コンバージョンAPI(CAPI)とは?仕組みや導入のメリットをわかりやすく解説

Momentumブログ編集部
2024-06-11
目次

コンバージョンAPI(CAPI)は、Web広告のクリックやコンバージョン(購入・登録・ダウンロードなどの目標達成)を追跡するための新しい技術です。
Cookie規制の影響で対策検討が必要な企業は少なくありません。CAPIを活用すれば、従来のCookieに依存しない広告パフォーマンスの測定が可能です。

本記事のテーマはコンバージョンAPI(CAPI)です。
この記事を読めば、CAPIの概要や導入するメリットと方法についての理解を深められます。CAPIについて知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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コンバージョンAPI(CAPI)とは

コンバージョンAPI(CAPI)とは

コンバージョンAPI(CAPI)とは、Meta社のFacebookやInstagram広告でCookieを使用せずにコンバージョンを計測する手法のことです。

近年、プライバシーや個人情報保護に関する注目が高まり、Webサイトを訪れた後のユーザー行動を追跡する3rd party Cookieが規制されています。
従来、3rd party Cookieの活用により、広告出稿やコンバージョン計測をしていたため、利用できなければ影響は小さくありません。

CAPIを活用すれば規制の影響を受けず、正確な計測などが可能です。ここからは、CAPI導入が進められた背景とCookie規制の影響について詳しく解説します。

≫≫【2024年版】Cookie規制はいつから?マーケティング戦略の影響と対策方法を解説

  • CAPIの導入が進められた背景
  • Cookie規制による影響

CAPIの導入が進められた背景

CAPIの導入が進められた背景には、個人情報保護における関心の高まりやプライバシーへの配慮があります。Cookieを使用したトラッキング手法に対する規制が厳しくなりました。
そもそも、CookieとはWebサイトをユーザーが閲覧した際に、行動や入力した情報、利用環境などのデータを記録する仕組みやそのファイルのことです。Cookieにより、各サイトにおけるログイン情報の毎回入力が不要になっています。

ただ、Cookieにはユーザーを識別する情報が含まれるケースがあります。
万が一、個人を特定する情報が不正な手段で入手されれば、個人情報の漏洩や悪用が発生する可能性が低くありません。

また、パーソナライズドされた広告に対し、監視や追跡されていると感じるユーザーが存在し、批判が強まっています。
日本を含め、世界のさまざまな国・地域でCookieを含めた個人情報保護を強化する法律が成立しました。さらに、ユーザーの不満増加を抑止する目的で、各ブラウザベンダーが以下のCookie制限を実施しています。

  1. Apple(Safari):2017年にITPがスタートし、2020年3月から全面的にブロック
  2. Google(Chrome):実施スケジュールの延長を行いながらも、段階的に規制し2025年の初頭には廃止すると発表
  3. Microsoft(Edge):プライバシー設定が可能な追跡防止機能を実装
  4. Mozilla(Firefox):2022年6月にプライバシー保護機能のデフォルト設定を発表し、クロスサイトトラッキングなどをブロックする機能を実装

ユーザーニーズや法規制、ブラウザベンダーの動きを踏まえ、広告主と広告ネットワークがプライバシーを尊重した広告配信手法を模索した結果、CAPI導入が進められています。

≫≫ ITP規制とは?Cookie規制の制限が行われている理由をわかりやすく解説

Cookie規制による影響

Cookie規制により以下の影響があります。

  1. 広告ターゲティングの精度が低下する
  2. リターゲティングなどの効果的な広告配信が難しくなる
  3. 広告のクリック率やコンバージョン率などの正確な測定が難しくなる

従来、企業がデジタルマーケティング活動を行う際は、過去に蓄積したデータの紐づけでユーザー識別や、属性・行動から興味関心の推測をしていました。また、広告のターゲティングやコンバージョン計測は、3rd party Cookieを用いて行っていました。

ただ、主に3rd party Cookieが規制の対象で今後活用できず、正確なデータ収集が困難です。
インターネット広告の場合、広告が表示されたタイミングでコンバージョンにつながらなくても、後日別ルートからのコンバージョンが発生するケースがあります。

これまでは、3rd party Cookieを利用し、他ルートからのコンバージョンや同一人物の複数デバイス利用を認識・特定していました。規制により、今後はこれまでとは違う方法でのターゲティングや正確なコンバージョン計測が必要になります。

≫≫ 3rd Party Cookieの使用制限とアドベリフィケーション

≫≫ 3rd Party Cookieレス時代を見越した広告配信の今

コンバージョンAPI(CAPI)の仕組みとは

コンバージョンAPI(CAPI)の仕組みとはCAPIは規制が開始されたWebブラウザのCookieに依存せず、MetaのFacebookやInstagram広告における「クリック」「会員登録」「商品購入」などのコンバージョンデータを追跡するための技術です。

