トランスコスモス株式会社
企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するリーディングカンパニー。BPO業務やデータ分析などとともに、デジタルマーケティング支援もその中核事業になっている。今回取材したデジタルエージェンシー本部内のクオリティコントロール課では、デジタル広告の品質管理にあたっており、アドベリフィケーションツールとしてモメンタムのHYTRA DASHBOARD(ブラックリスト)を利用している。
HYTRA DASHBOARD導入前の状況について
ブラックリスト適用を手作業で行っていた
髙橋さま:
クオリティコントロール課としては、JIAA(日本インタラクティブ広告協会)提供の海賊版サイトのリストを社内一律でGDNに適用していました。リストが更新されるたびに、オペレーターチームが時間をかけて全部で300以上のアカウントに適用していたのです。
適用手順は煩雑です。作業を誤らないよう、分担して手作業で適用してダブルチェックも行い、完了したアカウントを記録する。なおかつ、ブラックリストの性質上なるべく早くに済ませたいので急ぎの対応になる。しかも、突発的に更新されたリストに対応するために、それまで予定していた他のオペレーションよりも優先して対応していました。
田村さま:
他のオペレーションを調整する管理コストまでかかってしまいます。また、JIAAのブラックリストをGDNに適用するのは、あくまで最低限のアドベリ対策です。お客様からのご要望も様々であるため、それ以外のリスト要求をいただいた場合は、プランナーや運用担当者が個別対応していました。我々としても、社内で統一したクオリティのリストを用意する必要があり、モメンタムのHYTRA DASHBOARDの導入となりました。
HYTRA DASHBOARD導入の決め手とは
ブラックリストのON/OFFは約5分の簡単な作業で完了
田村さま:
旧来、手作業で行っていたこともあり、導入作業や反映処理に工数がかからないことが重要でした。アドフラウドやブランドセーフティに対しては、効果と工数のバランスが大切だと思っています。高精度なツールは導入にはコストや工数がかかる事が多いですが、HYTRA DASHBOARDは定額課金、さらに誰でも簡単に時間をかけずに対応できる点を魅力に感じました。具体的には、タグなどを設定する必要もなく、アカウントIDをスプレッドシートに入力するだけでリストを適用できる点が魅力です。
髙橋さま:
弊社では各クライアントの意向に合わせてブラックリストを適用するかどうかを決めているのですが、設定が簡単なおかげで、急に要望されたとしても対応ができています。連絡をいただいて5分ほどで、設定の処理自体は完了します。逆に、ブラックリストを外すのもすぐ。アカウントIDベースですぐにON/OFFを変更できるのがメリットです。
また、時間や人手といったコストが下げられるという点以外では、モメンタム独自のパートナー認定制度も魅力的でした。HYTRA DASHBOARDを導入し、ACP(Agency Certification Program)のパートナーに認定いただけたことで、弊社のアドベリへの信頼度も上がったと思います。クライアントからアドベリについて問われても、モメンタムのHYTRA DASHBOARDを導入し、ACP認定を受けているという説明が一律でできるのは、各担当者にとっても安心感につながっているはずです。
HYTRA DASHBOARDの使い勝手は?
ブラックリストをダウンロードし、展開することが可能
髙橋さま:
ダッシュボードからブラックリストをダウンロードできる点が便利です。ダウンロードしたリストを、データとして社内で回覧できる状態にしています。それによって、社内外での情報共有がスムーズに進んでいます。たとえばDSPにブラックリスト対応を依頼する際、HYTRA DASHBOARDからダウンロードしたデータを加工してお渡ししています。
また、弊社ではHYTRA DASHBOARDを導入した場合、どのくらいコンバージョンが減るかを推計するツールをつくりました。その数値をご確認いただくことで、ブラックリストを導入するかどうかの是非をクライアントに問う体制をとっています。そういった自社ツールとの連携が可能なのは、リストをダウンロードできるHYTRA DASHBOARDの柔軟性あってこそです。
今後の展望について。HYTRA DASHBOARDの活用は?
アドベリはもはや必然。いかに取り組みを活発化させるか、モメンタムに期待
田村さま:
以前は、アドベリに取り組んでいること自体に営業効果があったと思いますが、今ではアドベリは代理店としては当たり前のことになりました。むしろアドベリをしていないことがマイナス評価になってしまいます。ですから、今後は弊社独自のアドベリを、外部のベンダーや媒体社と共同で開発していく姿勢が重要になるでしょう。
髙橋さま:
他社への働きかけという意味だと、すでにHYTRA DASHBOARDが役立った場面は登場しています。それは、ある媒体で行われた機能改善です。媒体によっては除外ドメインの設定数に上限があり、その数が少ないこともある。また、その設定が他媒体に比べて明らかに煩雑すぎるところもある。でも、弊社はHYTRA DASHBOARDが用意した数万ドメインのブラックリストを持っている。どうにかしてこれを効率的に適用したい。
そんな時、HYTRAからダウンロードしたリストの一部を持って、媒体社に機能改善を依頼したことがあります。もちろん他にもさまざまな経緯があったと思いますが、結果的に弊社の要望をきっかけとして媒体の機能が改善されました。こういった社外への働きかけが業界の改善につながったことには安堵しています。その手助けを、これからもモメンタムにしていただけたら幸いです。