自社のWeb広告のコストパフォーマンスに、不満を感じることはないでしょうか?予想した反響や効果が得られないことに頭を悩ませている担当者の方々には、広告の成果に応じて費用を支払う、アフィリエイト広告の導入を検討することをおすすめします。
本記事では、アフィリエイト広告の仕組みや種類、メリット・デメリット、ASPの選定基準、主要ASPの特徴、アフィリエイト広告の費用相場などについて、具体的にわかりやすく解説します。自社の目的に適したアフィリエイト広告の出稿方法を検討する際の参考にしてください。
方法とは?
ヒントを得る
アフィリエイト広告とは
まず、アフィリエイト広告の特徴や仕組み、出稿手順について、わかりやすく説明します。
アフィリエイト広告の特徴
アフィリエイト広告とは、ユーザーが広告をクリックし、広告主のサイトで商品購入や会員登録などの成果が発生した際、その成果に応じて費用が発生するWeb広告の手法です。「成果報酬型広告」と呼ばれることもあります。
アフィリエイト広告の掲載先となるメディアは多種多様で、ポイントサイトや比較サイト、ブログ、InstagramやTwitter、YouTubeといったSNSなどがあります。
アフィリエイト広告の仕組み
アフィリエイト広告の出稿・運用に際しては、ASP(Affiliate Service Provider)と呼ばれるサービス提供者が、広告主と配信先メディアとなるアフィリエイターをつなぐ役割を担います。ASPは、アフィリエイト広告を一括管理して、広告主が出稿した広告をアフィリエイターに提供します。
ASPは、Webサイトやメールマガジン、ブログ、各種SNSなどのメディアを取りまとめて、アフィリエイト広告の掲載先を決定します。
広告主が、個々のメディアに商品やサービスの説明をする必要はありません。メディアに対する報酬の支払いも、ASPが一括して実施するので、広告主の請求処理に関する手間を削減できます。
アフィリエイト広告の出稿手順
アフィリエイト広告の基本的な出稿手順は、以下の通りです。
- 広告主が成果条件を決定してASPに広告を出稿
- ASPが広告主からの依頼をもとに媒体に対して広告を案内
- 媒体主が条件に合った広告を選んで自社メディアに掲載
- 広告掲載先メディアを訪れたユーザーの行動によって成果が発生
- 成果に応じて広告料金が発生
- 広告主からASPに広告料金の支払い
広告費用の発生条件や広告の表示形式、掲載先メディアに関する条件などは、ASP各社がポリシーや利用規約などに明記しています。アフィリエイト広告を出稿する前に、利用を検討しているASPのサービス内容や規約を詳細に確認する必要があります。
アフィリエイト広告の種類は3つ
アフィリエイト広告は、費用の発生条件に応じて3つの種類に分けられます。
- クリック型
- インプレッション型
- 成果報酬型
種類別の特徴について、以下に説明します。
1. クリック型
クリック型のアフィリエイト広告では、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて費用が発生します。広告の表示形式はバナーやテキストが多く、費用は商材やサービスのジャンルによって大きく異なります。
2. インプレッション型
インプレッション型のアフィリエイト広告では、広告が表示された回数に応じて費用が発生します。多くのユーザーの目にとまることが主な目的で、商品やサービスの認知度向上やブランディングなどに適した広告です。
3. 成果報酬型
成果報酬型のアフィリエイト広告では、広告掲載先メディアを経由して、ユーザーが商品購入や会員登録などを行った際に、その数に応じて費用が発生します。アフィリエイト広告の中で、最も一般的なタイプの広告です。
アフィリエイト広告の3つの表示形式
アフィリエイト広告の表示形式には、以下の3つがあります。
- テキスト広告
- バナー広告
- ボタン広告
それぞれの表示形式の特徴について説明します。
1. テキスト広告
アフィリエイトリンクをテキストで表示する広告形式です。広告掲載先メディアの記事内にリンクを挿入するため、ユーザーの閲覧の邪魔にならずに広告を掲載できます。
掲載先のテキスト設定によっては、テキストリンクが判別しにくくなることがあるため、分かりやすくリンクが表示されるかどうかを確認する必要があります。
2. バナー広告
アフィリエイトリンクをバナー画像で表示する広告形式です。リンクを画像にすることで、ユーザーに商品やサービスのイメージを伝えることができます。
