Google広告をはじめ、インターネット広告にはさまざまな課題がつきまといます。多くの掲載先に一括配信できるようになった一方で、配信先の把握が難しくなり、意図していなかったサイトに広告が配信されているケースも少なくありません。
「アドフラウド(広告詐欺対策)」「ブランドセーフティ(ブランド毀損を避けた出稿)」「ビューアビリティ(広告が適切に表示されているか)」など、広告配信に求められる対策は多岐にわたります。
そのような広告配信に関するトラブルを、大元から回避しやすい方法として活躍しているのが「ブラックリスト」です。
この記事では、広告配信によるブラックリスト(ブロックリスト)とはなにか、ホワイトリスト(セーフリスト)との違いやメリット・デメリットを解説します。
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広告配信におけるブラックリストとホワイトリストとは?
広告配信におけるブラックリストとホワイトリストとは、それぞれ以下のような役割を果たします。
リスト | メリット | デメリット |
ブラックリスト | ・優れた品質のブラックリストなら広告配信のトラブルを回避しやすい ・配信先を広げやすく広告の運用結果を得やすい |
・リストの更新を頻繁に行う必要がある ・把握漏れがあると価値がなくなる ・高品質なリスト作成には専門会社の助力が必須 |
ホワイトリスト | ・配信先を管理しやすい ・リストを調整する手間が少なめ ・アドフラウド被害やブランド毀損のリスクを大幅に減らせる |
・ドメイン偽装もあり完全に被害を防止できるとは限らない ・広告の出稿先が限られやすく流入元や参照データが少なくなりやすい |
ここでは、ブロックリスト(ブラックリスト)とセーフリスト(ホワイトリスト)についてそれぞれ解説します。
- ブロックリスト(ブラックリスト)
- セーフリスト(ホワイトリスト)
- ブロックリストとセーフリストのメリットデメリット
ブロックリスト(ブラックリスト)
ブロックリスト(ブラックリスト)とは、広告の出稿先に適さないドメインを管理したリストです。「登録したドメインを除外する」仕組みで、登録したリスト以外に広告を配信するため、さまざまなメディアに広告を出稿できるメリットがあります。
ブロックリストの対象範囲にはキーワード・プレースメント・特定のオーディエンス・IPアドレス・デモグラフィックなどがあり、ターゲッティングできる要素ならほとんどを含めることが可能です。そのため、セーフリスト(ホワイトリスト)よりも柔軟な対応ができます。
ROIに悪影響を与えそうな配信先を事前に除外できるため、広告配信を効率的に行えます。一方で、高品質なリストを広告主側だけで作成するのは難しいです。
さまざまなメディアへの広告配信を行いやすいものの、リスト作成のために専門会社などの助力が必要になります。
≫≫【アドベリフィケーションサービス解説】HYTRA DASHBOARD Web Unsafe List
セーフリスト(ホワイトリスト)
セーフリスト(ホワイトリスト)とは、広告を出稿したいドメインを管理したリストです。「登録したドメインのみ配信する」仕組みで、登録したリスト以外には広告が配信されないため、ブランド毀損などのリスクを避けられるメリットがあります。
セーフリストを使った広告配信では、ドメイン・ディレクトリ・URLなどプレースメント単位でそれぞれ出稿先を指定できます。自社の顧客ニーズに応じて配信先を絞ることができるため、限定的な環境で費用対効果を高めたいシーンにも最適です。
一方で、セーフリストはブラックリストに比べて広告配信先が限られやすく、出稿先の数が少なくなる傾向にあります。また、広告運用の担当者として新しい出稿先を探し続ける行動が求められます。
≫≫【サービス解説】HYTRA DASHBOARD Channel Safe List ~YouTube広告向け、配信推奨チャンネルリスト提供サービス~
≫≫ 広告運用におけるホワイトリスト配信について注意点もあわせて解説
ブロックリストとセーフリストのメリットデメリット
広告配信におけるブロックリストとセーフリストは、それぞれメリット・デメリットが異なります。セーフリストに比べてブロックリストはスケールさせやすいメリットがあり、広告運用ではほとんどがブロックリストを活用しているシーンが多くなっています。
メンテナンスのしやすさを見ると、セーフリストに軍配が上がります。決められた特定の配信先のみをターゲットにするため、安全性はブロックリストよりも高いといえます。一方で、設定が陳腐化しやすいため、リストの量が肥大化するブロックリストは細かいチェックが求められます。
また、たった1つのキーワードをブロックリストに登録しただけでも、対象となるサイトやユーザーは多岐にわたるため、リスト内容に対する適切な理解度も求められます。加えて、ブロックリストに比べると、ホワイトリストは小規模な管理になるため、あまり更新されなくなる事例も少なくありません。
言い換えれば、一度配信先を決定してしまうとその後は放置され、新しい配信先を探求する姿勢が損なわれてしまいます。
広告配信ではセーフリストが安定した成果を挙げられる一方で、運用効果のスケールを見込むのは難しくなっています。そのため、ブランドセーフティを重視した保守的なシーンでは「セーフリスト」、広告効果の促進を目指す場合は「ブロックリスト」を利用するなど、シーンに応じた使い分けが大切です。
また、プラットフォームの媒体に応じて傾向をセーフリストとブロックリストを使い分けて見るのもポイントです。たとえば、一見すると問題のないコンテンツでも、コメントでブランド毀損が行われている事例も少なくありません。
そのため、Webやアプリではブロックリスト、YouTubeではセーフリストといった使い分けをすると、アドフラウド対策からブランドセーフティまでを一貫して実現しやすくなります。
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Google広告のブロックリスト設定方法
Google広告では、「特定の広告主などを除外(ブロックリスト)」または「特定ドメイン以外を除外(セーフリスト)」によって、自社広告枠の適切な運用を実現しやすくなっています。
Google広告配信のブロックリストを設定する方法は以下のとおりです。
1. Google アド マネージャーにログイン
2. [保護] 次に [保護] をクリック
3. [新しい保護] 次に [広告のコンテンツ] をクリック
4. 保護の名前を指定
5. [広告枠のタイプ] プルダウンで、広告の表示を制御するメディア([モバイルアプリ] など)を選択
6. 特定の広告枠をターゲットに設定する場合は[ターゲティングを追加]で選択
7. [ブロック] で [広告主またはブランド] の横にある [追加] をクリック
8. [ブロックリストの種類] の横で、[次の広告主とブランドをブロックします]、または[すべての広告主とブランドをブロックします。例外]を選択
9. [直接発生するすべてのトラフィックにも適用する] をオン
10. [更新] をクリック
11. 必要な保護設定を追加して[保存]
引用出典:Googleアドマネージャーヘルプ「広告主とブランドをブロックする」
Google広告ではブロックリスト運用だけでなく、選択したドメイン以外をすべて除外するセーフリスト運用も可能です。
どちらも広告主のブロック設定が適用される取引は指定されており、プライベートオークションなどではブロックリストが効果を発揮しないためご注意ください。
≫≫ Google広告の無効なクリックとは?不正クリックの確認方法と対策
≫≫ 【いまさら聞けない】プログラマティック広告の仕組みとその課題とは?
