本インタビューについて
JICDAQが設立され、認証企業が徐々に増えると共に、インターネット広告のリスク対策の必要性も認知されつつあります。ただ、「リスク対策」と言ってもさまざまな手法があり、中には、アドプラットフォームのトピックやキーワード除外、長年更新していない配信除外推奨リストを使い続けているという場合もあります。
本インタビューでは、リスク対策の方法としてアドベリフィケーションツールを選択肢した広告代理店の方々に、なぜ、どのような過程でMomentumサービスの利用を決定したのか、伺っていきます。アドベリフィケーションツールのご利用をご検討している方は参考にしていただけると幸いです。
トランスコスモス株式会社について
企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するリーディングカンパニー。BPO業務やデータ分析などとともに、デジタルマーケティング支援もその中核事業になっている。今回取材したデジタルエージェンシー本部内のクオリティコントロール課では、デジタル広告の品質管理にあたっており、アドベリフィケーションツールとしてモメンタムのHYTRA DASHBOARDの下記のメニューを利用している。
・HYTRA DASHBOARD Web Unsafe List:広告配信除外推奨ドメインリスト提供サービス
・HYTRA DASHBOARD Channel Safe List:YouTube向け広告配信推奨チャンネルリスト提供サービス
・HYTRA DASHBOARD App Unsafe List:広告配信除外推奨アプリリスト提供サービス
トランスコスモス様には2年前にもインタビューを行っており、今回も田村様にお話を伺いました。
インタビュー日:2022年8月24日
インターネット広告を取り巻く環境の変化について
前回のインタビューから2年ほど立ちます。まず、その間のインターネット広告業界の変化についてお聞かせください。マーケティングやプロモーションのトレンドに変化はありましたか?
田村様:ブランドセーフティという考えが以前よりは浸透してきたと感じます。ネガティブな感情を含むニュース記事などに広告が掲載される事で、広告主様のブランド棄損を起こさないよう一層注意する必要が出てきたと思います。当社としましても、状況に応じての見直しはもちろん、代替案を提示させていただきながらお客さまと都度対話し対策をとっています。
アドベリフィケーションに関しても様々な変化がありましたので、そのことについてお聞かせください。JICDAQが設立されました。業界関係者やクライアントからの反応はいかがでしょうか?
田村様:アドベリフィケーションについては以前より認知度はあがっていると思いますが、業界全体の動きとしてみたとき、まだまだ加速しきれていないと感じています。JICDAQについても同様で、お客様からお問い合わせを頂くこともありますが、どちらかと言えば弊社からご説明させていただく事の方が多い印象です。
JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)についてはこちらをご覧ください。
話題になっている団体「JICDAQ」って何?結局どうすればいいの?詳しく解説!
HYTRA DASHBOARDについて
トランスコスモス様はWeb Unsafe Listだけではなく、Channel Safe List やApp Unsafe Listもご導入いただきました。導入の決め手はなんですか?
田村様:当社の提案幅を拡げ、お客さまの選択肢を増やしたかったことから導入させていただきました。YouTubeやアプリに関するご相談をお客さまから受けた際に、ブランドセーフティもケアした提案ができるようになり、その結果お客さまの不安を解消しながら、最適な提案ができるようになったと思います。
他のソリューションとの比較はしましたか? その際に感じた利点はなんですか?
田村様:Momentumのソリューションは、他のソリューションと比べて日本語領域に強いと感じています。我々の本部では日本のお客さまと相対する事が多いため、グローバルを強みにしているソリューションではなく、HYTRA DASHBOARDを選択する要因になりました。
また、「シンプルで使いやすい」ということも選択した要因の一つです。アドベリフィケーションだけでなく、デジタル広告、マーケティングには膨大な数の選択肢がある中で、効率が上がるようにシンプルかつ効果が高いツールやプロダクトを現場に用意するのが我々の部署の一つのミッションです。今ある限られたリソースの中で効果を見込めるものとして、HYTRA DASHBOARDを導入することに決めました。
HYTRA DASHBOARDについてはこちらをご覧ください。
【アドベリフィケーションサービス解説】HYTRA DASHBOARD Web Unsafe Listとは?
