YouTubeの日本語版の公式ブログにて、「ポリシー違反のYouTube広告に対する新しい取り組み」という記事が公開されました。また、YouTubeを運営するGoogleは、2021年9月よりGoogle広告の広告ポリシー違反措置の強化を行なっています。
この「広告」の中身に関する審査基準強化は、日本のインターネット広告業界の一つの流れになっています。実際どのような動きがあり、どう変わっていくのか、見ていきたいと思います。
方法とは?
ヒントを得る
YouTubeのポリシー違反広告に関する取り組み
ブログではYouTubeはこれまでも悪質な広告に対する対策の強化や、ユーザーからの通報機構の活用などに触れた上で、日本の環境への対応を示しています。
最近、日本で報告される事例や日本特有の事象に特化した検出システムを改善し、機械学習と専門チームの目によるレビューの組み合わせにより、今まで事前削除できなかった日本特有の性的に思わせぶりな表現や誇大広告、薬機法違反などのポリシーに違反する広告を 2020 年 6 月以降 55 万件追加で削除しました。
いちユーザーとして不快な広告が減ることは大変ありがたいですし、インターネット広告業界の隅にいるものとしても、大手のプラットフォームがこのような発表をするのは望ましいことだと思います。
YouTubeを運営するGoogleは、Google広告でもポリシー違反を行う広告アカウントに対して、罰則措置の強化を行っています(以前、こちらの記事で要約しています)。3回Googleの広告ポリシーに違反すると、その後「広告の掲載とコンテンツの新規作成」が、つまり広告の配信ができなくなります。また、対象となるポリシーは、「不正行為を助長する商品やサービス」「不承認の薬物」「銃、銃部品、関連商品」「爆発物」「その他の武器および兵器」「タバコ」に関する広告です。9月21日から3ヶ月間順次開始されるとのことですが、「今後拡大予定」でもあります。
Yahoo!JAPANの取り組みと背景
Yahoo! も広告健全化の取り組みの一環として、定期的に「広告品質サービスに関する透明性のレポート」を発表しています。2021年6月に発表されたレポートでは、広告審査にて、非承認となった理由のトップ3として、下記の理由が上がっています。
1.「最上級表示、No.1表示」
2.「薬用化粧品(医薬部外品)、化粧品」
3.「ユーザーに不快感を与えるような表現」
また、2019年度から2020年度から増えた非承認理由としては、下記の理由がトップ3となっています。
1.「薬用化粧品(医薬部外品)、化粧品」
2.「最上級表示、No.1表示」
3.「ユーザーに不快感を与えるような表現」
薬機法に関わる薬用化粧品や、ユーザーのコンプレックスを煽るような不快感を与える表現を用いた広告が非承認とされています。背景としては、健康意識の高まりや、コロナ禍による衛生観念の変化が著しく、薬機法に関わる商品が増えていると考えられます。これらの商品の売上を拡大したり、競合商品との差別化を図るため、過剰な広告が増え、非承認になったと考えられます。これらの動向は先程のYouTubeの広告削除にもつながっています。
まとめ-国内の広告健全化の取り組み
Yahoo!だけではなく、他のプラットフォーマーにも同様の動きがあります。特に、popInが運営するpopIn Discoveryも広告審査プロセスの強化を発表し、これまで売り上げの多くの割合を占めていた薬機法やコンプレックス広告を自社プラットフォームからは全て締め出しました。詳しくはこちらのリリースをご確認ください。続き、Loglyも広告審査のリリースを出しています。
他のメディアと同様に、インターネット広告も今後もより広告審査は厳しくなり、健全化が進むことが予想されます。Momentumとしてもこのような流れを応援していきたいと思います。
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・参考記事
https://youtube-jp.googleblog.com/2021/10/youtube.html
https://support.google.com/adspolicy/answer/10908668
https://marketing.yahoo.co.jp/strength/quality/
https://www.popin.cc/news/05-17/