【イベントレポート】Google Adsで無料でできるアドベリフィケーション対策

中川 剛
2020-07-10
目次

2020年6月24日(水)、WEBセミナー「Google Adsで無料でできるアドベリフィケーション対策」を開催しました。 

本セミナーでは、アドベリフィケーションの基本を踏まえながら、広告配信で最も活用されるGoogle Adsで無料でできるアドベリフィケーション対策をご紹介します。またアドベリフィケーションベンダーが提供するアドベリフィケーションツールについてもご紹介し、今後のアドベリフィケーション対策に役立てることを目的としました。  

この記事では、WEBセミナーの内容やお話をまとめました。

広告リスクを回避できる
広告の新しいインフラ
アドベリフィケーション
 
今すぐ
アドベリフィケーションについて知る

イベント概要

 ・開催日
   2020年6月24日(木)17:00−18:00

 ・イベント名
  Google Adsで無料でできるアドベリフィケーション対策  

・モメンタム社とスピーカーについて

Momentum: 
Momentum株式会社は国内No.1のアドベリベンダーです。ブランドセーフティ・アドフラウド対策・ブラックリストダッシュボードに関するサービスを提供しています。無価値な広告をゼロにする、をMissionにインターネット広告の透明性、健全性を追求しています。 
スピーカー:  
Momentum株式会社 中川 剛 早稲田大学卒業後、広告代理店、DSPベンダー、事業会社でのデジタルマーケティング担当を歴任し、デジタル広告業界に10年間従事。2020年Momentum株式会社にジョイン。デジタル広告運用担当やメディアでの広告収益化など、包括的にデジタル広告に従事してきたことから多面的にデジタル広告に接することができるのが武器。

 アドベリフィケーションとは? 

Ad Verificationとは直訳すると、Ad(広告)をVerification(検証)する仕組みのことです。アドテクノロジーの中でアドベリフィケーションという場合は、下記3つのことがわかる調査を指しております。 

ブランドセーフティ:
ブランドを毀損するような広告面に対して広告を表示しないようにすること。 例えば、アダルト関連や著作権侵害コンテンツなどの違法サイト、犯罪や暴力・差別を助長するサイト、2chまとめなど。実際、人種差別ヘイト系まとめサイトに広告が表示されてしまい、その活動に関連しているのかという疑いが生じ、SNS上で炎上してしまった事例もあります。  

アドフラウド:   
コンピュータープログラムなどによる無効なインプレッション及びクリックによって、広告費用をだまし取る広告詐欺のことを指します。 アドフラウドはGIVT(General acted Invalid Traffic)、SIVT(Sophisticated acted Invalid Traffic)の2つに分類されます。GIVTは検索サイトやウイルス対策ソフトなどのクローラーによって発生し、悪意のないトラフィックとされています。一方、SIVTは、前述のように広告費用をだまし取る悪意のあるトラフィックを指し、その収益が反社会的勢力に流れている可能性があります。 

アドフラウドは、コンプライアンスの問題だけでなく、広告の投資効果を引き下げてしまうことも問題です。2018年に弊社が調査した結果、広告表示のうち8.6~19.2%はアドフラウドが起きています。 

ビューアビリティ:
広告が視認できる正しい状態にあるかを示す指標です。IAB(米Interactive Advertising Bureau)の基準では、「クリエイティブの50%以上の領域が1秒以上画面に表示された」場合のことを指します。Oracle Data Cloud が提供しているアドベリフィケーションツールMOATによるデータでは、国内におけるWEB上の静止画広告では5割以上の広告はユーザが視認していない、無駄なインプレッションになってしまっています。 

 では次のパートからは具体的にアドベリフィケーションとGoogle Adsで無料でできる施策についてご紹介します。 

広告リスクを回避できる
広告の新しいインフラ
アドベリフィケーション
 
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アドベリフィケーションとその施策(Google Adsでの施策)  

実は運用型広告でパフォーマンスを向上させるために行う施策と、アドベリフィケーションの観点から行うべき施策は極めて近しい存在と言えます。日々の運用の中に、アドベリフィケーションの観点も組み込んでいただければと思います。  

アドフラウドの発生を確認
アドフラウドが発生したかは、ランディングページの関連レポートから検証することができます。指標としてはインプレッション、クリック数、CTR、コンバージョン、CVR、CPAを参考にします。 

図1

 極端にCTRが高い、インプレッションが多い、CVが少ないなど、不審に感じられるドメインがありましたら、そのドメインをチェックすることをお勧めします。 広告のインプレッションが発生しているのにWebサイトを訪れると、検索ボックスしかコンテンツがないWebサイトになっている事例を複数回見たことがあります。これらのサイトは閲覧者からは見えない部分に広告を表示させているケースが多く、アドフラウドの対象となる可能性があります。 レポートから類推されるアドフラウドの実例は4つあります。 

Auto Refresh:
自動的にページまたは広告部分を何度も更新し、インプレッションをかさまします。中には、ユーザーのインタラクションに反応して動作することもあります。  

Imp/Click Bot, Retargeting Fraud:
人ではなく、プログラムされたボットにインプレッションやクリックを発生させる例です。 

Falsely Represented:
インベントリの偽装し、結果的に、入札時とは違うサイトに広告が掲載されます。また入札時と異なるサイトは内容が不適切な場合が多いです。 

Data Center/Proxy:
こちらはデータセンターによるトラフィックの発生です。この実例に関しては悪意のない無効なトラフィックのため、大きな問題として構える必要はありません。  

