Webサイト訪問者に効果的にアプローチしたいなら、「リマーケティング広告」がおすすめです。高い広告効果が見込めるだけでなく、ターゲットに合わせた広告配信で、コンバージョン率アップも期待できます。
この記事では、リマーケティング広告の仕組みから、リターゲティング広告との違い、メリット・デメリットや具体的な配信手順まで、わかりやすく解説します。リマーケティング広告を運用するときのコツについても触れていますので、あわせてご参照ください。
この記事でわかること
- リマーケティング広告とリターゲティング広告の違い
- リマーケティング広告の仕組みとメリット・デメリット
- リマーケティング広告の設定方法と運用ポイント
方法とは?
ヒントを得る
リマーケティング広告とは?
リマーケティング広告とは、Webサイトに一度訪れたユーザーを追跡して、離脱後に広告を表示&再度アプローチするマーケティング手法です。関心の高いユーザーに再度訴求できるため、コンバージョンに繋がりやすい広告として知られています。
リマーケティング広告は、ユーザーがWebサイトを訪れた際にCookieデータを付与し、その後の行動を追跡します。これにより、「Webサイトを訪れたものの購入や会員登録などせずに離脱してしまったユーザー」に対して、再度アプローチをかけて再購入や会員登録を促せるのが特徴です。
≫≫ 動的リマーケティングとは?CV発生の仕組みや配信可能な媒体を解説
リマーケティングとリターゲティングの違いとは?
「リマーケティング」と「リターゲティング」の仕組みに違いはなく、どちらも同じ広告手法です。厳密には、Google広告では「リマーケティング」、Yahoo!広告などでは「リターゲティング」という名称が用いられています。違いは名称のみです。
Facebook広告なども「リターゲティング」といった名称を使っており、基本的には「リマーケティング=Google広告」「リターゲティング=Google以外の広告」といった認識でも問題ありません。
リターゲティング広告の仕組み
リマーケティング広告の仕組みは、Webサイトに設置したタグとCookieによって実現されています。各広告プラットフォームが提供するタグをWebサイトに設置することで、訪問ユーザーにCookieを付与します。このCookie情報に基づいて、ユーザーが他のサイトを閲覧する際に、パーソナライズされたリマーケティング広告を表示できる仕組みです。
原則として、運用型広告であれば多くのプラットフォームでリマーケティング広告を配信できます。種類としては、標準リマーケティング・動的リマーケティング・検索広告向けリマーケティング・動画リマーケティングなどさまざまな形式で出稿が可能です。
リマーケティングに対応した主な広告プラットフォーム
- Google広告(GDN・YouTube)
- Meta広告(Instagram・Facebook)
- X広告
- LINE広告 など
リマーケティング広告の3つのメリット
リマーケティング広告を活用すれば、さまざまなメリットを得られます。ここでは、リマーケティング広告を活用する3つのメリットについてそれぞれ解説します。
- 1.効率的な広告展開が可能になる
- 2.見込み顧客への再アプローチができる
- 3.見込み顧客への単純接触回数を増やせる
1.効率的な広告展開が可能になる
リマーケティング広告に備わっている「自動入札機能」を活用すれば、予算内で最大の効果を得る効率的な広告展開を実現できるのがメリットです。自動入札機能とは、「クリック数を予算内で最大化する」「コンバージョンを指定単価で獲得する」といった目的に合わせ、自動的に入札単価を定める仕組みを指します。
出典元:Google「自動入札機能について」
自動入札機能を活用することで、運用にかかる手間や時間を削減しながら、費用対効果を高めてリマーケティング広告を運用できます。
方法とは?
