アドフラウド(不正広告)とは?仕組みやデメリット、対策事例も解説

Momentumブログ編集部
2023-12-14
目次

アドフラウドとは、悪質な方法で広告費を水増し請求する手口です。インターネット広告の規模が増加するにつれて、アドフラウドによる広告詐欺被害も増加傾向にあります。

アドフラウドの詐欺被害を放置していると、広告配信費がムダに消耗させられたり、ブランドイメージが傷つけられたりと、広告主に多大な悪影響を与えます。

そのため、自社が広告詐欺の被害に合っていないか、出稿先の確認を含めて仕組みを正しく理解しておくのがベストです。

この記事では、アドフラウドとはなにか、事例や対策についてわかりやすく解説します。アドフラウド被害を放置するデメリットや、対策ツールについても解説しますので、あわせてご参照ください。

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アドフラウド(不正広告)とは?

アドフラウド(不正広告)とは?

  • アドフラウドの概要
  • 日本でも増加しているアドフラウド
  • アドフラウドの傾向

アドフラウドの概要

アドフラウドとは、無効なインプレッションやクリックを発生させることで、広告費に対する成果件数や効果を不正にかさ増しする行為を指します。別名として「広告詐欺」や「広告不正」とも呼ばれます。

アドフラウドの手口は多岐にわたり、「プログラムを悪用して自動的にクリックを発生させる」「ユーザーの行動に応じてページを自動リロードさせる」「システムの脆弱性を突く」などさまざまです。

各広告配信プラットフォームは対策を進めていますが、新たな手法が次々と生まれており、完全な根絶は容易ではありません。

日本でも増加しているアドフラウド

世界的にはアドフラウド発生率が減少傾向にあるなか、日本国内では依然として増加が続いています。グローバル平均ではアドフラウドの割合が低下し、1%未満まで改善した地域も多い一方、日本はこの流れに逆行する動きを示しています。

特にデスクトップやモバイルウェブのディスプレイ広告では、アドフラウド率が前年を上回り、2020年では世界でもっとも高い被害水準を記録しました。デスクトップでは2.9%、モバイルウェブでは2.7%と、グローバル平均(デスクトップ0.3%、モバイル0.4%)との差は顕著です。

出典:IAS「メディアクオリティ レポート2020年下半期版

さらに、総務省の資料では、2022年上半期でも日本のアドフラウド発生率はデスクトップ/モバイルウェブの両方で「世界20か国中ワースト2位(3.3%/1.7%)」と、依然として高い水準に位置しています。

出典元:総務省「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス

日本でもアドフラウド被害が増加している点を踏まえると、日本国内の広告運用においても適切な対策が急務です。

アドフラウドの傾向

近年のアドフラウドは、従来型の単純なクリック詐欺やインプレッション偽装から大きく様変わりしています。特に注目されるのが、AI技術や高度なボットを利用した手口の増加です。

DoubleVerifyのDV Fraud Labが公表した調査によると、2024年後半には無効トラフィック(GIVT)の発生量が前年比で約86%増加しました。

アドフラウドの傾向

出典:DoubleVerify「AIクローラーとスクレイパーが一般的な無効トラフィックの86%増加に寄与

この背景には、AI搭載クローラーやスクレイパーの急速な普及があります。検索エンジンや機械学習モデルの学習、データ収集を目的に運用される一方、広告配信の計測指標を押し上げる要因のひとつです。

GIVTは通常、悪意のある不正トラフィック(SIVT)とは異なり、業界基準に基づき広告主への課金対象外とされるケースが多いものの、広告パフォーマンスの評価や配信最適化を誤らせるリスクは依然として高いとされています。

さらに、自己申告型のスクレイパーだけでなく、実際のユーザー行動を模倣するよう設計された巧妙なボットも増加しており、アドフラウド検出を回避する精度が高まったモデルも登場しているのが近年の傾向です。

そのため、巧妙化したアドフラウドに対して適切な対策とは何か、アドベリフィケーションツールなどの導入を踏まえた検討が求められると言えます。

アドフラウドの仕組み

アドフラウドの仕組み

アドフラウドの仕組み

アドフラウドの仕組みは主に以下の手口が一般的です。

  • 詐欺用の仮サイトを作る
  • サイトで広告を出稿させる
  • 悪質なプログラムで広告の成果があったように誤認させる
  • クリック/インプレッションの広告費をせしめる