広告主のサーバーからFacebook広告サーバーへ直接イベントデータを送信し、その情報を登録済みのユーザー情報と照合させ、計測データを処理する仕組みになっています。
ここからは、CAPIにおける以下の仕組みについて詳しく解説します。

  1. APIの利用
  2. データの暗号化
  3. ユーザーの同意
  4. クロスデバイスの追跡

APIの利用

CAPIは、広告主やネットワークが提供するAPI(Application Programming Interface)を利用してデータを送受信します。

APIとは、ソフトウェアやアプリケーションなどの一部を外部に公開し、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにするもののことです。
従来、Facebook広告におけるコンバージョンの計測は、広告主のサイトに「ピクセルタグ」を埋め込み、生成されるCookieデータを広告サーバーに送信していました。

ピクセルタグとは、Webサイトへの設置で広告の効果計測やターゲティングリスト作成を可能にするJava Scriptコードのことです。しかし、規制によりCookieの発行やデータ送信ができず、正しい測定ができません。
CAPIを活用すれば、コンバージョンが発生した際にその情報を、API経由でサーバーに送信が可能です。受信したデータを、Facebook広告に保存されている利用者情報と照らし合わせ、計測データを処理します。

データの暗号化

データの送受信はエンドツーエンドで暗号化されます。ちなみに、エンドツーエンド(end-to-end)とは「端から端まで」を意味し、通信・ネットワーク分野では、通信を行う二者を結ぶ経路全体、もしくはその両端のことです。
暗号化により、ユーザーの個人情報や行動データが安全に送信され、第三者による盗聴・改ざんを防止することができます。

ユーザーの同意

データの送信にはユーザーの同意が欠かせません。プライバシーや個人情報保護を目的に施行された以下などの法律は、Cookieのみを対象にしているわけではありません。

  1. 日本:改正個人情報保護法・電気通信事業法
  2. EU:GDPR(General Data Protection Regulation、EU一般データ保護規則)
  3. 米国のカリフォルニア州:CCPA(California Consumer Privacy Act、カリフォルニア州消費者プライバシー法)

情報の取り扱いには細心の注意が必要で、ユーザーの同意を得る必要があります。
例えば、改正個人情報保護法では、「個人関連情報」という概念が新設され、本人の同意がない以下情報の第三者提供や、個人情報との紐づけ・利用を規制しています。

  1. Cookie
  2. IPアドレス
  3. 端末固有ID
  4. 位置情報
  5. 閲覧履歴
  6. 購買履歴

必要に応じて法務部門や顧問弁護士に相談し、適切な同意獲得方法や保存期間、削除方法の検討が重要です。

クロスデバイスの追跡

Cookieにより難しくなるクロスデバイスの追跡も、CAPIの活用で実現します。CAPIを活用すれば、イベントデータをFacebook広告に登録されているユーザー情報と照合可能です。
ユーザーが広告をクリックしたデバイスとコンバージョンが発生したデバイスが異なる場合でも、情報の関連付けにより正確に追跡できます。

コンバージョンAPI(CAPI)を導入するメリット 

コンバージョンAPI(CAPI)を導入するメリット 

CAPI導入による主なメリットは以下の3つです。

  1. Cookie規制の影響を受けない
  2. 取得できるCAPIデータが増加
  3. 広告の精度が向上

ここからは、上記について詳しく解説します。

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 Cookie規制の影響を受けない

Cookieを使わないため規制の心配がないCAPIを採用すれば、サーバーサイドでのデータ送信および受信により、プライバシー規制に対応できます。また、以下の問題も避けられるため、安定的な広告の効果計測が可能です。

  1. ブラウザ自体の広告ブロッカー設定
  2. 他社独自の規制
  3. 読み込みエラー
  4. 接続問題
  5. 各デバイスにおける制限

これまで活用されていたFacebookピクセルも、3rd Party Cookieが用いられているため、規制の影響を受けます。
広告主は新たなトラッキング手法を探す必要があり、CAPIの採用は代替策として有用です。

 取得できるデータが増加

取得できるデータの増加もCAPI導入におけるメリットの一つです。

これまでの計測できるのはオンライン上の情報だけでした。
しかし、CAPIにより広告主のサーバーに存在する情報が利用可能なため、テレビ、リアル店舗、電話などのオフライン経由の受注履歴との連携ができ、分析精度が向上します。
また、ブラウザのクラッシュや接続問題の影響を受けにくくなる点も魅力です。

