この度、インターネット広告代理店(以下、エージェンシー)を対象としたアドベリフィケーションに関する意識調査を発表いたしました。モメンタムでは、アドバタイザー(以下、アドバタイザー)を対象とした同様の調査も2018年、2020年に実施しました。広告事業者のアドベリフィケーションに関する意識を定点的に観測をしております。アドバタイザーに対する意識調査の結果はこちらをご覧ください。
方法とは?
ヒントを得る
調査概要
対象:国内のインターネット広告代理店事業に携わる方
サンプル数:257ss
調査期間:2020年6月8日 - 6月10日
調査内容:アドベリフィケーションに関する認知度や対策状況
調査機関:株式会社マクロミル
語句の定義
アドベリフィケーション:
アドフラウド、ブランドセーフティ、ビューアビリティに配慮した、不適切な広告配信を防ぐための広告価値毀損測定の仕組みのこと。
アドフラウド:
botなどを使い無効なインプレッションやクリックによって広告費用を騙し取る不正広告のこと。
ブランドセーフティ:
広告が不適当な掲載場所に表示されることによるブランド毀損を防ぐこと。
ビューアビリティ:
配信された広告掲載インプレッションのうち、実際にユーザーが視認できる状態にあったインプレッションの比率のこと。
調査結果サマリ
・ブランドセーフティの名称認知は5割を超えるものの、アドベリフィケー
ション全体の認知は低い。
・施策実施率は35%前後。対策実施率を規模別に見ると、小規模代理店と中
規模以上の代理店で差が見られた。中規模以上の代理店は対策を実施して
おり、小規模事業者は今後の対策に積極的と見られた。
・アドバタイザーとエージェンシーを比較すると、アドバタイザーの方がア
ドベリフィケーションに対する認知率・対策実施率が高い結果となった。
エージェンシーのアドベリフィケーションに関わるキーワードの認知率
「ブランドセーフティ」が最も高く50%超え
名称の認知率は「ブランドセーフティ」が最も高く、50%を超えました。「名所も内容も知っている」という回答に関しては、「ブランドセーフティ」が30%を超えている一方で、「アドベリフィケーション」が20%を下回りました。また、内容を知らないという回答が約70~80%を占めています。
アドバタイザーとの比較
アドバタイザーと比較すると、エージェンシーは全キーワードとも認知率は低い結果になりました。
≫≫ アドベリフィケーションツールのおすすめベンダー5選を徹底比較!仕組みから費用まで徹底解説
≫≫ アドベリフィケーションツールの選び方の3つのポイントを徹底解説!
エージェンシーのアドベリフィケーション施策の実施率
エージェンシーの施策実施率は35%前後
エージェンシーのアドベリフィケーション対策実施率 どのカテゴリにおいても、対策実施率は35%前後です。カテゴリごとに大きな開きは無い結果となりました。現在は対策を実施していて非継続意向者は4〜6%で、対策を実施すると継続意向が高い印象を受けました。
アドバタイザーとの比較
認知率と同様に、実施率においてもアドバタイザーの方が高い数値が出ています。 また、「対策をとっていないが、今後対策をとっていきたい」という回答の割合もアドバタイザーを下回っており、アドベリフィケーションに対する意識の差が明確になりました。
代理店規模(売上高)による意識の差【認知率、実施率、その他】
代理店規模による意識の差を測ることを目的として、代理店の売り上げ高別に3つのクラスタに分け、それぞれの認知率、実施率等の差を比較しました。
代理店規模の定義
小規模:50億円未満
中規模:50億円以上200億円未満
大規模:200億円以上
エージェンシー認知率(規模別)
アドベリフィケーションに関わるキーワードの認知率は、売り上げ規模によって差があることが明確になりました。認知率が高い順に、大規模、中規模、小規模となります。 大規模事業者では、各キーワードの認知率は5割を超えた一方で、 小規模事業社においては内容を知らない方が約8割から9割以上となりました。
エージェンシーの対策実施率 (規模別)
認知率は各規模別に差が見られたものの、実施率については小規模代理店の実施率の低さが明確になりました。 「対策をとっている。またはとったことがあり、今後も対策をとっていきたい」という回答は、中規模と大規模において約40%の数値を示していますが、小規模は25%となっています。 一方で、「対策をとっていないが、今後対策をとっていきたい」層は、小規模事業者が20%前後で最も高く、中規模・大規模事業者は約10%以下となっています。
アドベリフィケーション実施理由(規模別)
アドベリフィケーションを実施しているエージェンシーに対し、アドベリフィケーションに取り組んだきっかけについて調査を行いました。こちらも規模別のグラフになっています。規模別に顕著な差を示しているのは、「アドフラウドやブランド毀損が問題になっているから」という回答で、大規模事業社が60%を超える一方、それ以外の規模の事業社は約40%となりました。
それ以外の実施理由としては、「取引上で対策をとる必要が生じた」が約30%~40%となっており、規模の大小に限らず、取引の必要条件になりつつあると推察できます。
方法とは?
ヒントを得る
エージェンシーアドベリフィケーション施策を実施しない理由(規模別)
アドベリフィケーションに関する対策を行っていないエージェンシーに対して、今まで対策をとっていない理由を調査いたしました。 小規模代理店に目立ったのが、「アドベリフィケーションについて知らない今回の調査までこのキーワードを知らなかったから」という回答が40%を超え最もおおく、中小規模の代理店の理由として目立ったのが、「対策方法が分からないから」「社内で問題になった(議題にあがった)ことがなかったから」「予算がないから」が次点となりました。まだまだアドベリフィケーションに関わる認識が浸透していない結果となっていると推察できます。 また、大規模代理店に関しては、認知はしているものの、準備中か、他の企業の動きを伺っているという回答がありました。
考察・まとめ
アドバタイザーと比較すると、エージェンシーのアドベリフィケーションに対する意識は低いことが分かりました。エージェンシー内を比較すると、規模が大きい事業者はアドベリフィケーションに対する意識が高く、対策が行われている傾向にありますが、小規模代理店はでも今後対策が進んて行くことが予想されます。アドベリフィケーションに関わる問題は、jaaの宣言にある通り、各ステークホルダーが対策すべき問題です。
Momentumは今後も、認知率の向上および問題の理解についての啓蒙をすすめ、よりよりインターネット広告の環境を整えていきます。我々としても中小規模の代理店を対象とした勉強会やセミナー積極的に行っていきたいと思います。
本調査に関するお問い合わせ、取材依頼はこちらからお願いいたします。
方法とは?
ヒントを得る