アドフラウドの仕組みのなかでも、中核を成すのが悪質なプログラムによるクリック稼ぎ・インプレッション数稼ぎです。

一口に「アドフラウド」とはいえ、実際には単純にbotで広告をクリックする手口から、不誠実な手段でユーザーを集客して広告を表示する手口まで幅広く存在します。

しかし、いずれの仕組みも、本来の見込み顧客となるユーザーに広告が正しく配信されないため、ビジネス成果に繋がりづらい問題があります。

アドフラウドが発生する仕組みとは?種類から対策方法を解説

アドフラウドの種類

アドフラウドの種類

アドフラウドの仕組みはほとんどが悪質な不正プログラムによるものですが、その種類は多岐にわたります。具体的には、アドフラウドの種類として以下のような手口が実例として見られています。

クリック洪水

「クリック洪水」のアドフラウドとは、1回のクリックを起点に大量の偽クリックを生成し、ほかの広告枠まで踏んだように見せかける手口です。

たとえば、ユーザーが広告Aをタップした瞬間、その端末ID情報を複数の広告枠へ展開し、あたかも広告B〜Zもクリックされたかのように装います。これにより、後日ユーザーが自然に行ったインストールや課金まで、不正事業者に成果として帰属します。

見抜くポイントは、クリックからインストールまでの時間(CTIT)の異常な短さです。複数経路での計測を行えば、クリック洪水の異常値を検知しやすくなります。

インストールハイジャック

「インストールハイジャック」のアドフラウドとは、ユーザーがアプリをインストールしようとするタイミングを狙い、不正な広告が割り込む手口です。

ダウンロードが開始された瞬間に別広告がクリックされたように見せかけ、成果を横取りします。この攻撃は特にモバイル端末で発生しやすく、インストール開始直前のクリック履歴をモニタリングすることで早期発見が可能です。

特に成果がラストクリック基準で計測される場合、不正が見逃されやすくなるため注意が必要です。

インストールバリデーション

「インストールバリデーション」のアドフラウドとは、インストールが実際に発生したかどうかを検証するプロセスを悪用する手口です。不正業者は偽のインストールデータを送信することで、存在しない成果を請求します。

これを防ぐには、AppleやGoogleと連携し、インストールごとに有効性を確認できる計測ツールの利用が有効です。無効なインストールを成果から除外すれば、不正報酬の発生を抑制できます。

ボット

「ボット」のアドフラウドとは、実際には存在しないクリックやインストール、アプリ内アクションの自動生成プログラムを悪用した手口です。近年急増しており、特に「SDKスプーフィング(なりすまし)」が深刻な脅威となっています。

不正業者は、正規アプリを装って計測ツールへ虚偽のデータを送信し、実際には行われていない行動を成果として報告します。オープンソースSDKを利用している場合、コード改ざんリスクが高まり、被害に遭う可能性が上昇します。

異常行動

「異常行動」とは、正規ユーザー行動では起こりえないデータパターンを指します。大量のデータを持つ計測プラットフォームでは、通常のユーザー行動と比較することで不自然な挙動を特定できます。

例として、極端に短時間で複数のアクションが連続発生したり、異常な地域や端末パターンからアクセスが集中するケースがあります。定期的な分析による早期発見が重要です。

端末養殖場(デバイスファーム)

「端末養殖場(デバイスファーム)」とは、大量の物理端末を用いて不正にインストール数やアクションを水増しする手口です。端末IDを頻繁にリセットし、異なる端末からのインストールであるかのように装います。

自社だけでの発見・対策は困難なため、専門業者によるサポートが求められます。

総務省が警鐘! 広告主向けガイダンスで学ぶデジタル広告リスクの現状と対策

【2025年最新】アドフラウドの15種類の手法と仕組みを分類別に解説!

アドフラウド(不正広告)によるデメリット

アドフラウド(不正広告)によるデメリット

アドフラウド(広告詐欺)は広告主にとって一切のメリットがないため、早急の対策が必要です。アドフラウド被害のデメリットをわかりやすく述べると、以下の2つがあります。

  • 広告の正しい効果検証ができない
  • 不正広告による広告費用増加

ここでは、アドフラウド被害のデメリットについてそれぞれ解説します。

広告の正しい効果検証ができない

アドフラウド被害によるデメリットに、正しい広告の効果検証を行えないリスクがあげられます。アドフラウドの手口によって不正にユーザーが集められていたり、プログラムで端末を乗っ取られていたりと、広告の運用成果を正しく測定できないのも事実です。

