません。ほかに、個人情報を詐取するフィッシング詐欺もあるので注意が必要です。詐取された個人情報は、なりすましやデータ販売などさまざまな犯罪行為に悪用される可能性があります。

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詐欺広告による被害の実態

 ユーザー側からすると、前々から入手を検討していた商品が低価格で販売されているので、広告を介して実際に購入するケースも多いのです。注文した商品が届かない、あるいは価格の安い別の商品が届くといった被害のほか、購入時に使用した個人情報も抜き取られるケースがあります。
 クレジットカード、住所、メールアドレスなどが詐取された結果、大量のスパムメールが届いたり複数回にわたって代金を引き落とされたりといった二次被害も出ているのです。ユーザー個人だけでなく、詐欺広告によって企業や商品のブランドイメージが毀損されるといった被害もあります。ほかにも、商品の安全性や組織犯罪の資金源になることが懸念されているのです。

怪しい詐欺広告がFacebookに多い理由

 なぜFacebookには、怪しい詐欺広告が多いのでしょうか?リターゲティング広告は、最適化アルゴリズムを介して配信されています。Facebook広告ではこの最適化アルゴリズムが、他の媒体と比べても優秀なのです。ターゲティング設定によって見込み客に向けて広告を効率よく自動配信できるので、悪質な広告主にも利用されています。
 また激安広告などクリックを誘発しやすい広告は、結果として最適化アルゴリズムから評価されやすいことも詐欺広告がなくならない原因の1つです。たとえ詐欺広告であってもクリックされると、配信されやすくなります。

 もちろん広告出稿にあたっては、広告主の審査があります。しかしFacebook側は、審査を通過した広告主がどのような広告を配信するかは事前に把握できません。以上の理由から、Facebookには多くの詐欺広告が紛れ込んでいるのです。

消費者を騙すFacebook詐欺広告の3つの手口

消費者を騙すFacebook詐欺広告の3つの手口 ここでは、消費者が騙されやすいFacebook詐欺広告の手口を次のとおり3つご紹介します。

  1. 実在する大手企業の名前を騙る
  2. 価値のある魅力的な商品を格安で販売する
  3. https通信を示す鍵マークがついており安全に見える

 では、それぞれの手口について見ていきましょう。

1. 実在する大手企業の名前を騙る

 実在する大手企業の会社名を騙ったり本物に似せたロゴを使ったりしているので、一見すると本物そっくりだという特徴があります。2021年には、偽タカシマヤの免税店閉店オンラインセールをうたう詐欺広告が散見されたことをご存知でしょうか。これを受けて株式会社高島屋は、偽アカウントへの注意を喚起するお知らせを出すなどの対応に追われました。
 2022年には、楽天やソフトバンクの名前を騙った実在しない仮想通貨取引プラットフォーム開設のFacebook詐欺広告が見つかっています。これらの広告は、大手新聞社の記事を装って本物のように作りこまれていました。

 ほかにも商品購入後に受信するサンクスメールに、リアル店舗の連絡先アカウントを使用するなどの偽装工作も見られます。メールの差出人は簡単に偽装できることから、消費者に違和感を与えないためによく使われる手口です。

2. 価値のある魅力的な商品を格安で販売する

 消費者を誘い出すために、消費者にとって価値のある魅力的な商品を格安で提供中だと見せかけています。あこがれの商品が超特価で販売されているという広告を前にすると、気持ちがはやって消費者は簡単に騙されてしまうというわけです。
 誰もがあこがれるハイブランド品が破格値であれば、詐欺広告と見極めやすいかもしれません。意外なことに、撮影アクセサリー、バットや食料品などでも詐欺広告は確認されています。

3. https通信を示す錠マークがついており安全に見える

 インターネット上で個人情報を入力する際には、「https」からURLが始まり、錠マークがついているかを確認している人も多いでしょう。しかし錠マークは、Webサイトとブラウザー間の通信が暗号化されていることを示しているだけです。決して、当該Webサイトが安全で信用できるという意味ではありません。実際には、フィッシングなどの詐欺サイトは基本的に「https」対応になっています。錠マークは通信経路が「安全」だと示しているだけで、詐欺広告サイトでも表示されるため注意が必要です。

詐欺行為の被害を拡大させないための3つのポイント

詐欺行為の被害を拡大させないための3つのポイント どんなに注意していても、Facebookの詐欺広告をクリックしてしまうかもしれません。ここでは詐欺の被害を拡大させないためのポイントを、次のとおり3つご紹介します。

  1. 購入前なら正しいURLや電話番号を確認する
  2. 購入後に気づいたら選択した支払方法ごとに対処する
  3. 情報漏えいが発覚したら自社アドレスを騙った不審メールの可能性を伝える

