Double Verify、グローバルインサイトレポート2021年を発表

恩田基輝
2021-08-16
目次

 世界大手のグローバルアドベリフィケーションベンダーのDouble Verify(以下、DV)が、2021年版「グローバルインサイトレポート」を発表しました。このレポートは、日本も含めた世界各地のDVが計測しているインターネット広告に関する指標をまとめたものです。SIVT(フラウド)率や、ブランドスータビリティ率などのあらゆるデータがまとまっており、昨今のインターネット広告のメディアの品質とパフォーマンスの関係などが明らかになっています。本記事では、簡単なサマリーをご紹介します。レポートは最下部のDVのサイト(外部リンク)よりダウンロード頂けます。

・Double Verifyとは

 DVは、デジタルメディア測定、データおよび分析のソフトウェアプラットフォームです。2020年、日本オフィスが立ち上がりました。すでにJAA,JIAAに加盟しており、Momentumも参画している「ネット広告健全化推進プロジェクト」にも参画しています。「Authentic impresion」という独自の指標を用いて、広告主のブランド毀損を防ぎつつ、広告パフォーマンスの向上に寄与しています。

 

・グローバルインサイトレポート

 レポートでは世界各国のトレンドが網羅されていますが、ここでは日本およびAPACのスナップショットを取り上げます。

・APACではモバイルがリード – APACにおけるDV検証済みビデオインプレッションの88%がモバイルデバイスを通じて配信されており、これは他の地域の45%と比較して約2倍です。このチャネルでは品質も向上しています。アプリの不正は、アドフラウド/SIVT 全体の 12% から 3% に減少し、モバイルアプリの動画視聴率は 26% 増加、APAC のモバイルアプリの動画視聴率は 80% になりました。

 APACでは、動画広告がトレンドでした。特にほかの地域と比較すると、モバイルでのインプレッションが多かったようです。昨年からSIVT(フラウド)率が減少しており、今後も広告主にとってもさらに魅力的な広告プラットフォームなりそうです。

 

・ブランドスータビリティ(適合性)は依然として懸念材料 – 日本のブランドスータビリティ(適合性)違反率は前年比22%と大幅に増加。他の多くの国とは異なり、日本では違反の大部分(56%)がサイトやアプリの除外リストに起因しています。サイトやアプリのリストに過度に依存すると、DVのセマンティックベースの回避カテゴリとは異なり、ドメインやアプリ全体を除外してしまうため、規模が限定されてしまう可能性があります。セマンティックベースの回避カテゴリは、コンテンツをページレベルで分類し、広告主はサイトやアプリ全体を対象に回避したりするのではなく、特定のトピックによって回避することができます。

 日本のブランドスータビリティ(適合性)違反率は10.1%と、昨年より22%増加しました。APACの他エリアは基本的に減少傾向にあり、日本はAPAC内で最も増加した地域になっています。リスト適用がその理由がどうかはさておき、ブランドスータビリティ違反率が増加しているのは気に掛けるべきポイントになっています。


・日本はアドフラウド対策で進展 – 検証対象期間における日本のアドフラウド/SIVT違反率はAPAC全体の平均を59%下回っており、タイとベトナムだけが日本よりも低い値を示しています。

 APACのSIVT(フラウド)率は0.3%で、APAC平均の0.8%を約59%下回っています。これは優秀な数値ですね。


・動画ビューアビリティ率が大幅に上昇 – 検証対象期間における日本の動画視聴率は前年比94%と大幅に上昇し、世界でもトップに近い1%となりました。

 ビューアブルな動画広告は前年より94%上昇し、世界でもトップのビューアブル率となりました。

 

・まとめ

 インターネット広告のリスクについては、各種のベンダーが計測レポートを発表しています。MRCが世界的な統一指標を提示しているものの、各社の理念やテクノロジーにより、そのレポート内容が異なります。どのような指標が貴社ブランド、貴社クライアントのブランドに合うか、いろいろ比較してみるものいいかもしれません。

 

・Double Verifyのレポートダウンロードは下記からどうぞ

https://doubleverify.com/gir2021_japanese/

 

 

 

 

 

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