インターネット広告市場の発展とともに、アドフラウド(詐欺広告)被害も増加傾向にあります。アドフラウド被害は年間1,300億円を超すといわれています。そのため、広告主が気づかぬうちに被害に遭っている事例も少なくありません。
適切な対策方法を知るためにも、アドフラウドとはなにか、15種類の手法と仕組みを事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、アドフラウドの種類について、代表的な15個の手法とその仕組みを分類別に解説します。アドフラウド対策に役立つツールについても紹介しますので、あわせてご参照ください。


悪質サイトへの掲載

詐欺クリック 無効なインプレッション

広告の閲覧率

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アドフラウド(広告詐欺)とは?
アドフラウドとは、Web広告における広告詐欺や不正広告を指します。具体的には、「botでクリック数を稼いで広告費を不正にせしめる」など、実際には発生していない広告効果でお金を騙し取る手法が代表例です。
アドフラウド行為には主に2種類の意図があり、「広告予算を騙し取る」「競合の広告予算を浪費させる」などがあげられます。
ここでは、アドフラウドの仕組みや被害を放置するデメリットについて解説します。
アドフラウドの仕組み
アドフラウドが発生する仕組みはさまざまで、「広告をbotが不正にクリックして水増し請求する」「不正にユーザーを集客した詐欺サイトを偽装して広告を出稿させる」などがあげられます。
アドフラウドが行われる流れは以下のようなケースが一般的です。
- 詐欺に使うサイト(ドメイン)を用意
- 詐欺サイトに広告を出稿させる
- botでクリック数を稼いだり、不正に集客してimp数を稼いだりする
- 不正行為に気づけないまま、効果のない広告費を支払う
基本的に、アドフラウドの仕組みは種類によってさまざまですが、広告費が不正に騙し取られてしまう被害は共通しています。
アドフラウドの具体的な仕組みは業者によって異なるものの、実際の仕組みをより詳しく知って対策方法を考えたい方はこちらの記事もご参照ください。
アドフラウド被害における問題点
アドフラウドの種類によって具体的な被害は異なる傾向にあるものの、アドフラウド被害が発生すると以下のようなデメリットが発生します。
- 水増し請求で広告運用費が増加するリスク
- botなどのノイズによって広告の適切な効果検証ができないリスク
- 不正な手法で集客されたサイトに広告掲載することで、ユーザーから反感をもたれるリスク
特に、不正な手法で集客されたサイトに広告が出稿されると、実際の購買意欲がないユーザーへの表示が増え、広告効果が著しく低下するリスクがあります。
さらに、アドフラウドにはサイトやドメインを偽装して広告を出稿させる手法もあり、気づかないうちに意図しない場所に広告が表示され、運用成果の正しい検証を妨げてしまいます。
アドフラウドが発生する仕組みとは?種類から対策方法を解説
アドフラウドとは?広告詐欺によるデメリットから最新の対策方法を解説
【2025年最新】アドフラウドの15種類の手法と仕組みを分類別に解説!
アドフラウド(広告詐欺)の15種類の手法
アドフラウドの種類は、大きく分けて2つの分類が存在します。
実際に発生した成果を奪い取る |
実際に発生した成果を奪い取る |
まるで自社広告でコンバージョンしたかのように見せかけて広告費を騙し取る |
botなどを活用して成果にはまったく繋がらないコンバージョンを発生・水増し請求する |
いずれも反社会的な組織の収入源となっている可能性があったり、競合他社への嫌がらせだったりと、適切な広告運用を行うためにも迅速な対策が欠かせません。
ここでは、アドフラウドの手法15選と分類について、それぞれの種類を解説します。
- なりすましによるアドフラウド4種類
- アトリビューション奪い取りのアドフラウド4種類
- アプリWebサイト共通で発生しやすいアドフラウド7種類
なりすましによるアドフラウド4種類
なりすましによるアドフラウド被害では、なりすましで成果を発生したように見せかける手法が存在します。実際には価値がないほか、広告の数値に歪みが生じやすく、効果測定を適切に行いにくい課題があります。
なりすましによるアドフラウドでは、以下の4種類があげられます。
- デバイス乗っ取り
