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「必ず儲かる投資方法」「スマホで月数十万」…もうけをうたう「情報商材」にご注意を

2021/10/20 19:00:00 / by 恩田基輝

 「ネット上で簡単にできるお仕事」「必ず儲かる投資法」…思わず目を引かれてしまいますが、こうした儲け話に関する広告にはトラブルが潜んでいる可能性が大いにあります。副業、投資やギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ、として販売されている情報は「情報商材」と呼ばれるものの一種です。中には冊子やDVD、USBメモリで「儲けのノウハウ」を販売しているものもあります。

 しかし、「儲けるつもりが残ったのは借金」となるケースも出ています。これら怪しい「情報商材」の広告には注意しなければなりません。知らぬ間に犯罪に加担している可能性すらあるのです。

情報商材についての相談は急増

 まず、「儲け話」につながる情報商材には、以下のようなものがあります(図1)。

図1 情報商材の例
(出所:「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_1.pdf p2

 

 最近はSNSや動画広告でも多く見られるようになりましたが、このような情報商材に関する相談件数は右肩上がりとなっています(図2)。

 

図2 全国の消費生活センター等に寄せられた情報商材に関する相談件数
(出所:「令和元年度消費者白書」消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2019/white_paper_214.html 

 2013年から2018年の間には、相談件数が10倍以上にのぼっています。


情報商材購入での被害相談事例

 国民生活センターに寄せられた情報商材に関する相談事例には以下のようなものがあります。

 

①「1日1通のメール送信で月50万円」

 40代女性からの相談です。

SNSで見知らぬ人から「1日1通のメール送信で月50万円儲かる」と勧められ、紹介されたウェブサイトや動画を見ると、代表者の苦労話等があり経験豊富で信用できると思った。「通常100万円だが、24時間以内に申し込めば約30万円にする」とあったので、クレジットカード分割払いで購入した。しかし、実際はメールを送る作業ではなく、大手通販会社のアカウントを作り、代表者と共に商品を販売するという内容で、商品は売れたが販売手数料を取られて儲けは無かった。

<引用:「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」国民生活センター>
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_1.pdf p3

 ウソの仕事内容を掲示しているうえ、「24時間以内に」と煽ることで契約を急かしています。そしてこの女性には、後日談があります。

その後、定期的に届くメールマガジンで「やる気のある人募集」とあったので応募し、面談担当と会った。「一生サポートし、コンサルティングする」と言われ、経営者になりたいという夢があったので、約120万円の代金を4社のクレジットカードで分割払いしたが、何もしてもらえなかった。その後セミナーが開かれ代表者から「プロデュース会社の誇大広告で、メール1通では稼げない」と説明があった。返金を希望したが「お金はプロデュース会社が持っており、返金には応じられない」と言われ、その後電話がつながらない。

<引用:「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」国民生活センター>
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_1.pdf p3

 むしろ借金が残ってしまったのです。

 

②「入金すると仮想通貨の自動運用で儲けが出るアプリ」

 30代男性からの相談はこのようなものです。

メールマガジンで紹介されたサイトに興味を持ち、メールアドレスの登録をすると、儲かる仕組みの説明動画が複数回メールで届いた。内容は仮想通貨の運用で、アプリに入金すると自動的に運用され儲けが出るというもので、預けた資金が半年毎に30倍になるという説明だった。確実に儲かる話だと思い、約10万円をクレジットカードの分割払いで決済した。

<引用:「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」国民生活センター>
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_1.pdf p4

 しかし、その後の顛末はこうなっています。

決済直後、サイトから「50万円コースに参加する権利を得た」「一瞬にして資産を数百倍から数千倍。1億、10 億、30億確約。先着10 名」というメールが届き、チャンスだと思い、続けて 50 万円をクレジットカードの分割払いで決済した。しかしサイトからアプリが届かず、メールで催促しても返信は無い。電話もつながらず連絡が取れない。

