Google広告のP-MAXキャンペーンとは?メリット・デメリットや設定方法を含めて解説

Momentumブログ編集部
2024-07-02
目次

Google広告のP-MAXキャンペーンとは、リードジェネレーションや商品・サービスの販売促進などを目的とした新しいキャンペーンタイプです。
利用すれば、広告運用工数の削減や効果の最大化、効果的なターゲティングなどのメリットが期待できます。

本記事のテーマは「P-MAX広告」です。この記事を読めば、概要やメリットとデメリット、設定手順について理解を深められます。
詳細を知りたい方、利用を検討している方はぜひ参考にしてください。

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P-MAXキャンペーンとは?

P-MAXキャンペーンとは?

Google広告のP-MAXキャンペーンは、主にリードジェネレーションや商品・サービスの販売促進などを目的とした効果的なデジタルマーケティング戦略の一つです。
「Performance Maximizer」の略称で、その名の通りキャンペーンのパフォーマンス最大化を目指しています。
P-MAXキャンペーンにはGoogle AIが活用され、チャネル全体のパフォーマンスをリアルタイムで最適化し、コンバージョン数とコンバージョン値の引上げが期待できます。

以前は一部のアカウントでベータ版が提供されていましたが、2021年の11月から全ての広告アカウントで使用可能となりました。ここからは、以下の特徴について詳しく解説します。

  1. Google広告全ての掲載面に広告を配信できる
  2. 成果につながるように自動調整される

Google広告全ての掲載面に広告を配信できる

P-MAXキャンペーンでは、1つのキャンペーンでGoogleにおける以下全部の枠に広告を配信可能です。

  1. 検索
  2. ショッピング
  3. ディスプレイ
  4. YouTube
  5. Discover
  6. Gmail
  7. マップ

チャネルごとにキャンペーンを設定する必要がありません。スマートショッピングキャンペーンやファインドキャンペーンも複数の広告枠に配信可能でしたが、1つで全部に対応できるわけではありませんでした。

P-MAXキャンペーンであれば、複数の広告形式を組み合わせて活用でき、より幅広いターゲットに対して訴求可能です。

成果につながるように自動調整される

コンバージョン目標や予算、アセット(テキスト見出し・画像・動画など)を設定すれば、キーワード・オーディエンス設定によるターゲティングが不要です。スピーディーな配信開始ができます。

また、AIや機械学習で広告のパフォーマンスをリアルタイムモニタリングし、広告予算を最適化してくれます。
効果の低い広告に予算を割かず、高いものに重点を置けるため、高いROI(投資対効果)の実現が可能です。

さらに、ユーザーのシグナルを加味し、オークションごとに最適化が実施されます。広告運用者による入札調整は必要ありません。

P-MAXキャンペーンの4つのメリット

P-MAXキャンペーンの4つのメリット

P-MAXキャンペーンにおける4つのメリットは以下の通りです。ここからは、下記について詳しく解説します。

  1. 広告運用の工数削減
  2. 広告効果の最大化
  3. 効果的なターゲティング
  4. データ駆動の最適化

1. 広告運用の工数削減

広告運用の工数削減もできます。

従来の広告配信では、YouTubeやディスプレイ広告などキャンペーンタイプに応じてキーワードや広告文、クリエイティブの設定が必要でした。
P-MAXキャンペーンであれば、Googleが提供するアプリケーションの広告枠全部に露出が可能で、キャンペーンが一元化されています。
配信の準備がスムーズにでき、スケジュールや予算、ターゲティングなどの設定を事前に最適化可能です。

運用担当者が行う日々の調整も不要で、効率的な広告運用ができます。運用における作業時間が減るため、ほかの業務へ時間を使えます。

2. 広告効果の最大化

リアルタイムでのデータ収集と分析も利用するメリットの一つです。

広告のパフォーマンスやユーザーの反応を詳細にモニタリングし、効果の高い広告やターゲティングを特定すれば、キャンペーンの最適化・広告効果の最大化ができます。機械学習・AIにより、以下の自動設定、成果に応じて最適化が行われます。