バナー広告は、スマートフォンでメディアを閲覧する際に操作ミスの原因となるおそれがあるため、利用デバイス別にバナー設置後の画面バランスを確認することが重要です。
3. ボタン広告
アフィリエイトリンクをボタンで表示する広告形式です。遷移先の情報をボタン上に記載できます。広告ページを閲覧したいと考えたユーザーが、クリックしやすい表示形式です。
アフィリエイト広告の3つのメリット
アフィリエイト広告を利用することで期待できる主なメリットには、以下の3つがあります。
- コストパフォーマンスの高さ
- 企業・商品の認知度向上
- 初期費用を抑えることができる
それぞれのメリットについて、具体的に説明します。
1. コストパフォーマンスの高さ
アフィリエイト広告では、成果対象として広告主が設定したユーザーの反応や行動に対して費用を支払うため、効果を出していない広告に費用を支払う必要がありません。
通常のWeb広告を出稿する際には、掲載先メディアを訪問したユーザーが広告に反応しなくても、広告費用が発生します。アフィリエイト広告は、Web広告のさまざまな手法の中でも、最も高い費用対効果が期待できる手法です。
2. 企業・商品の認知度向上
ASPに登録されている多種多様なWebメディアに広告を表示できるので、幅広いユーザーに向けて、企業や商品をアピールできます。
通常のWeb広告では、広告内の限られた情報によってユーザーに概要や魅力を伝えなければなりません。アフィリエイト広告では、個々のメディアが独自のレビューやコンテンツなどを用いて広告内容を紹介するため、多彩な方法によって、企業や商品の認知度を高めることができます。
3. 初期費用を抑えることができる
通常のWeb広告の出稿では、掲載開始時に広告費用を支払う必要があります。成果に応じて費用が発生するアフィリエイト広告では、ASPが定める初期費用を支払うだけで広告を出稿できるため、広告運用を開始する際の負担を抑えることができます。
ASPには、初期費用無しのサービスも存在しますが、月額費用が高めに設定されていることが多いので、契約前に各種費用を確認する必要があります。
アフィリエイト広告の3つのデメリット
アフィリエイト広告のデメリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
- 広告掲載が確約されない
- 固定費用が必要
- 希望しない媒体に掲載される可能性がある
それぞれのデメリットについて解説します。
1. 広告掲載が確約されない
アフィリエイト広告のデメリットの第一に挙げられるのは、広告の掲載が確約されているわけではないことです。広告がメディアを運営するアフィリエイターに選ばれなければ、いつまでも広告が掲載されません。
アフィリエイト広告がアフィリエイターたちに選ばれない主な理由には、広告内容に魅力を感じない、報酬が発生する成果のハードルが高い、成果報酬が低い、などが挙げられます。アフィリエイト広告は、成果につながる表現を不特定多数のアフィリエイターに任せる広告手法であるため、アフィリエイターにとって魅力的な広告内容や成果報酬設定にすることが重要です。
2. 固定費用が必要
アフィリエイト広告では、初期費用が安く抑えられますが、月額利用料をASPに支払う必要があります。ASPの月額利用料は、アフィリエイト広告で成果報酬が発生しなくても、固定費用として支払うものです。
広告掲載や成果の大小にかかわらず、毎月一定の固定費用が発生することを踏まえて、アフィリエイト広告の運用方法や目標を検討する必要があります。
3. 希望しない媒体に掲載される可能性がある
アフィリエイト広告では、大手企業が運営する著名なサイトから個人のブログまで幅広い掲載先が用意されています。ケースによっては、自社広告のイメージに合わない媒体や、コンテンツが公序良俗に反する媒体に掲載される可能性があります。
ASPを選定する際には、広告配信ジャンルの設定や、掲載媒体の審査、広告掲載後の掲載面のチェック方法などを入念に確認して、適切なブランドセーフティ対策を実施することが重要です。
アドベリフィケーション観点から見たアフィリエイト広告の課題とは
アフィリエイト広告は広告効果が高い一方、ネガティブなニュースも目立ちます。一部の広告主やユーザーからはあまりいいイメージを持たれていません。それは、これまでの発展の経緯や、、表現が過激になっていきやすい広告の構造上の問題が原因かもしれません。
では、どうすれば、ブランドセーフティを保ちつつ、効果的にアフィリエイト広告を活用できるのか?詳しくはこちらをご覧ください!