利用者のデバイスを不正プログラムで乗っ取り、あたかもユーザーが広告を閲覧したかのように見せる仕組み。さまざまなユーザーから広告表示やクリックが行われているように見えるものの、実際には何の成果にも繋がらない
- ファーム
さまざまなスマホデバイスを活用して、広告のクリックやインストールを行う仕組み。botから人海戦術まであり、新規デバイスの流入率が異常に高くなったり、クリックからインストールまでが短期間に行われたりするなど、異変に気づきやすい
- バックグラウンド
不正なアプリをインストールさせ、実際には広告が表示されていないにもかかわらず、広告を読み込ませているように見せる仕組み。ツールのなかには、クリックしたように見せかける仕組みもある
- SDKスプーフィング
別のアプリに不正コードを忍び込ませ、自分のアプリから成果が発生しているように見せる仕組み。本来成果が発生しているアプリを評価できなくなるため、広告の効果測定が把握しづらくなる。近年急増している被害で、SDKを最新版にアップデートするなどの対策が急務
アトリビューション奪取のアドフラウド4種類
アトリビューション奪取のアドフラウドでは、オーガニックユーザーを自社メディア・広告で発生したかのように見せかける手法が存在します。正当な成果を出しているメディアや広告主を把握しづらく、適切な広告運用をするうえで大きな課題となってしまいます。
アトリビューションを奪い取るアドフラウドでは、以下の4種類が挙げられます。
- クッキースタッフィング
ブラウザのCookieを悪用し、正当なメディアで閲覧された広告を自分の成果であるように見せる仕組み。正当なメディアへ支払われるべき広告費が騙し取られる形で、広告主よりはメディア側が被害者となる不正行為
- クリックインジェクション
ユーザーがアプリを初回起動するとき、不正な別アプリを割り込ませて成果を不正アプリに流す仕組み。ラストクリックを盗み取りコンバージョンを乗っ取る形で、Androidアプリなどに多く見られる
- クリックスタッフィング
意図しないクリックや広告の閲覧を誘発し、その後に発生するコンバージョン成果を奪い取る仕組み。ラストクリックやインストールに至るまでの時間を計測すると異常点に気づきやすいものの、成果の発生地点を正しく把握できない
- アドインジェクション
表示されている広告タグを置き換え、他社のメディアが得られるはずの成果を奪い取る仕組み。クッキースタッフィングと同じく、正当なメディアへ支払われるべき広告費を騙し取るため、広告主よりはメディア側が被害者となる不正行為
アプリWebサイト共通で発生しやすいアドフラウド7種類
各アドフラウドには、種類に応じてアプリやWebなどで頻出する傾向が異なります。一方で、そのどちらにも共通して発生しやすいアドフラウドが登場しているのも事実です。ここでは、アプリWebサイト共通で発生しやすいアドフラウドについてご紹介します。
- 過度な広告領域
大量に広告を表示しているサイトなどへ、悪印象をもたれる送客方法で誘導する仕組み。スパムのようなサイトに誘導されるためユーザーからの印象も悪くなり、表示される広告への不快感からブランド毀損に繋がるアドフラウド
- 広告スタッキング
複数の広告を1つの枠内に配置して、一番上の広告のみを表示する仕組み。imp数だけでなくクリック時にほかの広告もクリックした判定にするなど、ユーザー目線では気づきにくいアドフラウド
- 隠し広告
人の目では視認できないようなサイズの広告や、通常は表示されないエリア、透明状態などで広告を隠す仕組み。システム上では広告が表示されているため広告費を請求されるが、実際にはユーザーに訴求できていないアドフラウド
- 自動リロード
短期間にいくつも自動的にリロードして広告を表示する仕組み。動画などを拡大表示するとき、視認されていないエリアで何度も広告をリロードさせ続け、広告費を不正に請求するアドフラウドも登場している
- ドメインスプーフィング
PVはあっても不適切な反社会的サイトが、ドメイン偽装によって不正に広告オークションに参加する仕組み。入札したサイトと表示されるサイトが異なるため、ツールなどを使わないと発見しづらく、ブランド毀損に繋がるアドフラウド
- ブラウザの自動閲覧
プログラミングでブラウザを乗っ取り、広告を表示させたりクリックさせたりする仕組み。ユーザーが気づかないうちにわざと単価の高い広告を呼び出す駒として使われるなど、ユーザー目線では気づきにくいアドフラウド