  1. 入札単価
  2. ターゲティング
  3. 配信枠

複雑な設定や日々の調整が不要で、ノウハウがなくても一定の成果を期待できます。
実際に、Googleの「広告とコマースのブログ」によれば、利用した広告主で平均して18%以上のコンバージョン増加を達成しています。(参照:P-MAX で結果を増やす新しい方法|Google

3. 効果的なターゲティング

効果的なターゲティングもできます。具体的に、利用できるターゲティングは以下の通りです。

  1. 興味・関心に基づくターゲティング
  2. デモグラフィックターゲティング
  3. 行動ターゲティング
  4. リターゲティング

P-MAXキャンペーンの活用により、幅広いユーザーに対する効率的なアプローチが可能です。
多数の広告枠に配信できるため、従来の広告運用ではリーチしきれなかったユーザー層にも広告を届けられます。

4. データ駆動の最適化

データ駆動の最適化も利用における魅力の一つです。異なる広告コピーや画像、ランディングページなどの要素をテストできます。
A/Bテストを実施し、最も効果的な内容を特定できれば、パフォーマンスを向上させられます。

 

P-MAXキャンペーンのデメリット

P-MAXキャンペーンのデメリット

メリットがある一方で、デメリットも存在します。ここからは、P-MAXキャンペーンにおける以下のデメリットについて詳しく解説します。

  1. 細かな配信設定ができない
  2. 配信結果が分かりづらい
  3. 自動入札が悪い方向に行く可能性がある

細かな配信設定ができない

P-MAXキャンペーンでは、自動的な広告運用の設定や調整による手間の軽減ができるメリットがある一方で、細かな配信設定・調整は困難です。配信やターゲティングは、データ駆動の最適化にもとづき自動的に実施されます。

予算やクリエイティブなどの設定は可能ですが、キーワードの設定・入札単価調整比率といった詳細な調整はできません。特徴や仕様を十分に理解した上で活用しなければ、CPA(コンバージョン単価)の高騰や、不必要な予算の消化につながる可能性もあります。

地域・デバイスのターゲティングや時間帯の設定、広告の表示頻度など、広告効果のモニタリング・改善を行いながら、適切な配信設定の調整が必要です。

配信結果が分かりづらい

P-MAXキャンペーンでは、広告の配信やターゲティングがデータ駆動の最適化にもとづき自動的に行われます。広告主による直接的な配信制御は制限され、配信結果が分かりづらくなる可能性があります。

AIの機械学習に依存し、過程がブラックボックス化するため、どの施策でどの程度の結果が出たのかが把握できません。
レポートでの確認もできますが、情報が限定的で効果が上がったのか否かや、変化があった場合の原因や対策の詳細な検証も不可能です。

分析ができなければ、効果を最大化するためのノウハウ蓄積も簡単ではありません。

自動入札が悪い方向に行く可能性がある

自動入札で運用工数の削減ができるメリットがある一方、CVしやすいユーザーとしてBotが機械学習された場合、本来CVしてほしい人ではなくBotに配信がよる可能性があります。実際に、弊社で調査した結果データが以下です。

プラットフォームBアドベリフィケーションスコア推移

プラットフォームB広告配信結果

コンバージョンを発生させるアドフラウドサイトに配信が偏ってしまったのではないかと推測されます。手動入札から自動入札に切り替えた時、CV数は大幅に増えたものの、IVT(アドフラウド)率が悪化したため、コンバージョンを発生させるアドフラウドサイトに配信が偏ってしまったのではないかと推測されます。

また、Botなどによるクリックが、元々の広告に紐づいているブランドLPにリンクしない仕組みであるブロッキングを行っているか否かでも結果に差がありました。

ブロッキングを行っているプラットフォームAと、ブロッキングを行っていないプラットフォームBにおけるアドベリフィケーションスコアの推移は以下の通りです。

プラットフォームAアドベリフィケーションスコア推移

プラットフォームBアドベリフィケーションスコア推移

ブロッキングを行なっているプラットフォームAの場合、手動入札から自動入札に切り替えた時、アドベリフィケーションスコアが改善しました。一方、ブロッキングを行なっていないプラットフォームBでは、アドベリフィケーションスコアが悪化しました。

