リスティング広告はクリック課金制であるため、不正クリックが発生すると無駄な費用が発生します。
また、広告に関する正しい計測ができなくなるデメリットもあり、対策が必要となります。対策の方法はさまざまありますが、ツールの活用がおすすめです。
本記事のテーマは、リスティング広告の不正クリックです。
この記事を読めば、起こる原因やデメリット、ツールを用いた対策に関して理解できます。
リスティング広告での不正クリックについて知りたい方、対策をしたい方はぜひご覧ください。
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リスティング広告で不正クリックが起こる原因
リスティング広告では多くの不正クリックが起こっています。
日経クロストレンドの推定によれば、2022年の日本国内における不正クリック被害額は約1,300億円。
2021年より10%増加した結果になっています。
ここからは、リスティング広告で不正クリックが起こる以下2つの原因について詳しく解説します。
- 競合他社による意図的なクリック
- ボットによる広告詐欺を目的としたクリック
競合他社による意図的なクリック
同じ広告枠を競うライバル会社が、意図的に不正クリックを行うケースがあります。リスティング広告を実施する企業の中には、予算上限を設定し広告を出稿している会社は少なくありません。
定めている予算を使い切らせれば、ライバル企業の広告掲載を停止できるため、自社の広告が上位表示される可能性が高まります。
また、不正クリックであれば問い合わせや商品購入などのコンバージョンにはつながりません。
競合他社からのクリックが想定される場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
≫≫ リスティング広告での嫌がらせはクリック対策で解決!無効なクリックの防止方法を紹介
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ボットによる広告詐欺を目的としたクリック
ボットによる広告詐欺を目的とした不正クリックも存在します。
出稿先サイトの中には、無駄なクリックにより費用を水増しし広告費を不正にだまし取ろうとしているところがあります。反社会的勢力などが行っているケースも存在し、場合によっては資金源になる可能性も見逃せません。
実際に、World Federation of Advertisers(世界広告宣伝業連合)によれば、ボット活用などの広告詐欺であるアドフラウド被害は、2025年までに500億ドルに達するとされています。
また、今後10年以内に反社会的勢力の薬物に次ぐ資金源になると予測されています。
リスティング広告の不正クリックによる2つのデメリット
リスティング広告の不正クリックをされると、以下2つのデメリットがあります。
- 無駄な広告費用を消化してしまう
- 正しい計測ができない
ここからは、上記について詳しく解説します。
無駄な広告費用を消化してしまう
リスティング広告の課金体系はクリック単価制で、クリックされるたびに費用が発生しまするため、不正クリックが発生すると、無駄な広告費用を消化してしまいます。
本来必要ない広告費の発生は、企業活動への影響が少なくありません。
また、費用を費やしているにも関わらず、ターゲットユーザーへのアプローチができないため、機会損失につながります。
正しい計測ができない
正しい計測ができないのも不正クリックにおけるデメリットの一つです。
通常、Web施策はクリックやインプレッション、コンバージョンなどの指標を確認・分析し、改善するPDCAを回します。
効果的なWeb広告の運用をするために、指標の確認・分析・改善のステップは欠かせません。ただ、不正クリックを受けると想定しているターゲットが実際にはどの程度クリックしたかを確認できず、正確な計測ができません。
万が一、ボットや嫌がらせによる不正クリックを広告の成果と認識してしまえば、予算を使い続けてしまう可能性もあります。
また、不正クリックが続けばクリック数だけが増加し、Webの分析指標に歪みが生じ他の項目も正しく分析できなくなる恐れも存在します。
広告媒体側の不正クリックの定義と対策
一般的に、約30%が不正・無効ものの可能性があるといわれています。
アメリカの企業であるSOLVE mediaが2013年12月に発表した結果によれば、PC広告の22%〜29%
モバイルの11%〜14%がボットによるものです。
広告を表示しているGoogleとYahoo!では、対象となるものを含め無効クリックを定義、独自システムによる対策を構築しています。
ここからは、GoogleとYahoo!の広告媒体側における定義と対策について詳しく解説します。
- Google広告の無効なクリックの定義と対策
- Yahoo!広告の無効なクリックの定義と対策
Google広告の無効なクリックの定義と対策
Google広告の定義では、意図的な不正や間違いなど、ユーザーの純粋な興味に関連しないものを無効なクリックとしています。具体的なものは以下の通りです。
- ダブルクリックの2回目など、価値のない偶発的なもの