アフィリエイト広告の課題とは?問題点と対策をわかりやすく整理!
利用するASPの選び方
自社広告の目的や条件に適したASPを選定する際のポイントには、主に以下の3つがあります。
- 初期費用・月額費用を比較検討する
- 自社製品に合ったメディアの登録状況を確認
- ASPが定めた利用規約を確認
各ポイントについて、具体的に説明します。
1. 初期費用・月額費用を比較検討する
ASPを利用する際にかかる費用は、初期費用や月額利用料といった固定費と、成果が発生した際にアフィリエイターに支払う報酬の2種類に分けられます。初期費用と月額費用は、ASPによって異なるため、複数のサービスの費用を比較検討することが必要です。
2. 自社製品に合ったメディアの登録状況を確認
自社広告を掲載したいメディアのジャンルを得意とするASPを選定することは、アフィリエイト広告運用を成功させる重要ポイントです。主要ASPには、それぞれ登録メディアが多い得意ジャンルがあります。メディアの登録状況を確認して、自社の広告内容に合ったASPを選定しましょう。
3. ASPが定めた利用規約を確認
ASPが定めている利用規約や禁止事項などのルールの確認も、ASP選定におけるポイントのひとつです。広告主とアフェリエイターにどのようなルールを課しているのかをチェックして、安心して広告を出稿できる環境を整備しているASPを選ぶことが重要です。
主要ASP5つの特徴
日本国内の代表的なASPには、以下の5つがあります。
- バリューコマース
- リンクシェア
- A8.net
- アクセストレード
- JANet
それぞれのASPの主な特徴を紹介します。
1. バリューコマース
バリューコマースは、広告掲載先に多数の大手メディアを持つASPです。
大手メディアの集客力を活かしたアフィリエイト広告の出稿を行い、新規顧客の獲得や商品の認知度向上を促す広告運用を実施します。比較サイトやポイントサイト、個人ブログ、各種SNS(YouTube、Instagram、Twitter)といった、多種多様なメディアへの広告掲載が可能です。Yahoo!の検索データを活用して、見込み客の行動に合った広告出稿や、広告効果の改善を行っています。
2. リンクシェア
リンクシェアは、楽天グループが提供する国内最大級のASPです。
品質の高いサービスと、独自技術を活用した豊富な広告管理機能がリンクシェアの特徴です。広告掲載先メディアに対する厳しい審査基準や、独自のネットワーク管理体制によって、ブランドセーフティのための取り組みを行っています。
3. A8.net
A8.netは、23,000社以上の導入実績を持つ大手ASPです。アフィリエイトマーケティング協会が実施する「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査2022年」で12年連続満足度1位を獲得しています。
A8.netには、320万に上る多種多様なジャンルのメディアが登録しています。年間で700~1,000社の広告主が利用中です。美容・健康関連や金融、人材、サブスクリプション、D2C、BtoBなど、幅広いジャンルの商品・サービスの広告を取り扱っています。
4. アクセストレード
アクセストレードは、20年以上の運用実績を持つASPです。
アクセストレードが取り扱う広告のカテゴリーは、Eコマース、サービス、金融・保険、エンタメ、その他の計5つに分けられます。掲載先のメディア自身が自社の商品購入やサービスへの申し込みを促す広告を出稿するセルフアフィリエイトも実施しています。
5. JANet
JANetは、約11,400の取り扱い広告数を持つASPです。
各種Webメディアやメールマガジンなどへ広告を出稿する企業をサポートする、豊富なプログラムを提供しています。1か月単位での契約が可能となっており、リスクを最小限に抑えた広告運用が可能です。
アフィリエイト広告の費用相場
アフィリエイト広告で必要となる費用は、以下の3つに分けられます。
- 初期費用の相場
- 月額費用の相場
- 成果報酬費用の相場
それぞれの費用の相場について説明します。
1. 初期費用の相場
ASPの利用を開始する際に、広告主はASPが定める初期費用を支払います。ASPの初期費用の相場は、5万円前後です。初期費用不要なASPもありますが、その場合は月額費用が割高になるケースが多くなります。
2. 月額費用の相場
ASPを通して アフィリエイト広告を出稿する際には、月額利用料が固定費用として発生します。ASPの月額費用の相場は、3~5万円程度です。月額費用は、広告サイズや掲載期間などによって変動することがあります。