広告配信する際は、以下の広告配信における被害を受けないために、対策の実施が必要です。

  1. アドフラウド:無意味なクリックやインプレッションを発生させ、広告費を水増ししてだまし取る手法
  2. ブランド毀損:違法サイトや不適切なサイトに広告が掲載されるなどの影響により、ユーザーからの広告主企業における印象が悪化すること
  3. ビューアビリティ:ユーザーが確認できる範囲に広告が表示されていた比率

≫≫【今のアドフラウド率ってどれくらい?】インターネット広告のリスク調査2023解説

アドベリフィケーション対策ツールで解決

広告配信における被害防止に欠かせないツールが、アドベリフィケーション対策ツールです。

アドベリフィケーション対策ツールを導入すれば、不正クリックの水増し請求検知や、ブランド毀損につながるサイトへの広告出稿の防止ができます。

また、モニタリング業務の工数削減にも効果的です。複数サイトの確認や怪しいクリックの検証などを人手により行えば、多くの工数が発生します。

アドベリフィケーションツールには、以下など複数のツールが存在します。

アドベリフィケーションツールの種類

推奨/非推奨リストの活用

ベンダーが独自に作成したリストをもとに、掲載先に適す/適さないサイトを、広告が配信されるプレースメントに指定する仕組み

 

Pre-bid

リスクのある広告入札が行われる前に取引を停止する仕組み

 

Post-bid

リスクがありそうなら、広告が表示されないようにする仕組み

さまざまな種類があるため、コストや機能も比較し、自社に合うツールの導入が重要です。なお、アドベリフィケーションや対策ツールについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

≫≫ アドベリフィケーションとは?今さら聞けないアドベリフィケーション基礎知識!

≫≫ アドベリフィケーション対策ツールの導入メリットとデメリットを徹底解説

P-MAXキャンペーン設定手順

P-MAXキャンペーン設定手順

P-MAXキャンペーンは、Google広告の管理画面と広告エディタから作成可能です。ここからは、設定における以下の手順について詳しく解説します。

  1. キャンペーンの作成
  2. 予算・入札単価の設定
  3. キャンペーン設定
  4. アセットグループの設定
  5. オーディエンスシグナルの設定

 キャンペーンの作成

まず、キャンペーンを作成します。

広告プラットフォームにアカウントがない場合は、以下の手順によるアカウントの作成も必要です。

  1. Google広告へアクセスし、トップページのタイトル下か右上の「今すぐ開始」をクリック
  2. 広告を実施する主な目的をチョイス
  3. スマートモードもしくはエキスパートモードで情報を入力

初期設定は以下を準備しておけば、スムーズに進められます。

  1. 企業やサービスの名前、住所、電話番号
  2. ビジネス用のメールアドレス(Gmail推奨)
  3. 宣伝したいコンテンツ(WebサイトやLPなど)
  4. クレジットカード

アカウントの準備ができたら、新規のキャンペーン作成画面で「+」をクリックし、以下から目的を選定します。

  1. 販売促進
  2. 見込み顧客の獲得
  3. ウェブサイトのトラフィック
  4. 来店数と店舗売上の向上
  5. 目標を設定せずにキャンペーンを作成する

目標を定めないキャンペーンの設定をチョイスした場合は、「パフォーマンスの最大化(P-MAX)」が選べます。

続いて、コンバージョンを決めます。
目指すコンバージョンの値を定めてあるアカウントを利用した場合は、その目的が表示されますが、変更も可能です。

変更する場合は、目的を削除し新たなものを決めます。なお、変更してもアカウント単位の目的には影響しません。

次に、タイプをチョイスする画面に遷移するため、P-MAXの選定と名前を定めます。

 予算・入札単価の設定

続いて、予算と入札単価を設定します。

P-MAXキャンペーンでは、1日あたりの平均コストは設定可能ですが、上限コストではありません。実際の消化額は、日により設定した予算を上回る場合もあれば、下回る場合もあります。

