近年ではインターネット広告の需要が急増し、さまざまな形態の広告手法が登場しています。中でもリスティング広告は、代表的なインターネット広告の1つです。社会の情勢が大きく変化する中で、従来のマス広告での集客が上手くいかず、リスティング広告の出稿を検討している企業も多いでしょう。
そこで本記事ではインターネット広告初心者の方に向けて、リスティング広告とは何か、その仕組みや運用方法について解説します。リスティング広告を出稿する際に知っておきたい注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
方法とは?
ヒントを得る
リスティング広告とは
リスティング広告とは、ユーザーが検索したワードに連動してテキスト形式で検索結果画面に表示されるWeb広告です。広告主はGoogleやYahoo! JAPANなどの検索ユーザーに向けて、自社の強みをダイレクトにアピールできます。
リスティング広告の種類は、「検索連動型」と「ディスプレイ広告」の2つです。しかしWebマーケティング業界では、リスティング広告といえば検索連動型広告を指すことが多いため、本記事では検索連動型を中心に解説します。
リスティング広告の種類
リスティング広告は、検索連動型とディスプレイ広告の2種類だとお伝えしました。Google広告・Yahoo!広告では、検索連動型広告を「検索広告」と呼んでいます。ここではGoogle広告・Yahoo!広告が提供する検索広告とディスプレイ広告の特徴は、次のとおりです。
検索広告 |
ディスプレイ広告 |
|
リスティング広告の特徴 |
・検索ユーザーが入力した検索ワードに連動させてテキスト形式で表示する ・主に自然検索結果の上部・下部に表示されるので、目につきやすい ・広告主の商品やサービスに関心の高いユーザーに訴求可能 |
・Webコンテンツ上に設置された広告の掲載枠に、画像や動画とともに表示できる ・興味関心やユーザー属性(性別、年代)など幅広いターゲティングが可能 |
リスティング広告出稿時に必要な4つの準備
広告主がリスティング広告配信を決めたら、出稿のために準備すべきものは次の4つです。
- 広告アカウント
- 広告文
- キーワード
- ランディングページ(LP)
ここでは4つの準備について、それぞれ見ていきましょう。
広告出稿に必要な準備 |
準備の内容 |
広告アカウント |
会社情報や管理者情報などの基本情報を登録する |
広告文 |
検索結果画面に表示されるテキストを用意する |
キーワード |
広告を表示させる検索キーワードを選定する(どのワードで検索された際に広告を表示させるか) |
ランディングページ(LP) |
広告がクリックされた際の遷移先を用意する(自社の公式サイトでも良い) |
広告代理店を利用する場合には、自社で広告アカウント・広告文・キーワードを準備する必要はありません。なおランディングページが必要になるケースは、主に次の5つが考えられますので参考にしてください。
- 新商品・サービスの提供を開始したばかりで専用のページやサイトがない
- チラシをデザインする感覚で自社の商材の強みをアピールしたい
- 導線を丁寧に設計してコンバージョン率を高めたい
- 期間限定の販促キャンペーンを展開したい
- さまざまな訴求方法の効果を測定したい(ABテストなど)
リスティング広告を運用する5つのメリット
リスティング広告の運用効果を最大化するためにも、運用のメリットを把握することが大切です。リスティング広告を運用するメリットは、主に次の5つが挙げられます。
- 確度の高いユーザーにアプローチできる
- 広告費用の上限を自分で決め低予算で出稿できる
- 地域・曜日・時間帯でターゲティングできる
- いつでも配信開始・停止できる
- 費用対効果の検証がしやすい
1. 確度の高いユーザーにアプローチできる
リスティング広告の特長は、特定のキーワードで検索したユーザーに対して広告を表示できることです。そのため、商品やサービスと親和性の高いユーザー(顕在層)に絞ってダイレクトにアプローチできます。
検索ユーザーは、回答や解決策を見つけるために検索していることを知っておきましょう。例えば「東京 英会話」と検索したユーザーは、「東京 英会話」関連ビジネスの確度の高い見込み客である可能性が高くなります。購買意欲が高まっているタイミングで、見込み客に広告を見てもらえる点は大きなメリットです。成約への意欲が高い見込み客にリーチできることから、リスティング広告から流入した検索ユーザーのコンバージョン率は高めの傾向にあります。
