【アドベリサービス解説】HYTRA API編

恩田基輝
2020-01-27
目次

Momentumが提供しているアドベリフィケーションサービスをシリーズ化して、解説いたします。今回は「HYTRA API」についてご紹介します。今回はデジタル広告担当者様向けに執筆しておりますので、用語などの関連知識はリンク先をご参照ください。また、「そもそもアドベリフィケーションってなんだっけ?」という方は、こちらの記事をどうぞ。

 

Momentum株式会社とは

Momentumは2014年に代表取締役の高頭が立ち上げた、国内初のアドベリフィケーション事業会社です。マッキャングループに同名の会社があるためか、よく外資系企業だと思われますが、日系企業です。2020年現在はSupershipグループに所属しています。
「HYTRA」というブランドのもと、主に3つのアドベリフィケーションサービスを展開しています。

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以前は、「BlackSwan」「BlackHeron」という名前で提供しておりましたが、Momentumのビジョン『無価値な広告をゼロにする』を実現するという想いを込め、提供する全てのソリューションを「HYTRA」へリブランディングを行いましたので、以後お見知りおきください。

図の通り、「HYTRA」は提供形態によって3つに分かれております。
本稿では、「HYTRA API」について説明いたします。

HYTRA APIとは

誰向けのサービス?
HYTRA APIは、アドネットワークやDSP/SSPなどのプラットフォーマー向けに提供しているサービスです。プラットフォーマーは、MomentumとAPI連携することにより、ブランドリスクの回避や、アドフラウドの検知などが可能になります。


具体的にどういうことができるの?
HYTRA APIでは以下の2つのメニューを用意しています。

Inventory Quality(以下、IQ):ブランドリスクサイトフィルタリング
Traffic Quality(以下、TQ):アドフラウド検知サービス

Inventory Quality
IQは、広告リクエストがあったURLの記事やリンク構造を解析し、そのURLをブランドリスクのあるカテゴリにあてはめ、スコアリングします。そのスコアが一定の値を超えている場合、Momentumとしては広告出稿の回避を推奨します。

ブランドリスクは主に以下のカテゴリに分類しています。

有害サイト

・2ch(5ch)まとめ(匿名掲示板系)
・アダルト(R18コンテンツ、グラビア、グロ系)
・違法ダウンロード(著作権侵害サイト)
・ネガティブコンテンツ(殺人事件、ヘイトブログ、災害系ニュース記事)
・業種別フィルタ(27種)

例えば、クリーンなイメージが求められる商品のキャンペーンの際、成人向けのアダルトなコンテンツが掲載されているページや、違法ダウンロードサイトを検知し、広告出稿を回避し、ブランド毀損を防ぐことができます。また、業種特有のネガティブなフィルタも用意しています。例えば、自動車関連事業の広告主様が、リコールのニュース記事が掲載されている面に広告を出したくない場合に、ご活用いただけます

Traffic Quality
TQは、広告のリクエストが会った際、そのリクエストの情報を解析します。Momentumでは国際基準に沿って、主に以下のカテゴリに分類しております。

アドフラウド見取り図

General Invalid Traffic = 悪意のない無効なトラフィック
データセンターやクローラーによるトラフィックがです。悪意はありませんが、実際のユーザーに閲覧されているわけではない無効なトラフィックです。

Sophisticated Invalid Traffic = 悪意のある無効なトラフィック
いわゆる広告詐欺と呼ばれるアドフラウドはここに分類されます。アドフラウドは日々進化しております。例えば、「自動化されたブラウザ」一つとっても、「インプレッションのみを大量に発生させるもの」、「クリックを一定間隔で発生させるもの」、「クリックを不定期に発生させるもの」、「リターゲティング広告を引き込むように一度ブランドページに訪れるもの」など、挙動は多岐にわたります。

アドフラウドの詳細な解説はこちらをご覧ください。
https://supership.jp/magazine/technology/1795/

アドフラウドは、広告のパフォーマンスを悪化させるだけではなく、反社会的勢力の収入源となっている背景があります。Momentumでは、90以上の基準を設け、アドフラウドを検知しています。


どういう仕組み?

では、検知されたブランドリスクやアドフラウドを、どういった仕組みで広告配信に利用するのでしょうか。ここでは、よく使われる「pre-bid」という方法を紹介します。(語義的に対になる「post-bid」に関しては別の記事で解説します。)下記のスライドをご確認ください。

6枚のスライドに沿って説明させて頂きましたがお分かりになりましたでしょうか。何らかの不具合で見られない場合は下記を参照ください。

0~8まで、時系列順に並んでいます。
⓪.広告主が代理店を経由してプラットフォーマーに広告出稿を依頼します。
①.ユーザーがメディアにアクセスし、広告リクエストが発生します。
②~④.Momentumは、アクセスしたユーザー情報(ブラウザ、デバイスなどなど)やメディアの情報(どういった内容のサイトか)をプラットフォーマー経由で受け取ります。
⑤.受け取った情報をMomentumのDBと照会し、上記のブランドリスクスコアや、アドフラウド判定結果をプラットフォーマーに戻します。
⑥~⑧.プラットフォーマー側は、受け取った情報を元に、広告を入札(bid)すべきか否かを判断します。入札可だと判断した場合は、通常通り入札し、広告が表示されます。入札不可だと判断した場合は、入札せず、広告も表示されません。

入札(=bid)の前(=pre)に判断するので、pre-bidと言います。

pre-bidのメリット
この手法のメリットとしては、広告主は入札を回避できるので、無駄なインプレッションのコストがかからないことです。また、ブラックリストを活用した場合に比べると、より細かい粒度でブランドセーフティを担保できます。ブラックリストはホスト名単位だったりするのに比べ、pre-bidはURL単位での入札回避が可能です。


安心・安全な広告配信を守るための取組

Momentumでは、IQとTQの両方を導入頂き、安心・安全な広告配信を行う技術と実績を持つプラットフォーマーを「PCP(=Platform Certification Program)」として認定しています。現在PCPにご参画頂いているのは以下のプラットフォーマーです。

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