Google広告では、1日の平均予算に1ヵ月の日数(30.4 日分)を掛け算出した額が、請求コストの上限です。月にどの程度のコストをかけられるか検討の上で、予算の設定が欠かせません。

入札単価を決める際は、重きを置く対象が数なのか価値なのかを選択します。
数を選んだ場合は目指したいコンバージョン単価を、価値を選んだ場合は目指す広告費用対効果(ROAS)を任意で設定可能です。

また、リピーターではなく新規獲得に重点を置く場合は「顧客の獲得」にチェックをつけます。

 キャンペーン設定

ブランド認知の向上やWebサイトのトラフィック増加、特定のアクションの促進などを目的に、他のキャンペーン同様以下を設定します。

項目

概要

地域

国や市区町村、もしくは特定の地点から半径〇Km以内といった範囲で設定します。また、除外する地域の設定も可能です。デフォルトでは「全ての国と地域(全世界)」になっているため、最低限日本は選定ください。

言語

検索クエリや掲載面、Googleのサービスで利用している言語をもとに、ターゲティングが可能です。

最終ページURLの拡張

広告がクリックされた際に遷移させる、もしくはさせたくないページのURLを指定します。

その他の設定

配信スケジュールやトラッキングテンプレート・パラメータなどのURLオプションを設定可能です。

最終ページURLの拡張の設定には注意が必要です。デフォルトの状態では、リンク先を指定しても最適化でほかのリンク先へ変更されるケースがあります。

Google広告は活用を推奨していますが、始めはオフにした活用がおすすめです。

 アセットグループの設定

複数の要素(画像やテキスト、動画など)を組み合わせて広告を作り、テストするための仕組みである、アセットグループの設定を行います。

多数作れるため、多くの面への配信を目的にバリエーションの幅拡大がおすすめです。アセットグループの定められる項目は以下の通りです。

タイプ

項目

テキスト

最終ページURL

広告見出し

長い広告見出し

説明文

ビジネス名

行動を促すフレーズ

表示URLパス

画像

横向き

スクエア

縦向き

ロゴ

横向きロゴ

動画

YouTube動画

動画は任意ですが、入稿がなければ画像やテキストから自動で生成されます。自動生成機能のオフができないため、入稿がおすすめです。

近年は、簡単に画像・動画の制作や編集ができるツールが複数存在します。

また、以下の広告表示オプション(その他のアセットタイプ)を追加すれば効果の向上が見込めます。

  1. サイトリンク表示
  2. プロモーション表示
  3. 価格表示
  4. 電話番号表示(※目標に電話を含めている場合は必須)
  5. 構造化スニペット
  6. リードフォーム表示
  7. コールアウト表示

 オーディエンスシグナルの設定

最後に、ターゲティングの参考データとなる以下などのオーディエンスシグナルを設定します。

  • 年齢
  • 性別
  • 地理的位置
  • 興味関心
  • 購買履歴

設定すれば、特定の属性や行動を持つユーザーセグメントを識別し、広告の効果的なターゲティングが期待できます。パフォーマンスの良いオーディエンスシグナルを特定し、そのオーディエンスに焦点を当てた広告配信が効果的です。

ただし、登録データは機械学習の精度向上目的に「参考データ」として利用されるもので、設定外のユーザーにも広告は配信されます。

また、詳細な設定はできません。

最後に設定した内容を確認し、間違いがなければ配信を始めます。

P-MAXキャンペーンのまとめ

P-MAXキャンペーンのまとめ

この記事では、P-MAXキャンペーンの概要やメリットとデメリット、設定手順について解説しました。

Google広告のP-MAXキャンペーンとは、リードジェネレーションや商品・サービスの販売促進などを目的とした新しいキャンペーンタイプです。利用すれば、広告運用工数の削減や効果の最大化、効果的なターゲティングなどのメリットが期待できます。

ただ、詳細な配信設定ができず、結果が分かりづらいデメリットも存在します。

また、アドフラウドやブランド毀損、ビューアビリティなどのリスクがあるため、対策が欠かせません。アドベリフィケーション対策なら、日本初のアドベリフィケーションソリューションカンパニーであるMomentumにご相談ください。

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