【インタビュー】24時間自動更新のリストで、人的コストを削減。電通デジタルがモメンタムを導入した理由

恩田基輝
2020-01-20
目次

アドベリフィケーションに本格的に取り組まれるようになった経緯とは?

アドベリは代理店としての「責任」

田中さま:悪質なサイトに広告が掲載され、インターネット上で炎上が起きてはじめて、広告主や業界が問題意識をもってアドベリフィケーションの対策をする。でも、少し時間が経つと忘れて、自分ごとではなくなり対策を怠ってしまう。そんなことがこれまでは多かったと思います。
 アドベリフィケーションをはじめ、あらゆるトラブルが起こった際には、迅速に対処することももちろん大切です。しかし、弊社ではそもそものリスクを事前にコントロールできないか?という観点を大切にしています。電通デジタルでは2年前から、弊社の全クライアント様に対して均質的なサービスを提供すべきだ、という考えのもと「Clear Code(クリア・コード)」という取組を始めました。この取組の一環として、2年ほど前からモメンタムさんの知見や開発力をお借りして、弊社向けにカスタマイズしていただいた『エージェンシーブラックリスト』が完成したのが約1年前。それからは弊社の全広告案件に、そのブラックリストを無償提供させていただいています。


▼Clear Code抜粋

図1

プレスリリースはこちら
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2019/0206-009744.html

▼HYTRA DASHBOARD管理画面 

図2

なぜモメンタムなのか

日本のベンダーならではの柔軟で迅速な対応

田中さま:一番の理由は、モメンタムさんが日本に営業・開発拠点を持っているからです。モメンタムさんは日本発の企業で日本語の解析に強みがありますし、営業網も広く日本の市場感・現場の内情をよく把握されていていらっしゃる印象があります。
 対応スピードの速さもすばらしいです。社長自らメールにすばやくご返信いただけることもありますし、開発でお願いしたいことがある時は今でも週に1回のペースで打ち合わせさせていただいています。デジタル広告の世界は変化が激しく、私たちも実案件で毎日PDCAを繰り返しているので、スピード感を持って対応していただけるのは本当にありがたいですね。

 

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エージェンシーブラックリストを導入するうえでの成果とは

ブラックリストの作成・運用に関わる工数の大幅削減

田中さま:媒体社様側も各社それぞれ独自のアドベリフィケーションに取り組んでいらっしゃいますが、「なにをもって安全とするか?」の線引きにはばらつきがあります。媒体社様が推奨する安全な設定にしていても、クライアント様の考える「安全」ではない面に配信されるリスクもあります。その点モメンタムさんは、第三者として中立的な視点から開発されているので、どの媒体でも一貫した基準でのアドベリフィケーションが実現できています。
 また、人的負担の削減にもつながっています。これまでは弊社の営業・運用担当者が、クライアント様ごとにブラックリストやホワイトリストを作成していました。そしてDSPで配信実績を確認し、リストを更新するという作業を毎回全員がバラバラに行っていました。「エージェンシーブラックリスト」ではその作業を一元化し、各DSPやGDNなどの配信システムとシームレスにつなげたことで、作業効率の向上・提供サービスの均質化につながりました。

 リストの更新も24時間365日、自動で悪質サイトが検知するロジックが組まれていて、DSPにも時差なく反映されています。社員のリソースを使わずに、いつでも新しいブラックリストをクライアント様に提供できるのは本当に助かっています。
 また、削減できた人的/時間的リソースを利用して、これまで以上にクオリティの高いソリューションをクライアント様に提案できる環境も実現できました。全社的なリソースの最適化ができましたので、導入についての費用対効果にはとても満足しています。

利用する上での使い勝手はいかがですか?

田中さま:カスタマイズもしていただけて、使いやすく、わかりやすいものになっています。悪質なサイトといっても様々な系統があるのですが、どの系統のサイトに配信したくないか?あるいは具体的にどのURLに配信したくないか?など簡単にオンオフが切り替えられます。
 また、過去の配信先を確認できる機能や、リストの検索機能のおかげで、万が一ブランド毀損事故が起きてしまった際でもすばやくリカバリー策を組むことができています。事故のすべてを100%防ぐというのはブラックリストだけでは物理的に不可能ですが、事故の際の状況分析や改善策の提案こそクライアント様への真摯な対応だと考えています。こちらのリストを使えば、クライアント様の広告がどこに配信されないように設定できていたか?という確認が迅速にできますので、実案件の運用という面から見ても非常に貢献度の高いシステムだと感じています。

今後の展望について

アドベリフィケーションをスタンダードに

田中さま: やはりまだ海外の状況と比べると認知・対策レベルともに向上の余地があります。直近のヒアリング調査を見ても、広告業界の人間でもアドベリフィケーションの課題について把握し切れていないのが現状です。デジタルマーケティングの専門会社として弊社には、クライアント様にデジタル広告のリスクを事前に必ず説明するという方針があります。弊社は、アドベリフィケーションに継続的に取り組んでいくことを通じて、価値ある優良媒体を大切にしながら、リスク対応することの価値を発信していく役割を実感しています。
 その一環として、モメンタムさんのソリューションをこれからも活用していきます。今までどおり、クライアント様のリアルなニーズを弊社がフィードバックしながら、モメンタムさんが開発を進めていくという生産的な協業体制が敷ければうれしいですね。

 

図4

(左:モメンタム株式会社 大里、右:株式会社電通デジタル田中様)

 

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