問題を把握できましたら、具体的にアドベリフィケーション対策を実施しましょう。 

除外キーワード設定
Google Adsの管理画面左のメニューの中から「キーワード」をクリックすると「除外キーワード」を登録できる画面に遷移します。 

図2

 除外キーワードで、広告を表示させたくないキーワードを設定することで、登録したキーワードに関連したWebサイトに広告が表示されにくくなります。 例として、業界と除外登録すべきキーワードを記載します。

・自動車:自動車事故やリコールなどに関する記事 
・食品・飲料:異物混入、食中毒などに関する記事
・人材・派遣:派遣切り、ブラック企業などに関する記事
・不動産:不動産詐欺、欠陥住宅などに関する記事 

除外プレースメント設定
Google Adsの管理画面左のメニューの中から「プレースメント」をクリックすると「除外設定」という画面に遷移します。 

図3

 この設定では掲載したくないドメインを設定するドメイン単位の除外方法です。普段の運用でもパフォーマンスが低いドメインを除外されているかと存じますが、アドベリフィケーション的な観点で調整する際も設定場所は同じです。 

アドベリフィケーションの観点から除外先を設定する際には、広告が掲載される面の質も考える必要があります。例えば、アダルトサイトや違法サイト、差別を助長してしまうようなヘイト系サイトなどを追加し、省くことがブランドセーフティの観点から重要といえます。 

除外コンテンツ
Google Adsの管理画面左のメニューの中から「設定」をクリックし、「アカウント設定」をクリックします。 

図4

 「除外コンテンツ」というプルダウンメニューがあり、そこをクリックすると、広告を載せたくない記事・コンテンツのカテゴリを設定できます。プルダウンメニュー内には、Googleがフラグを付けた5種類のカテゴリがあり、そのカテゴリに該当するコンテンツを除外することができます。カテゴリ設定はGoogleの基準に寄りますので、厳密なコントロールを行おうとすると、他の除外機能などと組み合わせて使用することが望ましいです。 

広告の制限付き広告枠 
こちらは動画キャンペーン限定となり、ディスプレイ広告では使用できません。 この機能も「アカウント設定」のプルダウンの1メニューとしてご利用できます。 

図5

 制限付き広告枠を選択することで「動画の内容が度を越さない程度の下品な言葉を含むもの」などGoogleが設定したサイトへの広告配信を除外できます。度を越さないという表現について疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれませんが、度を越したコンテンツに関してはYoutubeの方でコンテンツ自体を削除している前提があり、このような表現になっています。 

デジタルコンテンツのラベルによる除外
どんなコンテンツに対して表示するか、しないかをGoogleが設定したフィルタに合わせて除外設定できます。イメージとしては映画のR指定のように一般向け、家族向け、成人向けなどのラベルにより除外設定ができます。 

≫≫ アドベリフィケーション対策ツールの導入メリットとデメリットを徹底解説

図6

 こちらも「アカウント設定」の中の「除外済みのタイプとラベル」の中から設定できます。  

コンテンツタイプを除外
この除外機能は、ビューアビリティに対して効果があります。除外済みのタイプとラベルの中に「スクロールしなければ見えない範囲(ディスプレイのみ)」というものを選択できます。これによりディスプレイ面のビューアビリティを向上させることが期待できます。 

図7

アドベリフィケーションベンダーが提供するアドベリフィケーション対策ツール  

アドベリフィケーション対策をより厳密に行おうとした場合、アドベリフィケーションベンダーが提供するアドベリフィケーション対策ツールを導入されることをお勧めします。無価値なimpressionを徹底的に排除することで、広告価値はさらに最大化されます。  

Momentumが提供するアドベリフィケーションツールは複数ございますが、そのうちの一つ、強力なブラックリストサービス「HYTRA DASHBOARD」をご紹介いたします。  

HYTRA DASHBOARD 
HYTRA DASHBOARDは、広告配信において排除すべきドメインリスト一覧で、包括的な配信除外リストの提供は国内唯一のサービスです。機械的な解析に加え、日本人による目視チェックが行われている点が強みです。信頼性の高いブラックリストを属人化することなく、運用いただけます。 

 HYTRA DASHBOARDを適用した広告主様では、他社ベンダーのスコアにおけるブランドセーフティとアドフラウドの数値が、いずれも10ポイント前後改善しました。 

図8

 実際にご提供しているダッシュボード画面  

左側はサマリーを表示し、右側のリスト欄に実際に問題があると考えられるドメインを羅列しています。 

 またHYTRA DASHBOARDはYahoo!様のYDNにおけるメディア審査や巡回の際に使用するものとしても採用されております。  

HYTRA DASHBOARDの強み
HYTRA DASHBOARD は国内の主要広告配信プラットフォームと連携しています。アドリクエストごとにアドベリフィケーションスコアを計測し、1か月あたり3,000万サイト、23億URLを解析してデータベースに蓄積しています。国内広告枠で買い付け可能な部分について、網羅的にカバーできています。 

 WEBセミナーの内容やお話は以上になります。 実は運用型広告でパフォーマンスを向上させるために行っている施策と、アドベリフィケーションの観点から行うべき施策は極めて近しい存在である、ということがご理解いただけましたかと存じます。日々の運用の中に、アドベリフィケーションの観点も組み込んでいただけますと幸いです。 

≫≫ アドベリフィケーションツールのおすすめベンダー5選を徹底比較!仕組みから費用まで徹底解説

≫≫ アドベリフィケーションツールの選び方の3つのポイントを徹底解説!

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