3. 成果報酬費用の相場
広告主が設定した成果に応じて発生する成果報酬費用は、ASPを介して広告主からアフィリエイターに支払われます。主要ASPの大多数は、アフィリエイト広告の成果報酬の基準や目安などを公表していませんが、一般的には商品価格の5~20%が相場と言われています。
アフィリエイト広告運用における4つの注意点
アフィリエイト広告を出稿・運用する際の注意点には、主に以下の4つがあります。
- 法令順守の徹底
- ASPの規約を遵守する
- 広告運用状況の確認
- ブランドセーフティ対策の実施
それぞれの注意点について、具体的に解説します。
1. 法令順守の徹底
アフィリエイト広告では、商品やサービスを紹介する記事やブログをアフィリエイターに一任します。ASPは、アフィリエイターが作成したコンテンツが、法令に違反していないことをチェックします。たとえば、著名人の画像が掲載されていれば許諾取得を確認し、体験談を掲載していれば厚生労働省に承認されている内容であることを審査するのです。
アフィリエイターは成果が発生しやすいように、コンテンツを頻繁に更新します。更新内容をすべてASPや広告主がチェックすることは困難で、表現や使われている画像をその都度審査することは事実上、不可能です。一部のアフィリエイターが、薬機法や景品表示法、著作権法が定めた範囲を逸脱してしまう可能性もあります。
万が一、法律に違反した場合、広告停止や罰則を受けるといった事態を招いてしまいます。アフィリエイト広告の運用は、景品表示法や特定商取引法、薬機法などを遵守して行うことが必要不可欠です。
2. ASPの規約を遵守する
国や自治体が定める法令に加えて、利用するASPの利用規約を遵守した広告を出稿することも、必要です。利用するASPの規約を詳細に確認し、広告に用いる表現やリンクの貼り方などが規約違反にならないように注意しましょう。
3. 広告運用状況の確認
自社のアフィリエイト広告の運用状況を定期的に確認し、問題が生じた際には適切な運用改善を実施する必要があります。
期待したユーザーからの反応や成果が得られない状況であれば、アフィリエイトリンクの形式や成果報酬を再検討するなどの改善策を、早めに実施することが重要です。
4. ブランドセーフティ対策の実施
広告主のイメージを毀損するリスクのあるメディアへの広告掲載を防ぐためには、ASPの媒体管理・審査に頼るだけでなく、自社で実施するブランドセーフティ対策を検討することも重要です。
アフィリエイト広告では、すべての掲載面をチェックすることは容易ではありません。ブランドセーフティ対策を強化するために、アフィリエイト広告向けの機能を備えた管理ツールの導入をおすすめします。
効果的で安全なアフィリエイト広告運用を実現しましょう
本記事では、アフィリエイト広告の仕組みや種類、利用するメリット・デメリット、主要DSPの特徴、費用相場などについて解説しました。
アフィリエイト広告の特徴を活かした運用を実現するには、自社に適したASP選定やブランドセーフティをはじめとするアドベリフィケーション対策の実施が、重要な条件となります。有効な施策を行い、安全で費用対効果の高い広告運用を実現してください。
アフィリエイト広告に関して、自社での解決が難しい課題が生じた際には、アドベリフィケーション事業のエキスパートであるMomentumに、お気軽にご相談ください。
Momentumができること
アフィリエイト広告業界では、広告や広告掲載面の品質の問題を解消するために、各ASPがポリシーやガイドラインを作成し、ASPと接続するメディアの審査や、広告掲載面の確認を行っています。審査や確認作業は現状、すべて人の目を通して行われていますが、膨大な工数が発生してしまいます。
Momentumが提供しているメディアチェックサービス「HYTRA ANALYTICS for Ad Platform」では、メディア審査や広告掲載面のチェック工数を削減するために、機械的にブランドセーフティ観点でのスコアリングを行います。ASPから提供されたURLを解析すると、広告主のブランドを毀損するようなコンテンツに広告が掲載されていないことが、すばやく判定できるようになります。
人の目でチェックすべき部分と機会的に判断できる部分を分け、無駄な工数を省きながら、人の目でチェックすべき部分に工数をかけることが可能になるのです。
Momentumでは、今後も本サービスの精度向上に取り組みながら、アフィリエイト広告の健全化を実現していきたいと考えています。