- 広告主の費用を意図的に増加させる目的に手動で行われるもの
- 広告を表示するサイトを運営者している方の収益を増加させる目的で行われるもの
- 自動ツールやロボットなどの不正なソフトウェアにより行われるもの
- クリック率を作為的に低下させるために行われるもの
上記から広告主を守る目的に、Googleではリアルタイムで無効なクリック・インプレッションを検出する仕組みを構築しています。
また、初見の無効なトラフィックに対して、システムと専門家の双方が審査を行います。
万が一、無効なクリックやトラフィックが発生した場合、広告主はその分の料金が請求されません。
さらに、以下などのデータ確認を行い、無効と判断されたインタラクションはアカウントデータから除外する仕組みを構築しています。
- IPアドレス
- インタラクションの発生時刻
- 重複するインタラクションの有無
自社の広告に無効なクリックやインプレッションが発生していると感じる場合、Googleに報告すれば、専門チームによる審査も受けられます。
Yahoo!広告の無効なクリックの定義と対策
Yahoo!広告の場合、以下の2ヵ所で確認可能です。
- 広告管理ツールのキャンペーン一覧画面
- パフォーマンスレポートの「アカウントレポート」もしくは「キャンペーンレポート」
キャンペーン一覧画面で確認する手順は以下の通りです。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示する
- サイドメニューの「キャンペーン」を押す
- 画面右上「表示項目」のプルダウンを開き「表示項目の編集」を押す
- 画面左側に項目の一覧が表示されるため「無効なクリック」もしくは「無効なクリック数」「無
効なクリック率」にチェックをつける - 画面左下の「適用」を押す
パフォーマンスレポートは確認したい項目を選択できます。無効なクリックを確認する場合は、レポートを作成する際に指標を追加するだけです。広告管理ツールでの具体的な手順は以下の通りです。
- 画面右上にある「レポート」を押す
- レポート画面が表示されるため、テンプレートの「レポート作成」を押す
- プリセットを読み込む画面が表示された後に、プリセットを利用する際は項目を選び、利用しない場合「閉じる」を押す
- 「テンプレートを作成する」画面で、テンプレート名やデータの集計期間などを入力し、出力する際のファイル形式・項目(無効なクリック)などを選ぶ
- 保存を押す
広告媒体での不正クリックの確認方法
ユーザーは、GoogleやYahoo!などの各広告媒体では、不正クリックが発生しているか否かを確認できます。
ここからは、Google・Yahoo!広告での確認方法について詳しく解説します。
- Google広告の無効なクリックの確認方法
- Yahoo!広告の無効なクリックの確認方法
Google広告の無効なクリックの確認方法
Google広告の管理画面から確認する手順は以下の通りです。
- 管理画面の左側に表示されているメニューから「キャンペーン」を選ぶ
- キャンペーンの一覧が表示されるため、画面の右上にある「表示項目」を押す
- 「表示項目を変更」を押す
- 画面上部に表示された検索ボックスに「無効な」などのキーワードを入力
- 候補で「無効なクリック」が表示されるため、項目を追加し左下の「適用」を押す
- キャンペーンに戻り確認
また、以下の方法により被害額・返金額も確認できます。
- 管理画面の左にあるメニューバーの「料金」を押す
- 「請求処理状況」を押す
- 「説明文」の項目にある「無効なクリック」を確認
Yahoo!広告の無効なクリックの確認方法
Yahoo!広告の場合、以下の2ヵ所で確認可能です。
- 広告管理ツールのキャンペーン一覧画面
- パフォーマンスレポートの「アカウントレポート」もしくは「キャンペーンレポート」
キャンペーン一覧画面で確認する手順は以下の通りです。
- 広告管理ツールで検索広告のアカウントを表示する
- サイドメニューの「キャンペーン」を押す
- 画面右上「表示項目」のプルダウンを開き「表示項目の編集」を押す
- 画面左側に項目の一覧が表示されるため「無効なクリック」もしくは「無効なクリック数」「無効なクリック率」にチェックをつける
- 画面左下の「適用」を押す
パフォーマンスレポートは確認したい項目を選択できます。
無効なクリックを確認する場合は、レポートを作成する際に指標を追加するだけです。
広告管理ツールでの具体的な手順は以下の通りです。
- 画面右上にある「レポート」を押す
- レポート画面が表示されるため、テンプレートの「レポート作成」を押す
- プリセットを読み込む画面が表示された後に、プリセットを利用する際は項目を選び、利用しない場合は「閉じる」を押す
- 「テンプレートを作成する」画面で、テンプレート名やデータの集計期間などを入力し、出力する際のファイル形式・項目(無効なクリック)などを選ぶ
- 保存を押す
リスティング広告の意図的な不正クリックはツールで対策
GoogleやYahoo!などの広告媒体側でも不正クリックへの対策をしていますが、全てを防止できるわけではありません。