- 第三者からのトラフィック
記事広告などで本来以上の訪問者を獲得するため、広告配信などで第三者のトラフィックを集めた際、不正botなどのアドフラウドが含まれてしまう仕組み。記事広告の提供側からすると、PV数を確保するだけのインプレッションが多く含まれ、効果測定を把握しにくいアドフラウド
独自技術により不正トラフィックの検知率を最大限に高める「HYTRA HORNET」
アドフラウドによる不正トラフィックに頭を悩ませている方は、この機会に独自技術でトラブルを解決する「HYTRA HORNET」の導入をご検討ください。
HYTRA HORNETは、「長年の運用で培った膨大なデータベース」と、「独自のトラフィック解析技術」を基盤に、不正なアクセスや異常なパターンを詳細に分析できるツールです。
大規模データとAIを組み合わせることで、不正トラフィックの捕捉率を最大限に高め、巧妙化するアドフラウドにも迅速に対応できます。広告予算を適正に活用し、より健全で安全な配信環境の構築を強力にサポートできるのが魅力です。
お手軽に、さまざまな種類のアドフラウド対策を実現できるため、「広告詐欺の被害を抑えたい」「広告の費用対効果を高めたい」「広告運用の監視負担を減らしたい」とお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
アドフラウド(広告詐欺)対策によるメリット
アドフラウドを放置すると、広告予算が意図しない場所で消費され、成果やブランド価値にも大きな影響を及ぼします。対策を講じることで、費用対効果や運用精度を高め、健全な広告配信環境を維持できるのがポイントです。
ここでは、アドフラウド対策を実施する主な2つのメリットを整理します。
顧客獲得単価を下げることができる
アドフラウドによって発生する無価値なクリックやインプレッションを排除すれば、予算を本来アプローチしたい見込み顧客に集中できるのがメリットです。無駄な配信が減るため、同じ予算でも獲得件数が増加し、顧客獲得単価(CPA)の改善につながります。
適切な広告運用が行えるようになる
アドフラウドが混在したデータでは、広告の効果測定や改善施策が正確に行えません。対策ツールを導入して不正トラフィックを除外すれば、データの純度が高まり、実際のユーザー行動に基づく分析が可能になります。
その結果、媒体選定やクリエイティブ改善といった施策が的確になり、PDCAサイクルをより精緻に回せるようになります。広告運用全体の質が向上させて、長期的な成果の安定化につなげられるのもメリットです。
アドフラウド(広告詐欺)対策ができるおすすめツール
アドフラウドには多種多様な種類がある一方で、対策手法も多数登場しています。たとえば、アドフラウドの対策方法として推奨/非推奨リストの作成や、アドフラウド対策を行っているDSP事業者を利用するなど、さまざまな仕組みで対策をするのもポイントです。
また、アドフラウドのさまざまな種類を統括的に対処できる「アドフラウド対策ツール」も登場しています。アドフラウド対策ツールを利用すれば、専門会社による高品質なサポートを受けられるため、アドフラウド被害をいち早く検知することが可能です。
それに加えて、アドフラウド対策以外にもWeb広告が抱えるリスクを統括的に管理できる「アドベリフィケーションツール」も人気を集めています。アドフラウド対策を始めとしてさまざまなトラブルを未然に防ぐ効果が期待できるため、近年多くの企業で導入が進められています。
ここでは、アドフラウド対策ができるツールとして、アドフラウドツールやアドベリフィケーションツールをご紹介します。
- HYTRA HORNET/Momentum株式会社(アドフラウドツール)
- CHEQ Acquisition/CHEQ(アドフラウドツール)
- SpiderAF/Spider Labs(アドフラウドツール)
HYTRA HORNET/Momentum株式会社(アドフラウドツール)
Momentumの「HYTRA HORNET」は、さまざまな媒体の広告詐欺対策が可能な解析型ツールです。DSPやアドネットワークなどの広告配信事業者向けのリスク対策サービス「HYTRA API」を長年提供しており、数多くのトラフィックデータの解析を行ってきました。この技術と知見に加え、AI技術を活用しサイト訪問者の行動パターンを詳細に分析することで、不正なアクセスの検知率を最大限に高めています。
- 特徴