2. 広告費用の上限を自分で決め低予算で出稿できる
リスティング広告の運用においては広告主が広告費用を自由に設定できるため、予算をコントロールしやすい点がメリットです。また自社の予算状況にあわせて1日の上限額(日額予算)を設定できるので、予算オーバーの心配をせずにリスティング広告を運用できます。
4マス広告と呼ばれるテレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告と比べて、低予算で出稿できる点も魅力といえるでしょう。1日あたりの上限額は数千円から開始できますが、あまりにも低く設定してしまうと広告の表示回数も少なくなります。リスティング広告への出稿で達成したい目標に応じた予算設定が成功の鍵です。
3. 地域・曜日・時間帯でターゲティングできる
リスティング広告では広告対象となる商品やサービスの特性にあわせて、地域、曜日や時間もターゲティングできる点がメリットです。届けたいエリアだけに配信、あるいは届けたくないエリアは除外としたり、通勤時間帯あるいは休日に配信したりといった施策を試せます。
4. いつでも配信開始・停止できる
リスティング広告は最短1営業日で始められるほか、ネット環境さえあれば24時間365日どこでも配信・停止を設定可能です。集客したいタイミングで、集中的にリスティング広告を配信できる点がメリットといえるでしょう。「広告を掲載する」と決めたら、数時間後には掲載することも可能です。どのような効果が得られるか少しの期間だけ試したい、販促キャンペーン期間限定で運用してみたいなどのニーズにも柔軟に対応できます。
5. 費用対効果の検証がしやすい
リスティング広告では、クリック回数から「いくら使ってどれくらいの集客につながったか」リアルタイムで費用対効果の検証が可能です。さらに広告文、ターゲティングや予算などの調整を自由に反映できることから、改善PDCAを回しやすい点がメリットといえます。
例えば事前のシミュレーションよりも成果が低いケースでは「掲載を一時停止して、問題点を改善後に再開する」といった対応も可能です。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告の掲載枠は複数設けられていることから、広告の成果をあげるためには掲載順位も重要なポイントになります。ユーザーの目につきやすい上位に掲載されるためには、どうすればいいのでしょうか?ここでは、リスティング広告費用や掲載順位が決まる仕組みについて見ていきましょう。
費用が決まる仕組み
リスティング広告の費用は、次に挙げた2つの仕組みで決まります。
- クリック課金制
- 入札(オークション)
これらの仕組みは、次のとおりです。
費用が決まる仕組み |
仕組み |
クリック課金制 |
・リスティング広告は、クリックされるたびに費用が発生するクリック課金制を採用 ・広告が検索結果画面に表示されるだけでは、費用はかからない ・クリック単価(CPC:Click Per Cost)はキーワードごとにオークションで決定される |
入札(オークション) |
・広告主は出稿したいキーワードにいくらまで払うか、クリック単価(CPC)の入札価格を設定する ・人気のキーワードや、クリック単価が高くても採算が取れる見込みのあるキーワードのクリック単価は高くなる |
掲載順位が決まる仕組み
Google広告やYahoo!広告における掲載順位は、入札単価と広告の品質を測るさまざまな要素によって決まる指標を元に決定されています。ここでは、Google広告やYahoo!広告で掲載順位を決定する際に使用されている指標についてまとめました。
広告媒体 |
掲載順位を決定する指標 |
指標を決める構成要素 |
Google広告 |
広告ランク |
・入札単価 ・広告とランディングページの品質 ・広告ランクの下限値 ・オークションにおける競争力 ・ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト) ・広告アセットやその他の広告フォーマットの効果 |
Yahoo!広告 |
オークションランク |