企業によっては、IPアドレス除外設定を行ったり、セーフリスト(ホワイトリスト)やブロックリスト(ブラックリスト)を作成したりして対策をしているケースがあります。
セーフリストとは、広告配信先として安全と考えられるWebサイトのリストのことです。
ブロックリストとは、逆に配信先として危険と考えられるWebサイトリストのことです。
IPアドレス除外やセーフリスト、ブロックリストの作成・メンテナンスには手間がかかります。
また、近年の不正クリック手法は高度化しており、人手による対策だけでは対応できないケースがあるため、対策ツールを活用するのがおすすめです。
ここからは、以下の2つについて詳しく解説します。
≫≫ 広告運用におけるホワイトリスト配信について注意点もあわせて解説
- アドフラウド対策ツールの活用
- アドベリフィケーションツールで根本的な解決
アドフラウド対策ツールの活用
アドフラウドとは無意味なクリックやインプレッションを発生させ、広告費を水増ししてだまし取る手法のことです。
広告詐欺や広告不正とも呼ばれます。
アドフラウドと一言でいってもさまざまな種類が存在し、具体的には以下の5つがあります。
- クリック洪水:ボットなどのプログラムで、広告の表示・クリック数を増やす手法
- ユーザーデバイスのハッキング:一般ユーザーのスマートフォンなどをハッキングし、表示・クリック数を増加させる手法
- 過度な広告領域:多数の広告が表示されたサイトを作成し、表示回数を増やす手法
- 隠し広告:極小や透明なユーザーの目にとまらない広告を設置し、表示回数を増加させる手法
- 自動リロード:自動でリロードを行い、広告の表示回数を増やす手法
アドフラウド対策ツールを活用すれば、不適切なWebサイトへの広告配信をブロック可能です。
具体的なツールとして、WebサイトにアクセスしたユーザーのIPアドレスから、企業名の検索ができるX-logがあります。
また、X-logでは余分なクリックを自動検知し、不必要なIPや特定の配信先を自動的にブロックする機能も実装しています。
アドベリフィケーションツールで根本的な解決
アドフラウドだけの対策を行うのではなく、アドベリフィケーションツールを活用し根本的なWeb広告に対するリスク対策をするのがおすすめです。
アドフラウドの対象となるのは、リスティング広告だけではありません。
ディスプレイ広告や動画・アプリ広告も対象になります。
また、Web広告にはアドフラウド以外にも以下2つの課題があります。
- ビューアビリティ:ユーザーが確認できる範囲に広告が表示されていた比率
- ブランドセーフティ:違法サイトに広告が掲載されるなどの影響により、ユーザーからの広告主企業における印象悪化を防ぐ取り組み
例えば、ブランドセーフティの対策を行わない場合、反社会的勢力のサイトや自社のブランドイメージに合わないサイトに広告が掲載され、クレームやイメージ低下につながります。
ビューアビリティやブランドセーフティには、アドベリフィケーションツールが有効です。
アドベリフィケーションツールとは、広告配信のリスクを低減するツールのことです。
アドベリフィケーションツールは複数存在しますが、電通や博報堂などの大手広告代理店から中小企業まで、多数の企業に利用されているMomentum株式会社のツールを利用すると良いでしょう。
Momentum株式会社では、HYTRA DASHBOARDやHYTRA for Advertiser、HYTRA APIなど複数のアドベリフィケーションツールを提供しているベンダーです。
例えば、HYTRA DASHBOARDは3大リスクに対して包括的なリスク対策ができる配信推奨・非推奨リストを提供するダッシュボードです。
Webサイトのみならず、動画やアプリ内広告にも対応でき、活用に専門的な知識は必要ありません。
また、Momentumは専任担当者をアサインし、利用すれば充実したテクニカルサポートを受けられます
≫≫ アドベリフィケーションツールのおすすめベンダー5選を徹底比較!仕組みから費用まで徹底解説
≫≫ ブランドセーフティとは?意味やガイドラインの内容から対策方法まで解説
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まとめ
本記事では、リスティング広告で不正クリックが起こる原因やデメリット、ツールを用いた対策について解説しました。
競合他社の妨害やボットによる広告詐欺を目的により、不正クリックが発生します。
GoogleやYahoo!などの媒体側でも、独自システムの構築などによる対策をしていますが、全てを防止できるわけではありません。広告主側でもツールを活用するのがおすすめです。
ツールを活用する際は、アドフラウド単体でなくビューアビリティやブランドセーフティも含めた3大リスクをアドベリフィケーションツールで根本的に解決すると良いでしょう。Momentumの「HYTRA DASHBOARD」であれば、自動で高品質な配信先リストを作成可能です。
興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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