年間130億トラフィックの解析技術を元にしたアドフラウド検知
AI技術を活用し一般ユーザーとアドフラウドを高精度に判別
シンプルなタグ型設置で手間がかからず導入が可能
CHEQ Acquisition/CHEQ(アドフラウドツール)
CHEQの「CHEQ Acquisition」は、高度なAIと膨大なデータに基づいた2,000以上の検知アルゴリズムで、広告詐欺を徹底的に防ぐセキュリティツールです。 ウェブサイトにタグを設置するだけで、不正なアクセスを即座にブロックし、広告費の無駄遣いを防ぎます。
JICDAQ認証を取得しており、専門のセキュリティチームが常に最新の脅威に対応。マーケティング活動の初期段階から、ボットによる不正アクセスを徹底的に防ぎ、効果的な広告運用をサポートします。
- 特徴
2,000以上の検知アルゴリズム:高度なAIが、巧妙な広告詐欺の手口を多角的に分析
リアルタイム分析:不正アクセスを即座に検知しブロック
専門セキュリティチーム:日本だけではなく、世界の最新の脅威に対応
SpiderAF/Spider Labs(アドフラウドツール)
Spider Labsの「SpiderAF」は、アプリ広告をはじめ幅広いアドフラウド対策機能を搭載しているツールです。不正クリックを検知してブロックする仕組みも搭載されており、CVRを正しく計測できるため適切な広告運用を実現しやすくなります。
- 特徴
大量クリックを検知/ブロックして広告配信を遮断するため手間がかからない
不正クリック内容を分析してbotを始めとする被害割合をレポート化
検出したアドフラウドとブロックで浮いた広告費をチェックできる
アドフラウド(広告詐欺)に関してよくある質問
アドフラウドは目に見えにくい被害が多く、広告運用の現場では「気づかないうちに影響を受けている」ケースも少なくありません。ここでは、アドフラウド(広告詐欺)に関してよくある質問を解説します。
アドフラウドによる影響を受けているか診断できる?
アドフラウドの影響を受けているかは、広告配信後のデータに不自然な傾向があるかどうかで判断できます。たとえば、「特定の媒体から異常なクリックが集中している」「インプレッションは多いのにCVが極端に少ない」「不自然な端末/IPアドレスに偏りが見られる」といったケースは注意が必要です。
自社での判断が難しい場合は、Momentum社の無料診断を受診することがおすすめです。
プロによるアドフラウド被害の状況診断を行えます。
ツールを使わない対策方法はある?
ツールを使わずに行える対策として、広告配信後の実績データを精査し、異常値を発見した場合は対象のIPや媒体をブロックする方法があります。また、出稿先ごとの効果を確認し、不正や品質の低い配信先を除外することも有効です。
ただし、大量データの確認や最新の手口対応は手作業では限界があり、効率化のためにはツール導入が望ましいのが現状です。
各広告媒体のアドフラウドへの対応は?
主要な広告媒体では、それぞれアドフラウド対策を進めています。GoogleやYahoo!広告は無効クリックの自動検出機能を備え、FacebookやTwitter(X)などSNS広告も不正トラフィック遮断の仕組みを持っています。
ただし、プラットフォームごとに対応範囲や精度は異なるため、媒体任せにせず外部ツールと併用することで、より確実な防御が可能になります。
広告詐欺であるアドフラウド(広告詐欺)への対策を検討しよう
アドフラウド対策は、広告運用の健全性を守るために不可欠です。放置すれば広告費の浪費だけでなく、効果測定の精度低下が高まります。
とはいえ、アドフラウドにはさまざまな種類があるのも事実です。担当者が人手で一つひとつ対応するのは課題が残るため、効率的な問題解決のために「アドベリフィケーションツール」の導入をおすすめします。
たとえば、Momentumが提供する「HYTRA HORNET」は、長年トラフィックデータを解析し続けてきたことにより磨かれた検知技術やノウハウとAI技術を組み合わせた高精度なアドフラウド検知を実現することができます。多様化する不正パターンをリアルタイムで捕捉し、より安全な広告配信環境を実現できるのが魅力です。
アドフラウドによる広告詐欺の被害を放置してしまえば、広告の費用対効果が落ち、本来得られるはずの成果を損ねるだけでなく、無駄な予算の浪費にもつながります。スピーディかつ効率的に問題を解決するためにも、ぜひこの機会に「HYTRA HORNET」の導入をご検討ください。