ブロックリストとセーフリストの課題
広告配信ではブロックリストやセーフリストを活用してアドフラウド対策を実施するケースが増えている一方で、いくつかの課題が残されているのも事実です。各リストを手動で作成して運用を行っていくと、以下のような課題に直面します。ここでは、それぞれの課題について解説します。
- 担当者によってリストの精度のばらつき
- リスト更新による運用工数
担当者によってリストの精度のばらつき
広告配信でブロックリストやセーフリストを活用するとき、自社でリストを制作していると、担当者ごとにリストの精度が異なってしまう課題があげられます。たとえば、デジタルプラットフォームを取り扱う会社では、リストのクオリティにばらつきが生じ、担当者ごとに異なる品質の顧客対応となってしまう点が課題視されています。
リストの品質が異なると均一化されたサポートも提供しにくく、またリストの価値を把握しづらくなってしまうため、安定した広告配信を実現しにくくなってしまうのが課題です。
リスト更新による運用工数
広告配信をブロックリストやセーフリストで管理する場合は、リスト更新による運用工数が多大になる点が課題です。特にブロックリストでは、ほぼ無限にある潜在的な配信先を、手動でチェックしてリストに更新し続けていかなければなりません。
運用工数がかかるほか、ブロックするサイトを網羅するには一定以上の人材が求められるため、自社のリソースによってはリスト更新を続けるのが難しいのも事実です。
特に、セーフリストは配信先が限定的になるため、リスト更新を怠ることは広告配信もスケールしないことを指します。そのため、リスト更新の運用工数が負担になって更新を止めてしまうと、将来的な機会損失を招く課題も残ります。
≫≫ アドフラウドが発生する仕組みとは?種類から対策方法を解説
ブロックリストの課題はアドベリフィケーションツールで解決
広告配信でブロックリストの利用を考えているものの、「自社だけでは人的リソースなどの課題を解決できない」と感じたときは、アドベリフィケーションツールを利用してみるのもポイントです。
「ad(広告)verification(検証)」とは、違法サイトやbotによる不正被害を把握する仕組みで、専用ツールを使えばアドフラウド(広告詐欺)を含む被害を防ぐ効果が期待できます。
アドベリフィケーションツールを使えば、広告費用を騙し取るような行為を検知したり、不適切なサイトに広告が出向されたりするリスクを低減できる魅力があります。
たとえば、今回ご紹介した広告配信のブラックリスト運用でも、対応アドベリフィケーションツールを使えばリストが自動更新されるメリットがあります。
「担当者ごとにリストの品質が異なる」「リストを更新する運用工数がたいへん」といった手間を効率化できるほか、専門会社による品質の高いリストを利用できるため、広告配信を最適化しやすいのがメリットです。
広告配信のブロックリストに魅力を感じつつも、実際の運用で課題を感じる方は、この機会にアドベリフィケーションツールを導入してみるのをおすすめします。たとえば、Momentumでは三大リスクに対応しており、「ブランドセーフティ」「アドフラウド対策」「ビューアビリティ」など実現しやすいのがポイントです。ぜひこの機会にご利用をご検討ください。
≫≫ アドベリフィケーションツールのおすすめベンダー5選を徹底比較!仕組みから費用まで徹底解説
≫≫ アドベリフィケーション対策ツールの導入メリットとデメリットを徹底解説
広告配信によるブロックリストまとめ
広告配信によるブラックリストとは、「配信しない除外先をまとめたリスト」を指します。広告の出稿に適さないメディアや広告主を事前にブロックできるため、ブランド毀損に繋がるリスクを低減しやすいのがメリットです。
また、ホワイトリストに比べると、配信先が限定されないためスケールしやすく、広告運用範囲を着々と伸ばし続けられる魅力もあります。
一方で、ブラックリストは定期的なチェックが必要なほか、リストの更新を止めてしまうと価値がなくなってしまうデメリットもあります。そのため、広告配信でブロックリストの利用を考えている場合は、アドベリフィケーションツールなど専門会社が提供するリストを利用してみるのもポイントです。
Momentumでは、ブロックリスト機能に長けたアドベリフィケーションツールを提供しております。機械的なチェックに加えてプロによる目視チェックも行っているため、常に高品質なブロックリストをご利用いただけるのが魅力です。興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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