・広告グループやキーワードに設定した入札価格 ・広告の品質 ・推定クリック率 ・表示URLの過去のクリック率 ・ランディングページの利便性 ・広告文と検索クエリーの関連性 ・広告が掲載された地域別の掲載実績 ・ユーザーの検索クエリー ・各種デバイスでの広告の掲載実績 |
広告の品質が同等と見なされるケースでは、入札単価の高い広告がより上位に掲載される仕組みです。構成要素を見ると、広告の品質が高ければ、たとえ入札単価が低くても上位掲載の可能性もあるといえるでしょう。また広告文とは別に、テキストリンクや住所・電話番号などを表示できる広告表示オプションを使うとランクアップに効果的です。
リスティング広告の3つの運用方法
リスティング広告の出稿自体は簡単ですが、成否は運用次第です。ここでは、次の3つの運用方法について見ていきましょう。
- 広告代理店に依頼する
- 広告運用自動化ツールを利用する
- 学びながら自分自身で運用する
1. 広告代理店に依頼する
リスティング広告運用ノウハウをもつプロに任せれば、成果を出しやすい一方で運用手数料が発生します。リスティング広告予算が数十万円以上あり、運用手数料を支払う余裕がある場合におすすめです。
2. 広告運用自動化ツールを利用する
広告運用自動化ツールを利用すれば、広告出稿やキーワードの設定、予算の調整などの運用やレポート作成を自動化できます。ツールが必要に応じてアクション内容を提案してくれるため、広告代理店のサポートがなくても効率的な運用が可能です。
3. 学びながら自分自身で運用する
予算が少額であれば、自分自身で運用するのも1つの方法です。成果を着実にあげるためにも、ガイド本などを参考に学びながら運用するといいでしょう。
リスティング広告出稿時の3つの注意点
ここでは、リスティング広告を出稿するにあたって注意すべき3つのポイントを次のとおりご紹介します。
- 審査落ちしないために対策が必要
- 商標の使用にはリスクがある
- 意図しない配信先に広告が露出する可能性がある
1. 審査落ちしないために対策が必要
リスティング広告の出稿は、審査に通ることが大前提です。ユーザーに適切な広告を配信するためのガイドラインが用意されており、禁止事項が細かく規定されているのでよく確認する必要があります。審査落ちしないためにも、ガイドラインによく目を通しておきましょう。審査に通れば即日配信スタートできますが、審査で手間取るとタイムリーな広告配信ができなくなります。
≫≫ 広告運用におけるホワイトリスト配信について注意点もあわせて解説
2. 商標の使用にはリスクがある
商標登録されているワードを、検索キーワードに指定してリスティング広告を出稿すること自体は違法ではありません。しかし第三者が商標を「広告文」に使用していると、商標権所有者から広告媒体に申し立てがあるかもしれません。不適切だと判断されると、使用を制限される可能性が高いです。法律の専門家と相談するなどして、商標の使用には慎重になる必要があります。
3. 意図しない配信先に広告が露出する可能性がある
リスティング広告の種類で前述したとおり、検索結果画面ではなくコンテンツサイトに掲載されるタイプがあります。予期せぬ場所で、自社の広告が配信されるリスクをご存じでしょうか?公序良俗に反するサイトに掲載されたり同業他社と一緒に掲載されたりすると、ブランドイメージに負の影響を与えることがあります。
また検索連動型であれば、競合他社やコンピュータープログラムなどが関与する不正なクリックによって無駄に広告費を消化させられるリスクもあるのです。これらの負の影響を与えるネット上の活動は「広告詐欺=アドフラウド」と呼ばれています。近年では、アドフラウド被害からリスティング広告を守るために「アドベリフィケーション」が注目されているのでぜひ参考にしてみてください。
そもそもアドベリフィケーションとは?という方はこちら!
アドベリフィケーションとは?詳しくはこちら!
リスティング広告にはアドフラウド対策がおすすめ
本記事ではリスティング広告とは何か、またその仕組みや運用方法についてご紹介しました。リスティング広告は確度の高い検索ユーザーにアプローチできる手法として人気ですが、アドフラウドのリスクにも晒されています。
アドフラウドとは?リスクから対策方法まで知りたい方はこちら!
広告詐欺「アドフラウド」って何?基本の内容から対策方法まで詳しく解説!
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