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2.見込み顧客への再アプローチができる
リマーケティング広告を利用するメリットに、見込み顧客に対して再アプローチができる点が挙げられます。リマーケティング広告は購入・申し込み一歩手前の「コンテンツに関心のある/あったユーザー」がターゲットのため、通常の広告よりもコンバージョン率が高い傾向にあります。
コンバージョン率とは、Web施策において、購入・申し込みといった最終地点にたどり着くユーザー割合のことです。つまり、関心の高い見込み顧客へ再アプローチすることが前提のため、リマーケティング広告は一般的な広告よりも確度が高いメリットがあります。
さらに、CPA(Cost Per Action)を安く抑えやすいのもポイントです。コンバージョン率が高まれば、広告費あたりのコンバージョン獲得件数も増えるため、費用対効果に優れた広告運用を行えます。
3.見込み客への単純接触回数を増やせる
リマーケティング広告を活用すれば、見込み客への単純接触回数を増やし、露出回数が増えることで商材への購買意欲を高める効果が期待できるのもメリットです。「ザイオンス効果」とも呼ばれ、何度も繰り返し接触することで、相手からの好感度や評価を高める効果があります。
つまり、リマーケティング広告で見込み客への単純接触回数を増やせば、対象が自社商材への親近感を持ちやすくなり、顧客の購買意欲を高めることが可能です。たとえクリックされなくとも、リマーケティング広告には一定の効果が期待できると言えます。
リマーケティング広告の2つのデメリット
リマーケティング広告にはさまざまなメリットがあり、確度の高い訴求を行える一方で、いくつかのデメリットも存在します。リマーケティング広告における具体的なデメリットは以下のとおりです。ここでは、リマーケティング広告における2つのデメリットを解説します。
- 1.商品や企業のイメージダウンにつながる可能性がある
- 2.アプローチできる量が限られる
1.商品や企業のイメージダウンにつながる可能性がある
Webサイトの閲覧履歴に基づいてリマーケティング広告が表示されることに対して、ユーザーがプライバシーの侵害と感じたり、不快感を抱いたりしてしまうリスクはリマーケティング広告を活用するデメリットです。
「付け回されているような印象」を通して自社商材にネガティブなイメージを与えてしまうと、ブランドイメージの低下に繋がる可能性も否定できません。そのため、イメージダウンに繋がらないよう表示回数を調整する必要があります。
イメージダウン低下の対策としては、「フリークエンシーキャップ」の設定が有効です。フリークエンシーキャップとは、同じユーザーに広告が表示される回数を制限する機能です。1日、1週間、1ヶ月といった期間で表示回数を制限すれば、過度な広告表示を抑制し、ユーザーの不快感を軽減できます。さらに、見込みの低い顧客への表示を減らせるため、無駄な広告費用を抑える効果も期待できます。
2.アプローチできる量が限られる
リマーケティング広告は、あくまでWebサイトに訪問したことがあるユーザーにのみアプローチする手法です。そのため、新規顧客の獲得やブランドの認知拡大には不向きと言えます。
効果的に新規顧客を獲得するためには、SEO対策やリスティング広告など、他のマーケティング施策と並行して実施していくことが重要です。
リマーケティング広告の設定方法
リマーケティング広告は見込み顧客へ効率的に訴求できるマーケティング手法のひとつです。ここでは、Google広告でリマーケティング広告を設定する方法について具体的に解説します。
- 1.Googleタグを設置
- 2.オーディエンスセグメントの作成と設定
1.Googleタグを設置
リマーケティング広告を設定するには、はじめにGoogleタグを設置する必要があります。Googleタグの設置方法は以下のとおりです。
- Google広告の管理画面にログインし、[ツール]>[共有ライブラリ]>[オーディエンスマネージャー]を選択
- [データソース]>Google広告タグの[タグを設定]を選択(※または詳細)
- (※)リマーケティング条件を選ぶ
- [タグを設定する]>[タグを自分で追加する]を選択
- 表示された[Googleタグ]のコードをコピーし、Webサイトの<head>タグ内に貼り付け
※すでにリマーケティング広告を設定済みの場合は、3を飛ばす
以上で、Googleタグを設置できます。
2.オーディエンスセグメントの作成と設定
- [ツール]>[共有ライブラリ]>[オーディエンスマネージャー]を選択
- [+]ボタン >[ウェブサイトを訪れたユーザー]を選択
- 必要項目を入力し、[セグメントを作成]ボタンを選択
- [キャンペーン]>[オーディエンス、キーワード、コンテンツ]>[オーディエンス]>[オーディエンスセグメントの編集]>対象の広告グループを選択
- [閲覧]タブ>[ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法(データセグメント)]>[ウェブサイトを訪れたユーザー]>該当のリストを選択>[保存]を選択
以上で、自社商材に関心のあるオーディエンスセグメントを設定して、リマーケティング広告を適切に表示できるようになります。
リマーケティング広告5つの運用ポイント
リマーケティング広告で成果を上げるには、ただ配信するだけでは不十分です。ここでは、リマーケティング広告の効果を最大限に引き出すための5つの運用ポイントを、具体的な事例や応用方法を交えながら深掘り解説します。
- 1.広告配信対象のリスト精度を上げる
- 2.ユーザーの初回訪問からコンバージョンまでの期間を把握する
- 3.状況に応じて入札単価を変更する
- 4.バナー広告の種類を増やす
- 5.SEOやリスティング広告で新規ユーザーを集客する
1.広告配信対象のリスト精度を上げる
