この記事はリスティング広告のリスクについて、Web広告担当者がおさえておきたい基本的な内容から具体的な対策まで詳しく解説します。
方法とは?
ヒントを得る
そもそもアドフラウドとは
アドフラウドの基礎
アドフラウドとは、ad(=広告)とfraud(=詐欺)から、「広告詐欺」のことを指します。デジタル広告のシステムを巧みに利用した詐欺やハッカーや不正業者によって作られたボットによる詐欺などが挙げられます。つまり、広告主がプラットフォームなどに広告を出稿して、広告費を支払っているにもかかわらず、実際には広告主にとって望ましい成果に全く繋がらない、詐欺的な広告の消化がされているものをいいます。
広告費は発生するが、広告の効果は0ということなので、Web広告を出稿する担当者にとっては、対策をおこなうべきなのです。言い換えると、アドフラウドの対策を行うことで、より低価格で効率的な広告を出稿できるようになる可能性があります。
アドフラウドについて詳しくは
アドフラウドとは?広告詐欺が発生する仕組みと対策事例を紹介をご覧ください。
アドフラウドとは?対策方法からおすすめ対策ツール5選を徹底比較をご覧ください。
現在のアドフラウド率
現状、アドフラウドによる被害はかなり大きく、今も増え続けている状況です。アドフラウドの規模としては、弊社以外のアドベリベンダもレポートとして報告しています。IAS社のレポートによるとアドフラウド率は6.9〜13.2%と記載があります。
「Spider AF(スパイダーエーエフ)」を提供するSpider Labs社によると、2021年7月1日〜12月31日にかけて行われた同社の調査では、半年間で解析したウェブ広告6 億 9,600 万クリックのうち、約 4.4%にあたる3,062万クリックがアドフラウドであることが判明。1 クリックあたり 50 円で計算すると、およそ 15 億 3,120 万円規模のアドフラウド被害があったと同社は推測しています。
参考:「ExchangeWire2021 年下半期アドフラウド調査レポートを公開」
また別の方法でアドフラウドの被害金額の概算も算出は可能です。日本のプログラマティック広告費に平均アドフラウド率をかけるとおよその数字感がイメージできます。実際に計算してみると、2020年のディスプレイ広告費と検索連動型広告費の合計金額1兆2520億円×アドフラウド率10%=1252億円が想定数字です。あくまで概算ですが、膨大な金額が詐欺被害にあっている可能性が高いということを、ここではお伝えがしたかったということです。
※1)ディスプレイ広告費は、「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を参考。
※2)IAS社のレポートよりアドフラウド率(6.9〜13.2%)を参考に、その平均値10%として計算。
≫≫ アドフラウドとは?広告詐欺によるデメリットから最新の対策方法を解説
≫≫ アドフラウドが発生する仕組みとは?種類から対策方法を解説
リスティング広告におけるアドフラウドの例
ボットを使ったクリック詐欺
デジタル広告は、表示回数での課金形態またはクリック単価での広告費が発生する仕組みがほとんどです。リスティング広告はまさに代表的な広告手法の一つです。アドフラウドの手法は多岐に渡りますが、リスティング広告のアドフラウドといえば、ボットを使い意図的に広告をインプレッション・クリックさせるというものが代表的な例です。悪意のあるボットにより、不正に閲覧数・クリック数を増やすことで、広告費を水増しすることができます。結果として、広告費が無駄になっているということです。
言い換えると、ある広告で1日に100クリックされているとして、そのクリックが全てボットかもしれないということです。それは、正しく広告が実行されていないことと等しくあります。その為、Web広告を出稿する担当者にとって、対策を行わなければならないものの一つといえるのです。
なりすまし広告
最近は、なりすまし広告と呼ばれる新しい手口の詐欺もあらわれています。現に、家電などを扱う「アイリスオーヤマ」と、生活雑貨などを扱う「BRUNO」でも実際に起こっています。検索サイトで「アイリスオーヤマ」や「ブルーノ」、「ホットプレート」などブランド・商品名を検索すると表示されるリスティング広告(検索連動型広告)の中に、偽サイトへのリンクが表示されることがあります。
結果として、偽サイトに入ってしまった顧客が、騙されて偽商品を購入してしまうということが起きています。こういったことは、企業の信用力が毀損してしまう恐れもあるので、このような詐欺にも対処をしていかなくてはなりません。
参考:消費者庁「人気ブランド公式通信販売サイトを装った偽サイトに関する注意喚起」
方法とは?
ヒントを得る
誰がなんでやっているのか?
不正業者のケースがほとんど?
それではいったい誰がやっているのか?ということです。大前提として、インターネット広告のトラフィックの中には、Invalid Trafficがあり、General IVTとSophisticated IVTの二つに分類できます。SIVTがいわゆる「アドフラウド」になるのですが、GIVTといわれるものは、システム管理やセキュリティソフトによる自動アクセスなど、悪意のない原因で起こります。
しかしそれらのアドフラウドはごく一部です。アドフラウドの多くは、悪意を持った人間が自分の利益などのために、ボット等のプログラムを使っておこなっていると考えられます。
今回のテーマであるリスティング広告の場合はどうでしょうか。実は、大抵は競合会社からの依頼であることがほとんどだといわれています。掲載頻度を下げることで、競合他社の広告を表示させなくすることを目的とした発注です。クリックが繰り返されることによって、設定した予算に達すると自動で広告が掲載されなくなる仕組みです。特に競争が激しい業界では、不正業者を雇って、競合他社の広告を大量にクリックします。結果として、自社の広告を上位にして、顧客を奪おうとするケースです。
ここでいう不正業者は、堂々とサービスとして専用サイトを作っているような業者やオークションサイトなどで「何クリックでいくら」と販売している業者もいます。個人で請け負っている人もいるので、こういった悪徳業者は全体像を把握できていないのが今の状況です。
具体的な対策の方法について
対策をおこなっている運用会社または代理店に依頼する
では、どうしたら対策ができるのでしょうか?
一つの方法としては、シンプルですが、対策をしっかりとおこなっている運用会社または代理店に依頼をするということです。今まで、上記に記載した内容、特にクリック詐欺の対策ができるかをそのまま確認してください。Google社やYahoo!社の認定を貰っている会社の場合でも、対策をしていない運用会社や代理店は多く存在します。認証があるからといって、すぐに安心だと思わず、しっかり確認を取るように心掛けてください。
アドフラウド対策ツールの導入
自社で対策をする場合は、やはりアドフラウド対策ツールを開発しているベンダーに依頼するのが一番良いでしょう。当然ながら、各ベンダーで「強み」や「弱み」があるので、自社でどういった対策をしたいのか?に照らし合わせて選定を実施するようにしてください。
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