また、見込み顧客であるユーザーへのアプローチにノイズが混じるため、A/Bテストなどに悪影響をもたらす可能性もあります。

データの分析をもとに、より効果的な広告制作を目指しているマーケティング担当にとって、アドフラウド被害は効果検証を複雑化させる悩みのタネといえます。

不正広告による広告費用増加

アドフラウドの被害によるデメリットに、不正広告で予算等のコストが増加するリスクがあげられます。アドフラウドによって自社の広告費を不正に騙し取られている事例は多いほか、アドフラウド被害に遭っていることすら気づいていない実例も存在します。

国内では1,300億円を超すアドフラウド被害が発生しているともされており、知らないうちに広告予算が騙し取られている可能性も否定できません。

参照:日本経済新聞「広告、閲覧水増し詐欺拡大 国内被害は昨年1300億円」

広告の予算と効果が見合わなくなってしまうため、不正広告によって本来よりも必要以上の予算が必要になる点がアドフラウド被害のデメリットです。

アドフラウドによる広告費増加を防ぐ「HYTRA HORNET」

広告配信の透明性を高め、ブランド価値を守るには、アドフラウドの検出精度が欠かせません。Momentumが提供する「HYTRA HORNET」なら、膨大なトラフィックデータを独自技術で解析し、不正なトラフィックパターンを高精度で特定できます。

アドフラウドによる広告費増加を防ぐ「HYTRA HORNET」

従来の目視確認やルールベースだけでは見逃されやすい潜在的な不正も検知し、健全な広告配信環境を構築でき、予算を有効活用できる体制を整えられるのが魅力です。

透明性の高い運用と効果的な対策を両立する「HYTRA HORNET」は、ブランドセーフティやROI向上を重視する企業にとって強力なパートナーとなります。不正なトラフィックを正確に見極め、排除したい方は、ぜひこの機会に導入をご検討ください。

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アドフラウド(不正広告)の対策方法

アドフラウド(不正広告)の対策方法

広告予算の費用対効果を最大化し、効果測定を適切に行いたい場合は、アドフラウドへの最新対策を取り入れるのがベストです。

不正なサイトへ広告費を支払ってしまわないためにも、最新の対策方法を把握しておきましょう。具体的には、以下の3つの手段があげられます。

  • PMP(プライベート・マーケット・プレイス)での出稿
  • アドフラウド対応DSP事業者を利用した広告出稿
  • セーフリストとブロックリストの使用

ここでは、アドフラウドへの最新対策方法を解説します。

PMP(プライベート・マーケット・プレイス)での出稿

PMP(プライベート・マーケット・プレイス)とは、出稿先の「媒体」と「広告主」を限定した広告取引の仕組みを指します。媒体を事前に審査した状態で取引を行うため、安全な広告掲載先に絞って広告を配信できます。

PMPでの出稿なら、品質が保証された媒体へ広告を配信できるため、アドフラウド被害に遭うリスクを最小限に抑えられるのもメリットです。

一方で、PMPでの広告出稿は通常よりも費用が高くなるほか、自社の環境を整備したうえで審査に通過する必要があります。

メリット

デメリット

  • 品質の担保された媒体に限って広告を出稿できる
  • PMPは通常より費用が高くなる傾向がある
  • 参加するには審査のクリアが必要
  • 広告を出稿するための環境整備も求められる

アドフラウド対応DSP事業者を利用した広告出稿

DSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)とは、広告主が配信先の広告枠を自動的に買い付けできるプラットフォームを指します。買い付け、配信、ターゲティングなどを一括で実施できるため、運用効果を最適化しやすいメリットがあります。

また、広告運用をスピーディに行いやすいほか、複数のアドエクスチェンジへ出稿できるのもメリットです。

一方で、広告の出稿先を細かく選定できず、ターゲット外のWebサイトに広告が表示されてしまう可能性も。アドフラウド対応のDSP事業者なら細かくターゲティングできるプラットフォームもあり、不適切なサイトに広告配信するリスクを抑えられます。

メリット デメリット
  • 広告を最適化しやすく運用も効率化できる 
  • DSP事業者によっては初期費用や最低出稿金額が決められている
  • DSP事業者によってサービス内容が異なる
  • 類似ターゲットに自動配信して運用効果を高められる場合も

セーフリストとブロックリストの使用

セーフリストとブロックリストの保有

セーフリストとブロックリストとは、掲載先に適しているかどうかを判断してまとめたリストです。セーフリストは「許可リスト」。ブロックリストは「除外リスト」とも呼ばれます。