HYTRA DASHBOARDの効果について
運用面で、工数削減などの効果はありましたか?
田村様: 以前もお話しさせていただきました(※)が、以前はJIAA(日本インタラクティブ広告協会)提供の海賊版サイトのリストを社内一律で手動適用していました。手動のため、リストが更新されるたびに、オペレーターチームが時間をかけて数百のアカウントに適用していたのです。
数が多いだけでも大変ですが、適用手順そのものも煩雑です。作業を誤らないよう、分担して手作業で適用してダブルチェックも行い、完了したアカウントを記録する。なおかつ、ブラックリストの性質上なるべく早くに済ませたいので急ぎの対応になる。しかも、突発的に更新されたリストに対応するために、それまで予定していた他のオペレーションよりも優先して対応していました。
このような作業が丸々オミットされる、その工数削減の効果は大きいと思います。それが毎年、契約更新をさせて頂いている理由でもあります。
※トランスコスモス様の前回のインタビューはこちら
クライアントからの評価はいかがですか? 営業効果はありましたか?
田村様:安全なところに広告を出しながら、成果も担保されるという点で、営業効果としても、プラスになっている部分はあると思います。また、ヤフーさんなど大手のベンダーさまも契約されているという点でもお客さまの信頼に繋がっていると感じております。
その他、導入して感じたHYTRAの長所や効果があればお教えください。
田村様:先ほどお話させていただいた「シンプルかつ分かりやすく、扱いやすい」ことにつきます。システムがシンプルでもIDやパスワードの管理が煩雑だったりして、現場の工数は減っても管理工数が増えて大変...となっては本末転倒なのでシステムの管理工数がかからないというのもとても有り難いです。
どのようなクライアントや案件で特に効果的だと感じますか?
田村様:コンプライアンス意識が高い会社さまに特に効果的だと思います。怪しいものは全部外して欲しいというニーズに対して、自信を持ってお応えできるというのはとても心強いです。
HYTRAに何か改善すべき点があるとしたら、どのようなところでしょうか?
田村様:自由度を高く、項目や影響範囲についてカスタムをして運用を拡大できるとより良いと思います。あとは例えばですが、ダッシュボード上にプッシュ通知でニュースのように情報を表示させて我々が気づかないことを気づかせてくれるなどがあれば、より弊社内におけるHYTRAの価値があがってくると思います。
今後の展望
リスク対策という守りだけでなく、施策展開など攻めに使える場面はありますか?
田村様:アドベリフィケーションというと、どうしてもマイナスを0にするイメージがあるのですが、マイナスを0にするといった最低限のものを提供する第一フェーズが終わったのかなと思います。今後はアドベリ戦略をどう会社のカラーにするかという視点で、攻めのツールとして戦略担当の部署と一緒に御社と取り組んでいけたらいいなと思っています。それが次のフェーズだろうなと考えています。
HYTRA以外でも、リスク対策での展望がございましたらお聞かせください。
田村様:総合性をあげていきたいと考えています。リスク対策として独立させるより、プランニングにおける柔軟で最適なリスク対策、お客様に応じた対策ができるだけ簡単にとれるようにしたいです。色々と模索していますが、例えば、プラットフォーム上で測定ツールとアドベリツールと広告運用ツールを繋げたりして、ツールを横断した対応ができないかなと思っています。昨今の課題としてツール単体としては優れているけど、設定や操作方法が異なっていたり、測定基準が他のツールと異なっていたりして、ツールを横断しての状況分析が非常に困難な点があると思いますので...。
なかなか難しい部分もあるかとは思いますが、お客さまに最大価値を提供するために、今後もあらゆる方向性から模索していきたいと考えています。
トランスコスモス様が導入しているHYTRA DASHBOARDについての
お問い合わせはこちらから!
・インタビュー回答者
トランスコスモス株式会社 田村さま(クオリティマネジメント部クオリティコントロール課 課長)
・インタビュアー
モメンタム株式会社 大里