 広告の精度が向上

CAPIはサーバーサイドでデータを処理するため、ブラウザやデバイスの設定に左右されず、より信頼性の高いデータを確認できます。また、前述の通り広告主のサーバーにある他データとの連携が可能です。3rd PartyからのCookie情報提供を待つ必要がなく、データ連携のスピードも早くなります。

デジタルマーケティングを行う上で、分析データをもとにしたPDCAの実施は欠かせません。ただ、分析データに欠損があれば、改善施策も不十分になります。
正確なデータをスピーディに入手し高速でPDCAをまわせば、広告の精度向上が期待できます。

コンバージョンAPI(CAPI)を導入する3つの方法 

コンバージョンAPI(CAPI)を導入する3つの方法 

CAPIを導入する方法は主に以下の3つです。

  1. 統合パートナーで実装する
  2. 直接実装する
  3. Googleタグマネージャーを使って実装する

それぞれ特徴が異なるため、自社の状況を踏まえた方法の選択が重要です。ここからは、CAPIを導入する3つの方法について詳しく解説します。

 1. 統合パートナーで実装する 

主要な広告プラットフォームや、アドテック企業が提供する統合サービスを利用すれば、CAPIを導入できます。Facebookのパートナープラットフォームとは、具体的に以下が該当します。

ジャンル

プラットフォーム名

Eコマース

Magento

Shopify(オンライン)

WooCommerce

Cafe24

Makeshop

Webサイトプラットフォーム

Segment

WordPress

カスタマーデータプラットフォーム

Tealium

データ接続プラットフォーム

Zapier

Conversions API Gateway

タグ管理

Googleタグマネージャー

アドテック(AdTech)とは、Advertising Technology(広告技術)の略で、インターネット広告を配信する仕組みやシステムのことです。代表的なアドテック企業は以下の通りです。

  1. 株式会社サイバーエージェント
  2. 株式会社フリークアウト・ホールディングス
  3. Supership株式会社
  4. ユナイテッド株式会社
  5. 株式会社フルスピード
  6. 株式会社VOYAGE GROUP

統合パートナーでの実装であれば、コード編集などの専門知識や技術リソースを持たなくても、効率的にAPI導入・活用が可能です
また、統合パートナーは広告プラットフォームやアドテック企業との連携において豊富な経験を持っており、専門的なサポートを提供してくれます。

 2. 直接実装する

自社で直接実装するもあります。自社で実装すれば、企業はAPIの統合に関する完全な制御を持てます。また、外部の3rd Partyに依存せず、自社のニーズや要件に合わせたAPIのカスタマイズが可能です。

しかし、開発や導入には時間とリソースが必要で、専門知識や技術力が求められます。直接実装を選択する場合は社内のシステム部門か、もしくは外部のシステム開発会社への依頼が一般的です。
開発方法は、利用するサーバーやサーバーのシステムにより異なります。

 3. Googleタグマネージャーを使って実装する

Googleタグマネージャー(GTM)を活用した実装も可能です。サーバー側Googleタグマネージャー用コンバージョンAPIは、Meta for Developersでも正式に案内されています。
Googleタグマネージャーを活用すれば、Google Cloud Platform(GCP)などに、イベントデータを送信する構成が可能です。

コンバージョンAPIタグは、Googleカスタムタグテンプレートをベースにするため、一からの開発が必要なく高度なスキルを持つエンジニアへの依頼は不要です。また、Googleタグマネージャーの場合は、サーバーサイドタグを利用した実装をするため、Googleの広告計測もできます。

Googleタグマネージャーを使って実装する手順は以下の通りです。

  1. GTMサーバーコンテナを作成する
  2. GA4(Google Analytics 4)設定でタグ付けサーバーURLを設定する
  3. GA4イベント – サーバーに配信されるようにイベントスキーマを構成する
  4. Metaに対してイベントを起動するイベントのリスナーを作成する

なお、詳細はMeta for Developersの「サーバー側Googleタグマネージャ(GTM)用コンバージョンAPI」をご確認ください。

コンバージョンAPI(CAPI)のまとめ

コンバージョンAPI(CAPI)のまとめ

この記事では、CAPIの概要や導入するメリットと方法について解説しました。

CAPIは規制が開始されたWebブラウザのCookieに依存せず、MetaのFacebookやInstagram広告におけるコンバージョンデータを追跡するための技術です。
CAPIを導入すれば、Cookie規制を受けない広告配信や正確な効果計測が可能になります。

ただ、広告配信をする場合はCookie規制だけでなく、アドフラウドやビューアビリティ、ブランドセーフティへの対応も欠かせません。
対応を怠れば、自社のブランドイメージ悪化や、広告配信をしても効果が得られない可能性があるため、広告検証が可能なアドベリフィケーションツールの利用がおすすめです。

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