<引用:「簡単に高額収入を得られるという副業や投資の儲け話に注意!-インターネット等で取引される情報商材のトラブルが急増-」国民生活センター>
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_1.pdf p4

 他には、スマホで簡単に儲かる方法として最初に1万円ほどの中身のない情報商材を購入させた後、もっと稼ぐには上位のコースを契約しなければならない、と迫る事業者もあります。消費者庁が事業者の実名をたびたび公表しています*1*2。

 

自分が違法行為に手を染めてしまうケースも

 怪しい情報商材の被害者だったはずが、加害者にもなっている…というケースもあります。2021年に消費者庁から摘発を受けたのが、バイナリーオプションと呼ばれる金融取引の学習用プログラミングツールが入ったUSBメモリを販売していた業者です*3。

 この業者の営業員らは知人の学生たちに「投資をすることで老後の不足資金を補える」「紹介でしか販売していない、他の人を紹介してくれたら仲介手数料として5万5000円支払う」と話し、約50万円のUSBメモリを販売していました。この方法で自分も利益を出している、とも話しています。悪徳なマルチ商法ですが、この業者の場合、学生に違法行為をさせていました。50万円という代金を支払うに当たって、ローン会社にウソの所得を申告させ、借金をさせていたのです。

 このようにして学生にUSBを販売させるトラブルが多発しているとして、消費者庁が注意喚起しています。学生には借金が残りますから、それを回収しようとしてさらに被害者を生んでしまうのです(図3)。

 

図3 学生に投資用USBを購入させるトラブル
(出所:「友達から怪しいもうけ話を持ちかけられたら要注意!~それってマルチかも!?~」消費者庁)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_210202_03.pdf 

 

悪質な情報商材ビジネスの被害に遭わないために

 情報商材をめぐるトラブルが後を絶たない理由のひとつには、情報商材を販売することそのものが違法ではないことがあります。本当に役立つ情報やノウハウであれば、それはまっとうな売買契約として成立するからです。手を変え品を変え、今後も登場し続けることでしょう。

 また、情報商材は代金を先に支払わなければならないという性質もまた、被害拡大の理由でしょう。これらの手口に騙されないようにするには、まず、何事にも「絶対」「100%」はない、ということを日頃から注意する必要があります。「誰でも」「絶対」などをうたうものは疑ってかかる必要があります。

 最後に、興味深い統計をご紹介します。いわゆる「オレオレ詐欺」の被害に遭った人の意識についてです(図4)。

 

図4 オレオレ詐欺被害者の意識
(出所:「オレオレ詐欺被害者等調査の概要について」警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/criminal/souni/tokusyusagi/higaisyatyousa_siryou2018.pdf 資料1-2

 被害者のほとんどが「自分は被害にあわないと思っていた」と回答しているのです。情報商材の怪しい儲け話の場合、「儲かる」という目先の魅力的な利益に心を奪われ、冷静な判断ができなくなる可能性が大いにあります。どこに悪質な情報商材ビジネスの種がまかれていてもおかしくないと考える方が良いでしょう。

 また、被害に気がついたときは、クレジットカードで契約してしまった場合は即座にカードを止めて行政の窓口に相談することも必要です。「消費者ホットライン」は電話番号「188」、警察相談専用窓口は「#9110」です。



・参考資料

*1「最初に1万円程度の情報商材を消費者に購入させ、その後に執ような電話勧誘により著しく高額な情報商材を購入させる事業者4社に関する注意喚起 」消費者庁
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_policy_cms103_200318_0001.pdf 

 

*2「毎月10 万円もうかるビジネスなどとうたい、多額の金銭を支払わせる事業者2社に関する注意喚起」消費者庁
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_policy_cms103_201007_01.pdf.pdf 

 

*3「特定商取引法違反の2事業者に対する取引等停止命令(9か月)・業務停止命令(6か月又は3か月)及び指示並びに各事業者の代表取締役2名に対する業務禁止命令(9か月、6か月又は3か月)について」消費者庁
https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_transaction_cms203_210202_01.pdf 




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Tags: 週刊アドベリニュース

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