高品質なセーフリストとブロックリストは、アドフラウド被害に遭うリスクを大幅に低減するのに役立ちます。不適切なサイトへ広告出稿するリスクを減らせるため、ブランド毀損などのトラブルも未然に防止しやすいのがメリットです。

一方でセーフリストとブロックリストを高品質に保つのは難しく、数が増えるほど手間がかかります。常に最新情報へ更新しなければリストとしての価値が低くなってしまうため、必要に応じてセーフリストとブロックリストを提供してくれる会社を利用するのもおすすめです。

たとえば、Momentumでは機械判定とプロによる目視確認によって、高品質なブロックリストをご用意しております。常に最新のデータをもとに広告の配信先を限定できるため、アドフラウド被害のリスクを最小限に抑えることが可能です。

「広告予算を適切に運用したい」「不適切なサイトに広告を配信するのは避けたい」「効果測定を正しく行いたい」などをお考えの場合は、一度高品質なセーフリストやブロックリストを利用してみるのをおすすめします。

メリット  デメリット
  • アドフラウドの被害に遭うリスクを大幅に低減できる
  • ブランド毀損などのトラブルも防止できる
  • 更新に遅れがあるとリスト全体の信用度が落ちる
  • 高品質なリストを維持し続ける労力がかかる

アドフラウド(不正広告)に関してよくある質問

アドフラウド(不正広告)に関してよくある質問

ここでは、アドフラウド(不正広告)に関してよくある質問と回答を解説します。

アドフラウドによる影響を受けているか診断できる?

アドフラウドを見極めるには、クリック率やコンバージョン率の急激な変化、特定時間帯の不自然なクリック増加、不適切な地域やIPアドレスからのアクセス集中といった異常データを分析することが重要です。

自社での判断が難しい場合は、Momentum社の無料診断を受診することがおすすめです。

プロによるアドフラウド被害の状況診断を行えます。

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アドフラウドが発生しやすい業種はある?

不正トラフィックは業種を問わず発生しますが、特にWeb広告による集客依存度が高い業種ではリスクが高まります。オンラインゲーム、競馬、パチンコなどのエンターテインメント系業界は発生率が高く、加えてIT、教育、通信、金融分野でも年々増加傾向にあります。セキュリティ対策を行っていないWebサイトは、常に不正の標的となるリスクを抱えています。

アドフラウドを完全に防ぐことはできる?

残念ながら、アドフラウドを完全に防ぐことは現状では困難です。不正の手口は常に進化しており、いたちごっこの様相を呈しています。ただし、アドベリフィケーションツールの活用や配信面の管理、定期的な監視体制によって、被害を大幅に抑えることは可能です。重要なのは「完全防止」ではなく「影響を最小限に抑える」ことです。

アドフラウドによる被害額はどれぐらいある?

アドフラウドの被害額は年々増加しており、無視できない規模に達しています。株式会社Spider Labsの調査では、日本国内における2022年の被害額は1,335億円超と推計されています。広告主にとって大きな損失リスクであるため、早期の対策が求められます。

アドフラウド(不正広告)対策を行って不要な広告費流入を防止しよう

アドフラウド(不正広告)対策を行って不要な広告費流入を防止しよう

アドフラウド(ad fraud)とは、広告費用を騙し取る悪質な手口を指します。広告詐欺とも呼ばれ、「広告予算が浪費される」「正しい効果測定が行えない」「ブランドの毀損に繋がる」などさまざまなデメリットがあるのも事実です。

そのため、アドフラウド対策は単なるコスト削減ではなく、広告投資の健全性を保つうえで欠かせない取り組みと言えます。不正トラフィックを放置すれば、本来成果に結びつくはずの予算が無駄に消費され、広告全体のパフォーマンスが低下するのは避けられません。

もし、アドフラウドの被害を最小限に抑えたい場合は、この機会にMomentumが提供する「HYTRA HORNET」をご利用ください。

「HYTRA HORNET」は、長年トラフィックデータを解析し続けてきたことにより磨かれた検知技術やノウハウとAI技術を組み合わせ、高精度なアドフラウド検知を実現。複雑化・巧妙化する不正なトラフィックパターンも精密に分析し、不正の捕捉率を最大化します。

質の高い検知と迅速な対応が可能となり、より健全で安全な広告配信環境を実現できるのが魅力です。管理にかかる人的コストを抑えつつ、広告運用の最適化に集中していただけます。

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