 では、それぞれのポイントについて見ていきましょう。

1. 購入前なら正しいURLや電話番号を確認する

 激安広告を見つけたら、会社概要を確認したり本物の公式オンラインストアと同じURLかどうか確認したりすることが大切です。会社名が怪しかったり電話番号が見当たらなかったりすれば、どんなに入手したい衝動にかられても購入をあきらめましょう。実際に、会社概要に記載された番号に電話をかけてみるのも良い方法です。
 公式オンラインストアと微妙に異なる名前を騙った詐欺広告も、Facebookでは確認されています。誰が販売しているのか、問い合わせができる状況なのか購入前に必ず確認することが大切です。

2. 購入後に気づいたら選択した支払方法ごとに対処する

 購入してから、本当に購入して良かったのか急に不安になることもあるでしょう。クレジットカード会社から送られてきたカード利用の速報版を見て、2回引き落としが行われたことに気づくことがあるかもしれません。怪しい取引の決済手段として、クレジットカードを使ったのであればすぐに停止・再発行の依頼をします。
 PayPalで決済した場合には、「問題解決センター」に異議を提出することも検討しましょう。商品が届かない、別の商品が届いたなど取引に問題が発生したらPayPalのマイアカウントから報告するようにします。

3. 情報漏えいが発覚したら自社アドレスを騙った不審メールの可能性を伝える

 会社の備品などを、法人カードで購入することもあるでしょう。自社の従業員が、誤って詐欺広告から会社の備品を購入する可能性もあります。従業員の個人情報が抜かれた場合、なりすまし行為に自社の従業員の名前やメールアドレスが使われるかもしれません。
 実際に矢野経済研究所の従業員が、2022年にフィッシングサイトに誤ってアクセスしました。その結果、従業員のMicrosoft 365のIDとパスワード等が詐取されたというものです。そこで矢野経済研究所は、​​なりすましメールが届く可能性を広く伝えて、二次被害や拡散の防止に努めました。

 この事例でもわかるように、万が一詐欺広告を介して従業員の個人情報が詐取された場合には関係各所に伝えて被害拡大を防ぐことも大事なポイントです。

広告主が知っておきたいネット広告のリスクと対策

広告主が知っておきたいネット広告のリスクと対策 Facebookの詐欺広告についてご紹介したとおり、オンライン広告への信頼性は揺らいでいます。一方、オンライン広告を出稿する広告主においても、ブランドセーフティやアドフラウド、ビューアビリティといったリスク対応への検討が必要です。
 上述の3つのリスクは不可避という状況にあり、そのような状況で広告配信の成果をどのようにして可視化していくのか。ここでは、アドベリフィケーションベンダーを活用する方法について見ていきましょう。

オンライン広告の主なリスク

 オンライン広告の主なリスクは、大きく分けると以下の3つです。アドベリフィケーションツールではリスクを検証し、広告配信のコントロールを行います。

リスクの種類

検証するリスクの概要

適切にコントロールされた広告配信

ブランドセーフティ

広告主のブランドイメージを毀損する不適切なサイトに配信されていないか

ブランドリスクのない配信面に掲載される

アドフラウド

botなどが関与した無効なクリックやインプレッションで、広告費が不正に搾取されていないか

広告費を搾取するサイバー犯罪を回避する

ビューアビリティ

ユーザーが広告を視認できる状態にあったか

ユーザーからビューアブルである

 アドベリフィケーションベンダーである弊社では、上記の3つのリスクに対応可能です。またツールによるコントロール下で、リスクなしのインプレッションを可視化する指標「True impression」を定義しました。この「True impression」は、広告KPIとしてご利用いただけます。

≫≫ アドフラウドとは?広告詐欺が発生する仕組みと対策事例を紹介

ムダな広告費を発生させないPre-Bid対応

 ベンダーを活用する場合には、一般的にPre-BidとPost-Bidの2つのタイミングでリスク対応が可能です。Pre-Bid対応とは、広告配信前、つまり入札をする前に「リスク」を解析します。もし事前に設定した「リスク」であれば、Bidリクエスト自体を止める処理をする方法です。

リスクがあった場合のPost-Bid対応

 Post-Bid対応とは広告配信後にリスクを可視化し、その際にリスクがあればリスクに応じて対応を行う手法です。例えば不適切な配信面に掲載された場合には、クリックをさせないといった対応をしてブランド毀損のリスクを下げます。

さらに、最も簡単にリスク対策ができる

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広告主はアドベリフィケーションをはじめよう

 急成長をとげたデジタル広告市場はルールの整備が追いついておらず、広告配信の仕組みを逆手にとって悪用されがちです。今後もデジタル広告市場が健全な発展をしていくためには、デジタル広告へのリスクを回避し「信頼度」を高める必要があります。
 広告主にとっては、アドベリフィケーション対策が自社のデジタル広告へのユーザーからの「信頼度」を高める施策の1つになるでしょう。適切な広告運用にご興味のある広告主様は、ぜひこの機会にアドベリフィケーションツールについて弊社までお問い合わせくださいませ。

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