リマーケティング広告を効果的に運用するためには、リストの精度を高める必要があります。リマーケティング広告の配信対象となるユーザーは、「Webサイトに訪問した」という共通点こそあるものの、その属性や行動は多種多様です。
たとえば、配信対象のユーザーを以下のようなセグメントに分けられます。
- 訪問ページ別:トップページのみ閲覧したユーザー、商品ページを閲覧したユーザー、お問い合わせページを閲覧したユーザー
- 訪問回数別:初回訪問ユーザー、複数回訪問ユーザー
- サイト滞在時間:短時間滞在ユーザー、長時間滞在ユーザー
- 直近訪問日:1週間以内に訪問したユーザー、1ヶ月以内に訪問したユーザー
- 購入履歴:購入経験のあるユーザー、購入経験のないユーザー
- カート放棄:カートに商品を入れたまま離脱したユーザー
セグメントごとに、ユーザーのニーズや興味関心に合わせた広告を配信すれば、クリック率やコンバージョン率の向上が期待できます。具体的には、セグメント別に以下のようなリマーケティング広告が有効です。
- 商品ページを閲覧したユーザー:閲覧した商品を再度訴求する広告や、関連商品の広告を表示
- カート放棄したユーザー:送料無料キャンペーンやクーポン情報を掲載した広告を表示
- 購入経験のあるユーザー:新商品の案内やリピート購入を促す広告を表示
2.ユーザーの初回訪問からコンバージョンまでの期間を把握する
商品やサービスによって、ユーザーが購入や申し込みなどのコンバージョンに至るまでの期間は異なります。たとえば、日用品などの消耗品は比較検討期間が短く、Webサイト訪問後すぐに購入される事例が多いため、リマーケティング広告には向いていません。
また、故障を起因とする高額な家電製品選びや水道工事など、緊急度の高い商材は比較検討する期間も短いため、リマーケティング広告で成果を発揮しづらいケースもあります。
一方で、急ぐ必要のない商材は、ユーザーが実際に行動を起こすまで数日掛かる事例も多くなっています。このように、初回訪問からCVまでどの程度の期間が掛かったかを振り返れば、どのタイミングでリマーケティング広告を出稿すべきか把握できるのがポイントです。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを活用し、コンバージョンまでの平均的な期間を把握すれば、最適なタイミングでターゲットにリマーケティング広告を配信しやすくなります。その結果、CVRの高いタイミング・ユーザーに絞ってリマーケティング広告の配信を最適化できます。
3.状況に応じて入札単価を変更する
リマーケティング広告では、入札単価を調整することで、広告表示の頻度や表示順位をコントロールできます。コンバージョンに至る可能性が高いユーザーに対しては、入札単価を高めに設定するなど、広告表示の機会を増やしてコンバージョンを促進するのも大切です。
特に、コンバージョン直前まで進んだユーザーは購買意欲が非常に高いと考えられるため、優先度高めの入札単価を設定するケースが多くなっています。また、コンバージョンには至らなかったものの、同じ商品ページを何度も閲覧したユーザーは強い興味関心があるため、同じく入札単価を高めることが重要です。
自動入札機能を活用すれば、目標に合わせた入札単価へ自動的に調整できます。リマーケティング広告を効果的に運用するためにも、見込みの高い顧客に注力してコンバージョン率を高める取り組みは欠かせません。
4.バナー広告の種類を増やす
ユーザーの目を引く魅力的なバナー広告の制作は、リマーケティング広告の効果を高めるうえで非常に重要です。メディアごとの広告枠によって、リマーケティング広告を掲載できるサイズ感が異なります。
1サイズのみのバナー広告だけでは、マッチングできる掲載枠が少なくなるため機会損失に繋がってしまうのも事実です。
そこで、さまざまなサイズや形式のバナー広告を用意すればより多くの枠にリマーケティング広告が掲載されるため、ユーザーにアプローチできる機会を増やせます。
5.SEOやリスティング広告で新規ユーザーを集客する
リマーケティング広告を運用するときは、SEOやリスティング広告などで新規ユーザーの集客もセットで取り組むのがベストです。リマーケティング広告は既存顧客&見込み顧客へのアプローチに有効な手法ですが、新しい顧客を引き込む施策にはあまり向いていません。
新規顧客の獲得は、ビジネスが成長するうえで不可欠です。手段として「SEO対策」「リスティング広告」「SNS広告」などを活用し、新規顧客を獲得するためのチャネル構築をおすすめします。
さまざまな施策で新規ユーザーを獲得しつつ、リマーケティング広告で確度の高い見込み客を追跡することで、費用対効果を高めやすくなります。
まとめ:リマーケティング広告の広告効果を改善するならMomentum
リマーケティング広告は、Webサイトへの訪問者を顧客に転換するための有効な手段です。しかし、詳細な配信設定ができない影響もあり、運用方法によってはアドフラウドやブランド毀損などのリスクも孕んでいます。まったく効果のない広告掲載で予算だけが浪費させられてしまったり、不適切なサイトへの掲載で気づかぬうちにブランドイメージが低下したりする可能性も否定できません。
そのような事態を避けるためにも、リマーケティング広告を活用するときは「アドベリフィケーション対策」が必須です。専用ツールを導入すれば、広告の不正配信や、広告予算の悪用を未然に防ぎやすくなります。
もし、アドベリフィケーション対策を検討されている方は、この機会にMomentumの「HYTRA DASHBOARD」をご検討ください。アドフラウドやブランド毀損などのトラブルリスクを最小限に抑えつつ、広告効果を最大化することが可能です。HYTRA DASHBOARDには、「効果につながらないBotなどのアクセスやブランド毀損の防止」「効率的な広告運用」など、リマーケティング広告に欠かせない対策や欲しい機能が満載です。
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