3rd Party Cookieの使用制限とアドベリフィケーション

中川 剛
2021-06-11
目次

 2023年末までの3カ月間でGoogle Chromeで3rd Party Cookieに使用制限がかかることを受けて、広告主、広告代理店、広告配信ベンダーの各プレーヤーは、ターゲティング手法を再考する必要があります。ターゲティング技術においては現時点で大きな潮流が2つあります。

  1. コンテクスチュアルターゲティング
  2. 3rd Party Cookieに頼らない、IDなどを活用したターゲティング

 ターゲティング手法の変化とアドベリフィケーションについて、改めて課題を整理してみましょう。これらの2つの方法は、それぞれ次のような問題点を孕んでいるといわれています。

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・コンテクスチュアルターゲティングの課題

コンテクスチュアルターゲティングの原理として、キーワードを登録して広告枠を指定するため、従来のコンテンツターゲティングと似た、「関連性は高い面と言えるが、広告が出てほしくない面」に広告が配信される可能性がある。

 例えば「新酒解禁」の時期をとらえて、「新酒」「パーティー」「〇〇料理(マッチングが良い料理)」など関連しそうなキーワードを購入するかと思います。その際に、ブランド毀損リスクのある、飲酒運転についての記事に広告が出てしまうかもしれません。これはコンテクスチュアルターゲティングの技術が今以上に進歩しないと避けられない事象とも言えます。
 
 その際に、アドベリフィケーションツールを使用することで、上記のような危険を避けることができます。コンテクスチュアルターゲティング×アドベリフィケーションという使い方は今まで以上にスタンダードになっても不思議ではないと考えております。
 

・IDなどを活用したターゲティングの課題

IDを利用したターゲティングは確かに考え方は3rd Party Cookieと近しいところがあるので、効果の期待値は高い。しかし、この方法は3rd Party Cookieを活用した広告配信と比較して、できることが限られている。
 3rd Party Cookieは非常に便利な技術であり現在も主要なターゲティング方法です。それゆえに、今回の3rd Party Cookie規制について頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。IDターゲティングはこの問題の一つの解決方法です。ただ、3rd Party Cookieに匹敵するほどのターゲティング技術は確立されておらず、これまでの精度をそのまま保つことは難しそうです。
 
 
 
・そもそもターゲティング広告って嫌われている?
 上記の際に忘れてはならないのは、デジタル広告が嫌われている面もあるということです。日本インタラクティブ広告協会が2019年にリリースした調査によると、デジタル広告に対して「しつこい」「不快」など回答された数が30%ほどいるという回答結果が出ております。
 つまり、デジタル広告は自社の顧客もしくはこれから顧客にしたい層に対して、どの様なマーケティングを仕掛けていくべきなのか、方法論だけでなく原則部分についても深く考えることが求められるのではないかと筆者は考えております。
 

・直近で考えていくべき課題と解決方法
 もちろん、技術的な部分だと3rd Party Cookieと同じ自由度で活用できるものはまだ表れてません。しかしながら、何か技術的な新しいデファクトスタンダードが出てきても、広告掲載面のチェックなどは変わらず必要です。また、JICDAQが発足し、広告掲載面の品質の担保は、代理店やアドプラットフォーマーに求められていくことが予測されます。JICDAQについては過去に本ブログでも言及してますので、下記記事も是非お読みください。
 
 

 デジタル広告が嫌われないためにも、アドベリフィケーションツールの導入以外にも広告主もしくは広告代理店が考えるべきことがあります。それは「誰にどんなメッセージを伝えて、自社商品にポジティブな反応を得るか」というマーケティングの大原則です。方法論を大きく変えなければならないこの環境だからこそ、改めてこの大原則を考えてみてはいかがでしょうか。
 
 上記のようなことと並行して、アドベリフィケーション対策について情報を収集されている方、実際にツールをご検討されている方におかれましても、お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。


是非下記よりお問い合わせください。
お問い合わせフォームはこちら

※Momentumの親会社のSupership Holdingsは3rd Party
Cookie使用制限に伴い様々な連携を進めてます。
直近ではIDソリューションの開発・提供を行う英国のテクノロジー企業Novatiq Limitedと資本提携を行いました。
詳細は下記をご覧ください。
https://supership-hd.jp/news/20210601/

 

参考元:
日経MJ「文脈」で広告配信先探し 脱クッキーで脚光
コンテクスチュアルターゲティング広がる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC215Y00R20C21A5000000/

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